こんにちは、manotchです。もはや恒例となったこのコーナー。オーディオ電源強化総集編です。
いよいよ3周目突入。今回のテーマは超ローノイズ電源(バッテリーもあるよ)です。
目次
- 1 ■1周目。電源沼エントリー編。沼へようこそ!
- 2 ■2周目。PCオーディオ編は問題が多い。つまり面白い。
- 3 ■3周目。超ローノイズ電源は必要か?
- 4 ■電源強化方法は『電源供給能力アップ』と『ノイズ低減』
- 5 ■超ローノイズ電源 LT3045モジュール紹介
- 6 ■LT3045モジュールを動作させるまで
- 7 ■LT3045モジュール完成!
- 8 ■ACアダプターのスイッチングノイズをカットできるか?
- 9 ■ACアダプター+LT3045超ローノイズ電源の音のインプレッション
- 10 ■バッテリー電源とリニア電源+LT3045モジュールの特性
- 11 ■WiiMProの電源に接続し超ローノイズ電源の効果を確認する
- 12 ■リチウムポリマー充電池と思ったら水素充電池だった
- 13 ■バッテリーの内部抵抗をグラフにしてみる
- 14 ■精度よくバッテリーの内部抵抗を測定する
- 15 ■電池ボックスは音が悪いかも
- 16 ■オーディオに超ローノイズ電源は必要か(嫁の結論)
- 17 ■リポバッテリーの内部抵抗を測定
- 18 ■オーディオの『栄養分』とは?
- 19 ■嫁に見つかる前に撤収する
- 20 ■鉛バッテリーの電圧を落とす方法
- 21 ■バッテリー電源の音質を良くするには?
- 22 ■周波数特性をシミュレーションする
- 23 ■オーディオグッツ大賞『純銅製たわしボール』
- 24 ■バッテリーに接続するリード線長さは?
- 25 ■コンデンサバンクの効果をグラフにする
- 26 ■バッテリーアレコレと音質の傾向
- 27 ■なぜ買った?オーディオグッツ大賞『TOA あおなみ線スピーカー』
- 28 ■KEYSTONE製 バッテリーケース紹介
- 29 ■バッテリーケースの性能を測定する
- 30 ■おまけ。遊びでオイルコンデンサを付ける
- 31 ■超ローノイズ電源は必要か。総括
■1周目。電源沼エントリー編。沼へようこそ!
さて、1周目は電源強化(ACアダプター編)という事で一般的な傾向と対策から始まりました。興味のある方はこちらからご覧くださいね。対策可能なものが多いので電源沼へのエントリーには最適。
■2周目。PCオーディオ編は問題が多い。つまり面白い。
2週目は電源強化(PCオーディオ編)という事で自作PCの電源強化に取り組むことに。ちょっとマニアック。具体例を挙げながらやったので自作が出来る方なら参考になるかもしれません。PCオーディオは問題が多いです。つまり面白いってことです。
■3周目。超ローノイズ電源は必要か?
先日、WiiM ProをMy New Gearしてサブスクを楽しんでいるという記事を書きましたが音質対策でLANハブの電源をリニア電源に交換したりして効果を確認していたわけですが、ついでにバッテリーはどうかなという事で聴いて見たところやっぱりこれが中々音が良かったわけです。
バッテリーをダイレクトにオーディオ電源に繋ぐというバッテリー直駆動ですが、オーディオ界隈ではチャレンジしている方も多いようです。何と言っても音が静寂で澄んだ感じ、細かい音も良く聴こえるようになり、音場も広々です。ハマる理由もわかるように思いますね。
図で言う所のLANハブの所のリニア電源に変えてバッテリーで動作させます。WiiM Proのバッテリー動作も試しましたがどちらも効果がありますね。
■電源強化方法は『電源供給能力アップ』と『ノイズ低減』
以前、オーディオの電源強化でまとめた図がこちら。一つはAの電力供給能力アップとBのノイズ低減があると思います。今回のテーマは超ローノイズ電源なのでBのノイズ低減になります。クリーン電源とかバッテリー沼とか言われるものですね。
バッテリーは良いんですが、電池が切れるのが欠点です。充電池もありますが充電が手間なんですよね。しかし、今回はネットワークオーディオLANハブでも効果があったのでどうしたら音が良くなるかチャレンジです。
■超ローノイズ電源 LT3045モジュール紹介
そこでMy New Gear. LT3045 超ローノイズレギュレーターモジュール×2 お迎えしました。 このモジュールはリナックスストロベリー社からリリースされている超ローノイズの電源モジュールです。機能としては定電圧回路なのですがリップルノイズ除去能力が極めて高いのが売りになっています。バッテリー直やこのモジュールを組み合わせることで音が良くなると良いですね。
面白いのは並列動作が可能なことで2パラにすると電流供給能力が2倍でノイズはさらに低減するという事です。4パラや10パラにしたモジュールもあるようです。しかし、中華製の売っている基板のパターンを見た感じ、うーんどうかなぁという感じでした。
個人的な見解ですがパラレル動作の電源を考えてみると綺麗にパターンが配線できるのはパラレルまでで、4パラもいけるかもしれませんがそれ以上はグランドの流れに矛盾が出てくるように思います。これは平面上の回路に部品を置くとそうなってしまうんですけどね。ただ、低ノイズ化とか電流アップは出来そうなのでそれをメリットとしてデメリットを上回れるかという所です。
パラレル動作は回路が複雑になる分、パターンが難しそうです。うーん、どうなんでしょう。基本的には単独動作させて使いこなしを検討しましょう。
LT3045のモジュールはAmazonでも購入できますが、ストロベリーリナックス社のホームページを見たところ使い方が親切丁寧に書いてあったので今回はこちらから購入することにしました。写真は梱包の様子です。モジュール1個1400円程度と価格もリーズナブルです。一応並列動作や破損時のバックアップとして2個購入します。購入先は下記です。
■LT3045モジュールを動作させるまで
他の方のブログも見てみたのですが、LT3045良いよーというブログはあるのですがどうやって動かしているかまで書いてあるところが見つからなかったので記事にしてみます。
これが完成状態です。一例として水素充電池やリポ電池7.2VからUSBなど用途に5.1Vに定電圧化する時の様子です。
LT3045モジュールには親切な取説が付いていますのでそれを確認しながら動作させると確実です。
・51KΩの抵抗を付けていますが抵抗値÷10000が電圧になります。51KΩ⇒5.1V、47KΩなら4.7Vですね。
・このモジュールは電圧をドロップさせるタイプなのでスイッチングノイズは出ないです。欲しい出力電圧+0.5V以上は必要なので+1V以上目安に入れると良いでしょう。ただし余り電圧差が大きいと損失が大きくなります。手で触ってぬくもりがある程度の発熱なら問題ないと思います。0.1A~0.2Aくらいなら大丈夫そうでした。WiiMProは0.25Aくらい流れるので結構熱くなります。過電流リミッターはICに付いていますがこれくらいが限界かな。
・出力に付けてある電解コンデンサは4.7uF以上入れます。ここは容量を変えたりメーカーを変えても面白いと思います。
LT3045モジュール、5Vで動作させましたが分からないこと多いです。
・どれくらいローノイズだったら良い?
・定電圧化って必要?
・元の電源の供給能力は関係ある?
・バッテリーのような超ローノイズ電源でも必要?
それぞれ特性を測定しながら音を確認しつつ見ていきます。
で、実際にどうなのか測定してみたいと思います。見方はINとOUTでリップルノイズが低減しているかです。
使ったのは下記の写真で一般的なACアダプターで出力は6V/3Aです。LT3045モジュールを通して6Vから5Vに定電圧化します。
■LT3045モジュール完成!
先回作成したLT3045モジュールですが動作は問題なさそうでしたので余分な接続は取り除いてシンプルにします。実験当初は下記の写真でDCプラグとか中継されていますが・・・。
プラグや配線を見直してダイレクトに接続できるようにします。
これで完成です!大分すっきりしました。
■ACアダプターのスイッチングノイズをカットできるか?
用意したACアダプターのスイッチングノイズを測定しておきます。6Vに対して70mV程度のリップルノイズが乗っています。周波数は25KHz程度ですね。ごく一般的だと思います。
さて、LT3045モジュールを通すとどうなるかというと・・。
黄色い線がリップルノイズですが先ほどのギザギザが殆どなくなり綺麗にノイズカット出来ていることが分かります。LT3045のノイズカットの周波数帯は~1MHzくらいまでなのでACアダプターの主要な25KHz程度の周波数はカット出来るようです。1MHz以上のノイズは通過しているかもしれません。細かい高周波ノイズは出ているようです。もう一段、高周波のハイカットフィルターをいれると良いかもしれません。
■ACアダプター+LT3045超ローノイズ電源の音のインプレッション
ACアダプター+LT3045超ローノイズ電源の効果をLANハブで確認してみます。元々LANハブに付いていたACアダプターと比較すると歪やざらつき感のあった音が歪み感がとれ、聴きやすい音色になりました。これはいいですねー。LT3045の本来の使い方はこういう使い方だと思いました。実際、スイッチング電源とセットで定電圧化する製品がストロベリーリナックス社からリリースされていますしね。
LCフィルターのタイプに比べると電力ロスが大きいのが欠点ですが、確実にノイズカットしてくれるので中々良さそうです。個人的には低域の安定感がありスイッチング電源にありがちな歪み感がとれるのが良いと思います。ローノイズ化の効果でしょうか。音もよく聞き取れる感じです。音は細やかですが線が細いかなぁ。
それから、中高音から高音にかけては安定感が逆にデメリットとなり、ちょっと面白みに欠けるかもと思いました。悪い所が少なくなるが良い所も少なくなるような感じです。定電圧回路のような制御をかける系の回路を通すとあるあるな現象です。
しかし、長時間聴いてみましたが疲れないしこういうかんじもアリかなと思いました。まとめると安価なスイッチング電源の後段に入れてノイズカットを目的として使うと効果あると思います。
■バッテリー電源とリニア電源+LT3045モジュールの特性
ここでLT3045モジュールのレギュレーション特性を測定してみました。
バッテリーの内部抵抗は計算値0.24Ω程度でしたが5本直列にすると1Ωを超えてきます。 一方LT3045モジュールは内部抵抗0.4~0.5Ω程度です。このことから激しく電流が変化するアプリケーションではバッテリー直は安定動作が難しいと推測します。 バッテリー+LT3045はバッテリーの音の良さと電圧の安定度を兼ねそろえているので良い結果が得られるかもしれませんね。
■WiiMProの電源に接続し超ローノイズ電源の効果を確認する
WiiMProにバッテリー+LT3045モジュールによる定電圧回路をつないで動作をオシロで確認してみます。黄色がバッテリーのリップル(入力側)で水色がLT3045のリップル(出力側)です。 バッテリーのリップルは不規則で大きいですが、WiiMの消費電流の変化が不規則だからだと推測します。 デジタル回路の挙動は良く分かりませんね。 一方、LT3045の出力はリップルがなく安定的な動作をしているように見えます。
バッテリー直派はバッテリー直のみずみずしい感じとかベールを脱いだようなダイレクトな感じが良いんだと思います。(私も)しかし、LT3045を介した定電圧回路にもいいところが有って低域の制動感や安定感といったものや細やかさもあるかなと思います。先ほどACアダプターと組み合わせて聴いたのですが基本的には似たようなイメージを持ちました。
FiiOさんとかデジタル回路に独立12系統のローノイズ定電圧電源!とか謳っていますがそういった意味で良さはあるんでしょうね。デジタル回路屋ではないのですがデジタル回路でも定電圧化や超ローノイズ化はやはり必要に思いました。
ところでWiiMProにバッテリー+LT3045モジュールを接続したとき、どうしてバッテリーの電源ラインにリップルノイズが発生するか?と投稿を見た方から質問が出たので原因を調べました。 抵抗を電源負荷にするとリップルが無くなりましたので原因はWiiMProの消費電流が変化するためだと分かりました。バッテリーには内部抵抗があり、消費電流の増加で電圧降下となりリップルノイズとなるようです。 そのため、バッテリー電源といえどもノイズに配慮する必要がありそうです。
抵抗を接続したときのようすです。不規則なリップルノイズは無くなっていますね。
■リチウムポリマー充電池と思ったら水素充電池だった
追加でMy New Gear. 単三×6本充電池セットお迎えしました。 リチウムポリマーが良いと聞くので購入してみました。が・・よく見たらコレ、水素電池でした。(汗)
しかし、これくらいのサイズなら場所も取らないしいいんじゃないでしょうか。何と充電器もセットで付いてきます。
次行ってみましょー。たびたびやってくるオーディオバッテリー電源沼。音聴いているとクリアーで生っぽく、やっぱりいいですねー。今回は少し深堀していきます!
写真は水素充電池の充電器です。これで充電していたら・・・。結末は後のお楽しみ!
■バッテリーの内部抵抗をグラフにしてみる
電源における内部抵抗ですが小さい方が電流供給能力が高くなり理屈としては音もいいはずです。ただ、理屈通りに行かないのもオーディオの面白い所です。という訳で理屈通りに数値が良くなり音も良くなったときは良いと考えています。理屈通りでないときは好みの範疇と考えます。(好みの範疇は大きい)
つまり、個人的な見解ですが特性が良く音も良いというのを目指すのが良さそうに思います。
こうして見てみるとLT3045による定電圧回路を通したときの内部抵抗はそこそこ低くみえます。一方、バッテリーは電池の種類によっては内部抵抗は少し大きいこともわかりました。アルカリの単一電池(エボルタネオ)では一本当たり0.238Ω程度で何本か直列に入れると1Ωを超えてきます。明るく華やかなイメージの音に思います。好きなんですが充電できないのでコスパは良くありません。
この中で割と良かったのが、単三型ニッケル水素5本のバッテリー接続ですが内部抵抗は1本あたり0.119Ωと小さかったです。小型ですし安価なのでLT3045を入れて5Vに落として使うのはお勧めできると思います。
バッテリー直はいいんですが、電圧が合わない機器があるのが欠点です。定電圧回路を入れれば欠点を補えるわけです。どうもAC100V系から混入してくる様々なノイズが無いというのは音にも良い影響があるようです。これはバッテリーを使った電源のメリットでしょうね。
■精度よくバッテリーの内部抵抗を測定する
測定している内にもう少し精度よくバッテリーの内部抵抗を測定した方が良いと思いました。配線抵抗など無視が出来ないからです。そこでバッテリー1本を直で負荷抵抗に接続し配線をなるべく使用せずに測定を行いました。ばらつきをみるため2本づつ測定します。その結果がこちら!
■分かった事
・パナソニック水素充電池は31~47mΩとかなり内部抵抗が小さく優秀な感じ。
・パナソニックアルカリ電池は単一も単三も同じくらいの内部抵抗で189~380mΩくらいだった。
・電池の内部抵抗は電流増加で小さくなる傾向。
・複数の電池ボックスを接続する配線や電池ボックス自体の内部抵抗が意外と大きそう。
■電池ボックスは音が悪いかも
ニッケル水素電池の内部抵抗が非常に低かったので分かったのですが、今までの結果から電池ボックスの配線抵抗(コンタクトの金具やマイナス側の渦巻きのバネなど含む)が結構大きいようです。
※配線ありの全体の抵抗から電池のみの抵抗を差し引くと4本直列で1.2Ω程度と算出
調べたら良いサイトを見つけたのでリンクを貼っておきます。電池ボックスの渦巻きバネの抵抗が大きいとか。板バネの電池ボックスの方が音が良いかもしれませんね。
チカラの技術 電池工作やプログラミング
https://power-of-tech.hatenablog.com/entry/2020/11/23/150638
電池ボックスのうずまきバネの抵抗が0.4Ωあるという事でこれでは水素充電池の内部抵抗の低さは生かされないことが分かりました。そこで電池ボックスの高音質化を検討してみます。実験用に作成したのがこちら!USBケーブル+銅箔電極t0.1mm×w15mm×8cmです。適当な電池の入れ物を作り銅箔電極を+と-に押し付けます。
音はふくよかになる感じで中々良さそうです。どうも接点(接触抵抗)とか増えると良くない感じです。パターンとかで実験すると分かるんですが音がきゅっと詰まる感じが出た記憶があります。という訳でクランパーも購入。
クランパーは日本製のものを購入。重量感がありしっかりしたつくりで中々良かったです。これは使い勝手も良かったしお勧めできると思います。簡単に固定と開放が出来ます。スピーカー自作などに使います。(普通は)
■オーディオに超ローノイズ電源は必要か(嫁の結論)
さて、ニッケル水素充電池が中々良かったのですがここで充電しておきましょう。電池を充電器にセットしてっと・・・。
『嫁』これ何置いてんの?
『ワイ』水素充電池を充電しているんだよ
『嫁』電池?何に使うの?
『ワイ』オーディオの電源
『嫁』何で電池を使うの?
『ワイ』音が良いんだよ
『嫁』え?訳わかんない
嫁の結論:超ローノイズ電源は不要(完)
全国10人以上いると思われるバッテリー愛好家の皆さん!何か言ってやってください!
・・・と、Xでつぶやいていたところ、バッテリー愛好家の皆さんのいくつか投稿がありました!良かった良かった。一例ですがなんでも電源6台オールバッテリーとか。気持ちわかりますね。嫁に見せてやりたいです(苦笑)
※使った充電器はコレ↓ 安心のパナソニック製。充電器など安全性を重視していますのでこういうのは純正が一番と思います。ニッケル水素電池やエネループに対応しています。
■リポバッテリーの内部抵抗を測定
それから、リポバッテリー(Zeee 7.6V 4000mAh)も購入してみました。電池も色々あって面白いです。7.6V/0.759A時の内部抵抗は26.3mΩでしたので水素電池より更に内部抵抗は小さく優れた特性でした。
負荷抵抗を接続してレギュレーションを測定する様子です。
ただ、WiiM Proに直接接続できないのでLT3045を経由して5Vに落として聴いて見ます。
確かに低音から安定感があって皆さん良いっておっしゃるのは頷けます。しかし、ショートや充電の扱いが難しそうなので対策を考えないと私は怖くて使えないですね。
それから一回間違えて7.6Vを直で入れてしまったんですが、何とWiiMは過電圧プロテクトが付いているようで電源ランプが切れた状態になります。恐る恐る再度5Vをつないでみたら無事音が出ました。あー良かった。こういうのは自己責任で。くれぐれも気を付けて実験しましょう(笑)
いやー電源沼楽しー!!。さて、この電源沼いつまで続くんでしょうか。バッテリー沼については概ね充電が手間になってくるとリニア電源とか充電がいらない電源に戻りますね。要するに飽きるまでです。(苦笑)
■オーディオの『栄養分』とは?
フォロワーさんが、栄養分というような事をおっしゃっていましたが、まさしくそれで、自分に当てはめると『バッテリーの栄養分』という所でしょうか。
時々この栄養分を吸収する必要があります。この言葉、応用範囲が広いです。例えば『アニソンの栄養分』とかです。皆さんもきっといろいろな栄養分が必要でしょう!(笑)
■嫁に見つかる前に撤収する
そこで、My New Gear.鉛バッテリーLONG 6V 7Ahお迎えしました。車載用は大きすぎるのでバイク用です。内部抵抗は6mΩとか。怖いのでヒューズを保険で入れて音を聴いて見ます。
この車載用バッテリーの良い所はスペックがきちんと記載されている所です。詳細はリンク先のカタログ等を確認して下さいね。
電池の個数 | 1 商品専用バッテリー 電池(付属) |
ブランド | Kung Long |
電池の種類 | 密閉型鉛蓄電池 |
商品の推奨用途 | オートバイ |
電圧 | 6 ボルト |
端子形状:ファストン端子(F2)(No,250)
音ですが重心が低くていいですねー。しかし、なんか電池がゴロゴロ増えてきました。
じゃーん!!電池を並べてみました。嫁に見つかる前に撤収ーー。(爆)
ヒューズは入れるか迷いましたが以前ショートをやらかして怖かったので入れました。(泣)車の鉛バッテリーを自分で交換しようとしてスパナかなんかで一瞬ショートさせたのですがバチン!という音とともに火花が飛び散りました。凄いパワーです。逆に電流供給能力があるので音が良さそうとも言えます。
ヒューズは車載用の物を使用しました。リード線直付で使ってみました。色によって定格電流が分かるようです。
バッテリーと接続する端子の所はファストン端子を購入することで抜き差しできるようになります。480個入と書いてありますが、こんなに使うか謎です。
WiiM Proと接続して聴いて見ます。どっしりとした感じの音ですが中高音から上の方は少し出てこない印象です。鉛バッテリーの特性でしょうか。アンプなど使ってスピーカーを鳴らした場合なんかはもう少し印象が違うでしょうね。
バッテリー直の6Vを接続してみましたが過電圧プロテクトが働いて動作しなかったので前回作成したLT3045モジュールを通して5Vに落として聴いて見ました。(この辺は自己責任で)
■鉛バッテリーの電圧を落とす方法
鉛バッテリーの6V直だとWiiMProが動作しないので4Ωのメタルクラッド抵抗と470uFのRC回路を入れて電圧を5.3Vに落として動作させます。 接続はこんな感じです。
鉛バッテリーのプラス側にメタルクラッド抵抗4Ωを入れると大体、WiiMProは0.25A流れていますので1Vくらい電圧が落ちます。そのままだとリップルが乗るのでコンデンサを入れて電圧を平滑にします。
オーディオでよく使われるリップルフィルターと呼ばれる回路です。
この回路のいい所は定電圧回路を入れる必要がなくシンプルな所です。バッテリーとオーディオ機器の電圧が異なる時は試す価値があるんじゃないでしょうか。欠点は電圧を落とす分、まるまる損失になってしまう事です。そのため電流が大きくなる回路ではもったいないかも。とはいってもこの回路ですと0.25Wくらいなので微々たるものでしょう。
■バッテリー電源の音質を良くするには?
バッテリー一つでも分からないことが多いです。そこで、バッテリー電源の音質改善について考察してみます。文献を参考に鉛バッテリーの等価回路を推定してみました。
どうやら基本的に容量がとてつもなく大きいコンデンサと考えて良さそうです。写真の鉛バッテリーの直流抵抗はカタログに記載されている数値です。
6mΩということですが非常に小さく、優れた電源と言えそうです。抵抗値が低いほど電流供給能力が高く、安定した音になると思います。この辺までくると配線抵抗の影響が大きくなりそうでどこまで抵抗が小さいバッテリーが必要かは議論が必要そうです。
コイル成分は0.8uHと意外に大きそうなのでバッテリーを並列接続することはコイル成分を小さくし効果はありそうに思います。
コンデンサの成分は等価容量で10Fとしましたが文献によると100Ahの鉛バッテリーの等価容量が確か10F程度でしたので7Ahだとどうなるか良く分かりません。いずれにしろ極めて大きい容量ですね。
■周波数特性をシミュレーションする
バッテリー電源の音が良い理由ですが可聴帯域でインピーダンスが極めて低いこともありそうです。等価回路からインピーダンスを算出してみました。 先ほど求めた定数を入れてLTSpiceでシミュレーションしてみます。
可聴帯域で0.01~0.1Ω程度と推定(適当)しました。固体コンデンサもインピーダンスが低いですが並列接続しないとバッテリーまではいかなさそうです。
さあ、バッテリーの栄養分たまってきましたよー。むふー。
オーディオ関係のパーツとか買っていると時々意味不明なものまで買ってしまう訳ですが、最近買った訳の分からないもの大賞はコレ!
■オーディオグッツ大賞『純銅製たわしボール』
【目的】電池ボックスに使用(バネ部を想定)
【結果】全く使えなかった⇒たわしとして使用する
先回の記事で電池ボックスを作成したのですが単一電池を直列に並べてつなぐときに銅のバネのような材料でクッションにしたら安定するかと思って購入しました。が、逆にもにゃもにゃして使いずらい。あと、単三の電池ボックスの場合だと横の電池とショートしそうで怖い。
という訳でたわしとして使う事にしましたー。てへっ。
『ワイ』・・・という訳で台所で使って。
『嫁』これいくらしたの?
『ワイ』500円くらいかな。
『嫁』100均で売ってるわよ。
『ワイ』なぬ?!
【後日談】純銅たわしですが、Xで呟いていたら、フォロワーさんによるとハンダコテのクリーニングに使えるそうです。これは素晴らしい。1個取り返してきました。(苦笑)
■バッテリーに接続するリード線長さは?
さて、気を取り直してバッテリーに接続するリード線の長さについてもどれくらいまでがいいのか計算してみます。長いと電源の供給能力に影響が出そうです。ネットに公開されている計算ツールを使ってリード線のインダクタンスをグラフ化してみました。
横軸がリード線の長さ、縦軸はインダクタンス(コイルの抵抗成分)です。インダクタンスは0に近いほうがバッテリーの電流供給能力を損なわず電流供給できるので音的には良いと思います。せっかくバッテリーの抵抗が小さくてもリード線が長いと余り意味が無くなってきます。
グラフの結果を見るとリード線長は鉛バッテリーの場合で250~300mm以下くらいに出来れば影響が少なく良さそうに思います。 ※バッテリーのインダクタンスが0.8uHとしてリード線のインダクタンスをその半分の0.4uH以下に抑える場合。
それ以上の長さではインピーダンスを下げるためコンデンサバンクのような対策が必要そうです。
コンデンサバンクとは容量の大きい固体コンデンサなどを並列に接続し、インピーダンスを小さくできる回路です。こんな感じ。
長いケーブルの先に追加することで一旦ここで電気を貯め、オーディオ機器に電源を供給します。リード線が長くても電流供給能力があがるので効果があると思います。一例ですと上の写真のようなFX-AUDIOさんのPetit tank limitedのような製品です。低音が出てくるようになって瞬発力が上がるような感じです。反面、コンデンサのキャラクター寄りのサウンドになる感じです。Petit tank limitedなどは高音にメリハリがついてソリッド(硬い)な傾向がありますが、音変アイテムとして面白いと思います。コンデンサバンクは一度気に入ったものが作成出来たら公開してみたいですね。
まぁ、リード線は出来るだけ短いのに越したことはありません。
■コンデンサバンクの効果をグラフにする
バッテリー電源にコンデンサバンクを接続して効果を確認してみます。試しに鉛バッテリーに1000uFのコンデンサを3パラ接続するとインピーダンス0.1Ω以下の周波数範囲が1MHzまで拡大しそうです。少し特性があばれますがこの辺定数を調整してみると音的に変わるので面白いと思います。
単三のような小型のバッテリーはインダクタンスも小さいでしょうからリード線の長さはもっと短い方が良いと思います。ただ、外部電源なので余りリード線が短いと取りまわしがやりにくいので適当に調整する必要がありそうです。
■バッテリーアレコレと音質の傾向
バッテリーもアレコレ変えて音を聴いて見ましたが、なんとなく、外形が大型になるほど低音出るが高音出ないというような傾向がある気がしてきました。どうもインピーダンスの周波数特性と似てるんですね。大型の鉛バッテリーなんかはコンデンサバンクを追加して高域のインピーダンス上昇分を下げることが良さそうです。単三充電池などはインピーダンスが低いためか小型でも音の出方はいいんですよね。単三充電池のような小型のバッテリーを並列にするのが最も良いかもしれません。
補足ですが、これって以前試した電解コンデンサの実験の時と似たような感じです。10000uFとか大型の電解コンデンサって音良さそうじゃないですか。しかし予想に反して低音は出るけど高音がどうも伸びなかったです。当時は2000uFを3パラくらいが良かった記憶があります。
フォロワーさんによるとアンプ内蔵マイクの9V電池でもメーカーによって音が違うと言われますが実際そうでしたっておっしゃっていましたが、部品ならまだしもバッテリーともなると音との因果関係が良く分からない領域です。
電源の電解コンデンサなんかは固定方法で音が変わった記憶があります。これはメカニカルな理由なんでしょうけど。
上司などは部品を切断して中身を見ていましたが、何をみて確認していたか聞いておけばよかったです(汗)
【脱線】
上の記事で訳の分からないオーディオグッツ大賞という事で純銅たわしをご紹介させていただきましたが、第二弾の一品はコレ!
My Old Gear. あおなみ線スピーカー TOA 0.6W/8Ω 良い音です!
■なぜ買った?オーディオグッツ大賞『TOA あおなみ線スピーカー』
スピーカー自体の出来はしっかりとした作りでとてもいいものです。あおなみ線のイベントで売っているのを見かけて買っちゃいました。てへっ。
葬送のフリーレン公式より 公式より買っちゃったときにどうぞという事で。
TOA製という事ですが、電車に使われていたのか丈夫な作りです。手に持った時の質感や重量感と言ったらたまらない!色使いもイイ感じです。レンジは狭いですが音がチープではないんですよね。ちなみに300Bの真空管アンプで鳴らしました。あ、TOAさんの公式から良いねがついてる。
問題はですねー『何で買ったのか?』です。何に使うんだろ(汗)2個買ってステレオで鳴らすようにすればよかった・・。←そこ?!
■KEYSTONE製 バッテリーケース紹介
さて、本題に戻りますが音のいいバッテリーケースは無いかという事でフォロワーさんに教えて頂いたKEYSTONEのバッテリーケースを購入してみました。武骨でカッコいい!そこに痺れる、あこがれるぅ!※『ジョジョの奇妙な冒険』第一部風に。
購入方法ですが、amazonさんの取り扱いは無くDIGIKEYで買いました。アメリカからの輸入になるようです。送料が2,000円とお高い。ケース自体は1,300円ほどです。予備など考えて2つ購入。
バネ接点はなく圧入する感じで電池を入れます。大分ケースがたわみます。バッテリーケースでよく使われているマイナス側のうずまきバネの抵抗が1個0.4Ωもあるらしいのですがばねが無いのでロスが少ないです。
通常の乾電池と比べてニッケル水素充電池が微妙に大きいのでたわむようです。普通のアルカリ単三電池を入れてみると確かにニッケル水素充電池の方がたわみが大きい!
若干内側に倒れて電池を抑え込んでるホルダー両側部分を手でグイっと広げて調整するとマシになるようです。しかし、曲げるとバネの圧力が下がってしまうかもしれませんのでそのままで使う事にしました。
これ以上のバッテリーケースとなるともう自分で作るしかないですね。うーん、作ろうかなー。面白そうです。
■バッテリーケースの性能を測定する
今回作成した単三水素充電池のバッテリーケースですが内部抵抗はバッテリー1本あたり41mΩ、リード線長は約20センチ、出力にOSコン1000uF×3パラです。
うずまきバネが無いので抵抗のロスが小さく、レギュレーションが良いですね。 WiiMProの電源の急な負荷変動に対してもリップルは小さく安定しているようです。動画をアップしておきます。以前録画したリップルの動画に比べて大分改善していますね。
中々良さそうなのでKEYSTONEのバッテリーケースを並列接続で聴いてみます。
高域出るかなと思ったら予想に反して中低域の方がしっかししてきて余裕が出てきた感じです。並列接続は伸びしろがあるかもしれませんね。 不測の事態でショートするのが怖かったのでビニールのパックに入れておきます。
『嫁』それ何?
『ワイ』バッテリーを並列にしているんだ
『嫁』爆発するんじゃない?
『ワイ』しないよ。PANASONICだし。(たぶん)
嫁は何かというと爆発するんじゃないとか言ってくるんですが、否定はできない(苦笑)
並列接続だと電流が逆に流れるのでは?というご指摘もありました。
その辺は少し気になりますが、今のところ特に対策してません。電圧は0.1Vくらい違いましたので電流が若干均等に流れないかもしれません。まー色々やって見て何かおかしければ直せばいいと思います。
このパナソニックの水素充電池(エネループ)ですが、時々電圧を測定していたんですが個々のバッテリーの電圧が非常に揃っていることに気が付きました。1.335V,1337V,1.334V・・・ってな感じです。他のメーカーは見ていませんが優秀な感じがします。
個人的な見解ですが充電池はやっぱり信頼性が一番だと思います。PANASONIC(どちらかというと開発した三洋の功績でしょうか)だと実績もありますし、充電器も純正という事で安心感があります。もちろん特性が良くて音も良ければ最高ですね。
単三電池は単一に比べるとコスパは圧倒的に良いです。サイズも小さいし。まずは私も試してみよう!という方は単三の方をお勧めしておきます。車載のバッテリーも実績があるので12V系に使用するなら良い選択肢だと思います。汎用の充電器もありますしね。
■おまけ。遊びでオイルコンデンサを付ける
ちょっと遊びでバッテリー電源にオイルコンデンサを繋げてみます。 SCUD製オイルコンデンサ0.047uF/630Vという仕様ですがギターなどに使用するようです。結構小容量です。コレ音に効くのかなぁ。オイルコンデンサは音が艶やかという説もあるようです。
以前は秋葉原なんかでは結構売っていた記憶がありますが、最近は部品屋が少なくなったそうでこれからは調達自体が難しくなりそうです。
音はというと予想に反してシンバルとかシャカシャカした感じですが一種のスパイス的な魅力があって悪くはないと思います。しかし、どうしてそうなるかは良く分からない領域です。試しにシミュレーションしてみると確かに10KHz以上といった高域でインピーダンスは下がりそうです。さぁ、コンデンサ沼の始まりですよー。(適当なところでやめよっと)
■超ローノイズ電源は必要か。総括
必要です。誰が何と言おうとも!(苦笑)
バッテリー電源の栄養分をたっぷり補給しましたので、manotch的には当面大丈夫かと思います。やっぱり単三電池8本ともなると結構充電が大変です。しかし、音はとても良くて安価に1ランクも2ランクも音をグレードアップできるアプローチだと思います。一応目安としてどんなことを考慮して電源周りの設計を行えば良いかも少しコメントさせていただきました。
ルーター、ハブやデジタルオーディオ機器などのバッテリー電源を試している方も多いようです。上流の電源の超ローノイズ化ですがこれからのオーディオの開発テーマになるでしょうね。ハイエンドオーディオでも取り入れられている手法ですし、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、超ローノイズ電源モジュールLT3045も電圧が合わないオーディオ機器や、スイッチング電源後段の定電圧化による低ノイズ化などに十分使えると思います。なるべく誰でも作れるように解説も入れてみました。参考になれば幸いです。
今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。
『ノンマルコモンさん』ノイズの擬人化です。ノイズはゼロにするのが難しく不滅の存在です。ノイズが小さくなるほど低年齢化して登場するようです。
『ノンマルコモンさん』おい、出番ないぞー。
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