真空管ヘッドホンアンプの魅力って何でしょうか。やっぱり外観の面白さ、どのモデルもそれぞれ個性的な音で面白いですね!ヘッドホンやイヤホンとの組み合わせも楽しめそうですし、球を変更したり、オペアンプを交換して見たりとオーディオの楽しさを満喫できるガジェットだと思います。

今回紹介する5モデルは実際に全モデル購入し試聴しています。また、分解や特性の測定を通じて魅力の秘密に迫ってみたいと思います。これは楽しみ!

目次

■FX-AUDIO TUBE-02J

FX-AUDIOは日本法人のオーディオブランドですが比較的安価なエントリーモデルをリリースしていて、ちょっといい音で音楽を楽しみたい方にマッチしていると思います。一度ボリュームレベルがおかしくなる不具合が出たのですが、すぐ新品交換してもらいましたのでサポートは好印象です。

■電源は別売なので注意!

TUBE-02Jですが電源は別売です。付いていません!あまりよく確認せずに購入する方、いるかもしれませんので注意が必要です。

逆に考えると好きな電源をつなげられるな!という事で以前、Nobsoundのデジタルアンプなどで使用した実績のあるACアダプターを接続しています。別売の分、本体にお金がかかっているとも言えますね。

今回真空管ヘッドホンアンプで鳴らして見ましたが気になるノイズは出ませんでした。定格は12V,6A、72W出力です。真空管ヘッドホンアンプの電源はそんなに電力は要らないと思いますのでオーバースペックだと思いますが、音には安定感や余裕が出ると思います。

■スペックおよび概要

FX-AUDIOのTUBE-02Jですが結構、痒い所に手が届くというか真空管ヘッドホンアンプを開発していてユーザーさんの声を反映しながら改良しているようで企業姿勢がいいなと思いました。いくつかあるのですが真空管とオペアンプが交換できるようになっていることで公式サイトでも交換用の球やオペアンプが入手できることです。動作実績のある部品が公式から入手できるのは安心感があります。

それから、ハイローのゲイン切り替えがついているので感度の高いヘッドホンやイヤホンでさーっというホワイトノイズが気になる場合はローゲインに切り替えることでノイズを抑えることが出来ます。入力系統が3.5mmステレオミニジャックとステレオRCA端子の二系統があってリアパネルのスイッチで切り替えられるのも使い勝手が良くて便利です。


  • 標準付属真空管として6K4を採用、真空管+オペアンプ+MOSFET
  • 真空管による前段増幅回路、高音質なヘッドフォンアンプ回路
  • 幅広いヘッドフォンに対応するゲイン切り替え機能
  • 真空管用昇圧回路はTUBE-00Jタイプを踏襲

入力端子:[LINE 1] ステレオRCA端子(金メッキ仕様)
     [LINE 2] 3.5mmステレオミニジャック (4極プラグは動作保証対象外)
出力端子:標準ヘッドフォンジャック(Φ6.3mm TRSフォーンジャック)
電源:定格電圧DC12V 電流容量2A以上 ※ACアダプター別売
電源コネクター:外径5.5mm 内径2.1mm (センタープラス仕様)
対応インピーダンス:16〜300Ω
機能:ゲイン切替機能(0dB・-10dB)フロントパネルトグルスイッチ
   2系統入力切替機能(LINE1・LINE2)バックパネルスライドスイッチ
付属品:取扱説明書
    6K4真空管 2本(種類は曙光・北京・上海のいずれかのペアとなります※お選びいただけません)
サイズ:幅98mm×奥行き99mm×高さ33mm(真空管含めた最大74mm)(※突起部含まず)
本体重量:約275g

開梱してみると、ぺら紙ですが取説が入っています。Nobsoundさんの真空管ヘッドホンアンプを購入した時はぺら紙さえはいっていなかったのでちょっと嬉しいです。

■どうやって音を出すのか?

では早速、音を出して見たいと思います。まずは箱から本体を取り出して真空管を2本、本体に取り付けます。コツはまっすぐに入れる。です。あまりぐりぐりしていれると真空管の足が曲がる場合があります。そして奥のドンツキまで差し込むことです。

簡単な接続例です。写真はiphone11proからlightning to usbケーブルを経由してUSB DACのFiiO KA3に接続し、3.5mmステレオケーブルでTUBE-02Jの背面の入力端子に接続しています。また、電源は先ほど紹介したACアダプターの12Vのコネクターを背面の電源端子に接続します。電源の極性があるので注意してください。ACアダプターはセンタープラス(端子の中側がプラス)です。紹介したACアダプターはセンタープラスなのでそのまま差し込んでもOKです。

■音のファーストインプレッションは?

さあ、早速音出ししてみます。どきどき。電源ランプのインジケーターは赤色ですね。むっ?真空管ですが殆ど光らないですね。ここは残念。6K4という球は全面がフィラメントで覆われていて光るのは背面のちょっとだけです。公式によると6J1がおすすめらしいです。こちらは光るのかな。これは後で購入検討しましょう。やっぱりちょっとフィラメントが赤く光って欲しいですねー。6J3は持っていますがそれなりにカッコよく光りますので。

その代わり?下部から白色のLEDで照明しているようです。これってNobsoundさんの真空管アンプでも青色のLED照明があったのですが真空管アンプの流行なのかな。

音のファーストインプレッションですがドライブ能力が高い感じでゼンハイザーのHD660Sなどならしていても良く鳴るなぁというインプレッションです。何というか音離れが良いです。

オーディオ機器を分解すると勉強になって面白いです。改造できるようになると音も色々変わるので更に面白いですね!比較的安価で楽しめる真空管ヘッドホンアンプは良いアイテムだと思いました。さあ、分解してみましょう。TUBE-02Jの魅力はどこにあるんでしょうね。

■TUBE-02Jの分解方法は?

FX-AUDIO TUBE-02Jですが内部のオペアンプが交換できる前提の構造になっているので分解は容易になっています。フロントパネルは写真の4か所の2.5mm六角ネジを外します。

リアパネルの方は2mm六角レンチでネジを取り外します。RCAのピンジャックのネジも外します。真空管を外さないとケースが外れませんのであらかじめ抜いておきます。

【注意】分解すると故障の原因になったり感電の危険があります。くれぐれも分解するときは自己責任でお願いします。

amazonの商品説明の写真に内部の説明がありますので回路のブロック図など詳細を確認したい場合はそちらをご覧ください。ここまで詳細に説明しているメーカーさんって余り見かけないですが、こだわりを感じます。イイですね!

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【後日談】今現在ではTUBE-02Jの方から後継機のTUBE-07Jがリリースされているようです。

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中央に配置されている茶色いスリーブの部品は電源用の高耐圧電解コンデンサです。400V耐圧で日本メーカーのニチコン製です。日本製の電解コンデンサは品質的に安心感があります。TUBE-02Jもそうですが最近の真空管アンプはスイッチング電源を使用しています。スイッチング電源などは特に経時変化に強くて破損しないようなパーツがいいですね。

■内部部品レイアウトをNobsound NS-08Eと比較する

左がFX-AUDIO TUBE-02Jで右がNobsound NS-08Eです。

こうして比較すると両社の設計コンセプトが見えてくると思います。Nobsound社はとにかく小型コンパクトな設計をしたかったのだと推測します。横幅が特に狭くできていますね。一方、FX-AUDIO社はそこまでコンパクトな設計にこだわっていないように見えます。それでも横幅98mmなので十分コンパクトなんですが。

そのためTUBE-02Jはそこそこ空きがあるので部品を余分における余裕があります。回路構成は真空管プラスオペアンプにFETのバッファーという事ですが電源の出カップリングコンデンサも、オペアンプ周りの入出力コンデンサやオペアンプのデカップリングコンデンサも電解コンデンサがそれぞれ配置されていると推測されます。一般的なセオリーに沿った回路になっていそうです。かならずしもセオリー通りが良いという訳ではないと思いますが特性や音質的にはある程度狙って一定レベルの音質が出せるメリットがあると思います。

■使用パーツを見てみる

TUBE-02Jですがパーツはちょっといいものを使用しようとする意気込みが感じられます。写真左下の青い2個の大型部品は入力のカップリングコンデンサですが、以前300Bの真空管アンプで検討した時、入力のカップリングコンデンサで音がコロコロ変わるという経験をしました。秋葉原で同じ容量でメーカーを色々変えて集めて交換した所、音が柔らかかったり、固かったりとかです。柔らかい音のコンデンサにして後々先輩に聴いてもらったら『音柔らかいねー』と褒められました。(同じこと言ってると思った)RCAケーブルから信号が入って一番最初の部品になるので後々まで音に効いてくるのでしょうね。

それにしても高耐圧のコンデンサのせいか大型部品がおごられています。真空管アンプの音に魅力があるのはこの辺にもあるかなと考えています。大型だから音がいいという訳ではありませんが部品による音の差はあるので色々試して見た結果がこの青色の大型コンデンサなんでしょう。

右下のDC12V入力のコネクタの近辺に赤色のワイヤが巻いてある部品があるのですがこれはトロイダルのコイルのようです。DC12Vからノイズが入ってもここで減衰するようになっています。ある程度ACアダプターの方からノイズが入ってもいいような配慮だと思います。

部品のレイアウトはなんとなく信号の流れが読める感じで良さそうに思いますがどうなんでしょうね。ヘッドホンジャックが大きいので場所的に配置に苦労しそうですが敢えて6mmのジャックを付けたのは音質への配慮でしょうか。しっかりしたコネクタとかボリュームとか不思議と音に効くんですよね。音もしっかり出る様になった記憶があります。聴感上のノイズが出ると興ざめになるのですがその点、FX-AUDIOのTUBE-02Jはイイですね。SN感がいいです。気になるノイズが出ていません。

■基板裏からみた部品配置も分かるようにしてみる

こうなったらということで、基板裏からも部品配置を書いて見ました。

高耐圧コンデンサですがテスターで測定した所、97Vでした。400V耐圧なのでもっと高い電圧がかかっているかもしれないとビビっていたのですが97Vだったのでちょっと安心です。(マテマテ)

あ、電圧測定は危ないです。ショートさせるとあっという間に壊れます。分解や測定はくれぐれも自己責任でお願いします。

それから最近はヘッドホンのドライブ力を確認しておくためオペアンプの電源電圧も測定することにしました。オペアンプは17.6Vですね。amazonさんの製品説明では正負電源とあったのですがどうなんでしょう。17.6Vの場合は理論上出力が17.6Vppまで出るわけですがロスもあるのでそこまで出ないと思います。ただ、これくらい出ていれば最近の他のヘッドホンアンプを測定した結果から十分そうに思います。

【後日談】後で調べたらオペアンプ部は正負電源という事で±8.8Vでした。8.8×2=17.6Vという事でつじつまはあっていますね。

FX-AUDIO TUBE-02Jの基本性能を実測していきます。周波数特性(F特)の方も見ておきたいと思います。公式の情報には載っていなかったと思いますので携帯の信号源のアプリとオシロでおおよその特性を見てみたいと思います。音と基本性能は関連性が無いよ!という説もありますが私は設計通りに動作しているかとか、おかしなところはないかという意味で確認しています。

■周波数特性を見てみる

周波数特性で分かることは妙なピークやディップが無いかとか発振といってアンプとして挙動がおかしいとかという点もありますが、音的には低域がどれくらいまで再生できるかとか高音がどれくらいまで再生できるとかもあります。低域がある程度伸びていて低い周波数まで再生できないとちょっと物足りないかもしれません。私は低音スキーですので。低音が出ないのはパターンが悪かったり回路的にもおごれていないときに発生しますのである程度目安になるかなと思います。

低周波の再生ですが概ね3Hz程度まで出ていることを確認しました。これは優秀な特性だと思います。TUBE-02Jは正負電源を使用しているという事です。オーディオアンプで正負電源を使用する理由は出力のDCカットコンデンサを廃止して、よりストレートな音を出すためだと思いますのでその効果で低周波が伸びているんだと推測します。回路が進歩して生まれた正負電源ですが現在では音質向上のため良く使われています。ネックは電源が2回路になるのでコストが高いことですがFX-AUDIOさんは逆にそれを売りにしていますね。

高周波の再生ですが21KHz程度まで出ていることを確認しました。20KHz以上再生できているので問題なさそうです。ただ、携帯の再生が20KHz以上出ているのかという疑問もありますので大雑把な特性だと思って下さい。いい測定器欲しいなぁ。

オペアンプの出力にバッファーが入っているようですがどうもヘッドホンジャックの写真上下のスペースにあるトランジスタ数個の回路がそれらしいように思います。それで電流増幅しているのである程度ヘッドホンやイヤホンに流せる電流供給能力を確保していると推測します。また、DCカットコンデンサのような低周波をカットするような部品が入っていないので再生周波数も低域側が伸びていると推測します。その辺はうたい文句に書いていないのであくまで推測ですが。

■電圧供給ドライブ力を見てみる

電流の供給能力と並んで重要なのが電圧の供給能力です。電圧が高いほどハイインピーダンスなヘッドホンでもドライブしやすくなります。もちろんローインピーダンスなヘッドホンも鳴らせます。ここ最近はオペアンプの電圧を確認するのと正弦波を入れたときのクリップする電圧を両方測定しています。TUBE-02Jは電源電圧±8.8Vという事ですので理論的には16.6Vppでるのですがロスもあるのでそこまでは出ないでしょう。

今回は携帯から正弦波を入れてみましたが振幅が5~6Vppくらいしか取れませんでした。恐らくゲインが欲張っていないからだと推測します。ヘッドホンアンプは余りゲインを上げるとノイズも耳につくようなので製品によってはパワーアンプやプリアンプのようにゲインを欲張らないようです。クリップするまで正弦波を入れるためPC側からドライブ電圧の取れるFiiO K7 DAC AMPに接続してLINE OUTから最大振幅まで出力を上げてみます。

1KHz無負荷ですが12.72Vpp出ていることを確認しました。それでもクリップレベルまで達しなかったので出力電圧はもっと出るかもしれません。理由はゲインがクリップするほど高くないからだと思います。

総じて電圧供給能力も高くドライブ能力が高いといううたい文句は実現できているように思います。それで音離れというか音の出方がいいのかな。鳴りっぷりがいい感じです。

■コスパはどうなのか?

中身を確認しましたがコスパはイイと思います。価格は7,000~8,000円のあたりですが日本メーカーが作ったらどうでしょう。2~3倍くらいはするかもしれないと思いました。本当は日本メーカーさんの作ったヘッドホンアンプがあれば買いたいですけどね。これくらいの価格だと結構売れないと利益が出なさそうです。

その為、日本メーカーは製品が出ないのかな。中国メーカーだから安かろう悪かろうというイメージは持っていないです。ただ、メーカーによる差はあると思いますのでしっかりしたメーカーさんのを選んだらいいんじゃないかと思います。しかし、中国メーカーはそれにしても開発力ありますね。次から次へと新製品を出してきます。しかも結構安価なので買ってみたくなる製品は多いです。

■お楽しみ!球転がしをしてみる1(北京6J1-T)

今回も球転がししてみたいと思います。最初についてくる球は6K4です。6K4の時のファーストインプレッションからどう変わるかです。公式を見てみると6J1を推奨しているので6J1を購入して見ることにしました。それからネットで調べると先回購入した、米国GE製 JAN 5654W 真空管アンプ交換用真空管2個セット 軍用選別グレード品・・・もコンパチで使用できそうです。そこで6K4と6J1と5654Wを付け替えて音を聴いて見ます。

シールが貼ってありました。軍用規格品高精度選別管・・・なんだか凄そうです。しかし、何を選別したんでしょう。ゲインとか合わせてくれるといいですが。

新品ですよ。新品!ん?箱の表には1981年7月ロットって書いてあったけど・・・。未使用品という事で新品なんでしょうか。謎ですね。ビンテージものと言えなくもないです!

梱包を開けるとこんな感じでした。印字は北京とかいてあるようです。型番は6J1-Tです。6K4はちょっと外観が曇っていましたのでどうかなと思ったんですがこちらはクリアな感じです。足はちょっとまがっていますが・・・。

6K4を外して6J1に差し替えました。公式の推薦する球ですが果たして。

機器の構成はFiiO K7のLINE OUTにFX-AUDIO TUBE-02Jを接続し、出力はヘッドホンsennheiser HD660SとBeyerdynamic DT990PROとで聴いて見ます。曲は最近リファレンスで聴いている宇多田ヒカル、結束バンドなど聴いて大体の傾向をつかんでみます。TUBE-02Jはドライブ力が高いのか6K4でも鳴らす力があるように思いますが6J1に変えてみると中高音に艶が乗ってきていわゆる真空管の良さが出るような方向性に思いました。

中高音の華やかさとそれからシンバルのようなチーンという音も響きがきれいに聴こえます。

他の真空管ヘッドホンアンプでも6J1は使えそうなので色々試して見たいと思います。休日がつぶれる!(笑)

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■お楽しみ!球転がしをしてみる2(GE 5654W)

それから以前購入した5654Wにも差し替えて聴いて見ることにします。

品名ですが、米国GE製 JAN 5654W 真空管アンプ交換用真空管2個セット 軍用選別グレード品・・・です。こちらはMADE IN USAの印字が有りますね。音の差はどうでしょう。興味がわきます。

さて、音は6J1より更に低音が図太くなった感じでしっかりしています。中高音にかけては6J1の方が艶やかな感じかな。どちらが良いかは好みの問題だと思いますが私は6J1の方が好みでした。以前聴いたNobsound NE-08Eの6J3の北京管も5654Wに差し替えて聴いたのですが6J3の方が好みでした。何というか艶っぽいんですよね。

5654Wは外観から見た中身がしっかりした作りに見えますのでその差かな。5654Wは2本並べても中身は同じ構造で同じ部品を使っていて・・・というように当たり前といえば当たり前の構成ですが6J1ってどうみても左右で部品の向きが違ったりとかばらつきがあるんですよね。しかし音は好みなので面白いです。

上記の6J1は公式推奨の球です。5654Wは人気のある球ですね。

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『Mr.DT990PRO』まだまだ続くでよ。 伝説のヘッドホンの擬人化です。方向性を間違えた伝説のロックバンドをイメージしてみました。

FX-AUDIO TUBE-02Jのお楽しみの続きでオペアンプの交換にチャレンジしたいと思います!TUBE-02Jですがオペアンプの交換ができる仕様になっていてオペアンプの違いによる音の違いを楽しむことが出来ます。

オペアンプの役割は信号を十分に増幅することなんですが各メーカーによって音の違いが出るのは何ででしょうね。

上の写真の箇所にオペアンプと2か所書いてあるのがそれです。オペアンプはラジオペンチなどで挟んで抜き差ししてもできるのですがIC交換用の専用工具があるのでそれを買って交換した方が無難です。

公式によるとBurr-Brown社製 OPA627AUのオペアンプが紹介されていますが@2,980と結構お値段が張る(×2set必要)ので共立プロダクツから出ているMUSE8920Dを購入して見ることにしました。こちらは新日本無線製でオーディオ用に開発されたオペアンプのようです。

■お楽しみ!オペアンプを交換してみる

MUSE8920Dのスペックを見てみます。仕様で気になるのは入力の回路がFETになっていることです。普通、バイポーラトランジスタが使われています。FETはトランジスタでも真空管のように入力電流が殆ど流れないタイプです。真空管の出力にバッファーとして入っている回路構成のようですが入力電流がほとんどいらないので真空管にとってはドライブしやすいのではないかと思います。一般的なバイポーラトランジスタと違った音になると思います。

■主な仕様
・入力構造:FET
・特長:オーディオ用
・回路数:2回路
・電源:両電源
・動作電圧:±3.5~±16V
・出力方式:プッシュプル
・出力電流:100mA
・電圧利得:135.5dB
・スルーレート:25V/us
・利得帯域幅積(GB積):11MHz
・歪率(dB):-108dB
・歪率(%):0.0004%
・実装タイプ:スルーホール
・ピン数:8
・パッケージ:DIP8

写真のオペアンプと引き抜き工具を使用しました。MUSE8920Dは何とe-イヤホンさんの販売です。

星街すいせいさんのstellar stellarを聴いて見ます。組み合わせるヘッドホンはbeyerdynamic DT990PROです。そして球は6J1に換装しました。

音の方ですが、元々初期設定で付いているNE5532P Texas Instrumentsに比べて奇麗な音だなぁというのがファーストインプレッションです。音場は左右に広がる感じですが奥行きは浅くなった感じがしました。そしてあまり欠点の見当たらない音色です。優秀な感じですね。それから音離れが良いと言っていたところに関しては後退した感じで全体的にバランス良くまとまっている感じです。TUBE-02Jの最初に聴いたようなドライブ力のある感じやバンバン出る音離れの良さが魅力だと思いましたので今回は私としては最初からついているNE5532Pと6J1の組み合わせの方を推したいと思います。NE5532Pは100円程度のICのようですがこれは好みや相性といった所もあるので必ずしも値段が高いから全部いいと言えない所がオーディオの面白い所だと思います。

TUBE-02Jは真空管+オペアンプ+FETバッファーという構成のアンプのようですがオペアンプの性格は結構色濃く音の出方に効いてくるようです。オペアンプの影響は真空管より大きいかもしれません。これは勉強になりました。

DT990PROは250Ωとハイインピーダンスのヘッドホンですが良く鳴りますね。ボリュームを上げても余裕がある感じです。DT990PROの独特な迫力もいい感じに表現していると思います。

■FX-AUDIO TUBE-02J総括

値段も手ごろですし真空管ヘッドホンアンプの入門機としてお勧めできると思いました。聴いていて楽しかったです。

そして、球転がし、オペアンプの換装などで音の変化も楽しめますね。ある程度球が揃ってきたら他の真空管ヘッドホンアンプでも互換性があれば差し替えられるので無駄にはならないと思います。

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【後日談】今現在ではTUBE-02Jは在庫切れで後継機のTUBE-07Jがリリースされているようです。

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■Nobsound NS-08E

Nobsound社は他社に比べてさらに安価な傾向ですが結構外観にこだわっているメーカーです。それから新製品のリリースが多く旺盛な開発力を感じます。結論から言うとこれまたコスパ高いなー。です。球転がしで30球以上できるらしいので遊べそうです。

『NS-08Eちゃん』てやーっ!なんでボクシングスタイルなんでしょうか?

真空管ヘッドホンアンプ擬人化 Nobsound NS-08Eちゃん

『manotch』中低音にパンチがあるんでパンチ力を表現してみました。ベースのエネルギッシュな感じいいね。何か人間味あるな。半面高音出ないなぁー。球を変えたらいいのが見つかるかも!
『NS-08Eちゃん』誉め言葉ですよね!
『manotch』もちろんです。あー分解したい。
『NS-08Eちゃん』どきどき。

【後日談】NS-08EちゃんをAIイラストで擬人化しました!雰囲気は似ていますね。

■基本スペックは?

入力電圧:AC100-240V 50 / 60Hz 出力電圧:DC 6V 2000mA 出力電力:1100mW (32 ohm) アダプタヘッドフォンインピーダンス:18-600 ohm 全高調波歪み:0.005% SNR:110DB以上 周波数応答:20-30KHz 電源: 入力電圧:AC100-240V 50 / 60Hz 出力電圧:DC 6V / 2000mA 製品重量:185g 梱包重量:290g 梱包サイズ: 15 x 12 x 8.8 cm

現在はU10という球に変更した後継モデルが出ているようです。

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スペックを確認してみますが据え置き型の真空管ヘッドホンアンプという事でイヤホンやヘッドホンなど特にUSB DACなど出力インピーダンスが高くてドライブ力が足りていないなーという場合でも鳴らせるような駆動力を期待して購入してみました。出力電圧がDC6Vとあったのである程度はドライブ力は期待できそうです。こればかりは価格が安いだけにどうなんでしょうね。さあ、聴いて見ましょう。

箱を開梱してみました。同梱物は本体と電源、真空管が2本別に差し込んでありました。真空管は後で本体に差します。そういえば気が付いたのですがマニュアルや保証書がありません!特になくても操作は分かりますが無しというのは余り見かけたことがありません。appleの取説も初めて見たときは一枚のぺら紙だけで記載もホームページへのリンクのみで驚いたことがあります。その時はへぇー洗練されているなぁ、とか、割り切っているなーとか思ったものですがこれはappleの取説を超えています。

■鳴らすまでの手順は?

箱から本体と真空管など取り出しました。それでは真空管を差し込んで音を鳴らして見ましょう。真空管ソケットがありますのでピンを合わせて差し込みます。かなり力が要りますのでしっかり差し込みます。注意するのは方向性があることです。ピンが一か所間隔があいているので真空管ソケットとピンの間隔があいている箇所を合わせて差し込みます。途中で曲がらないように垂直に差し込んでいきます。
2本あるのは左右のチャンネルで1本づつだと思います。左右は同じ真空管なのでどちらをどちらに差し込んでも問題ないと思います。

こちらは裏面のパネルの写真です。左側にDC6Vの電源のコネクターを差し込みます。右側の赤いボタンは電源スイッチです。プッシュ式ですね。
真空管を差し込んだところです。QC PASSEDというシールが目につくようにフロントパネルに貼ってありますね。ふつうこんなところに貼らないですが面白いです。ちゃんと品質検査やってるよ!というアピールでしょうか。フロントパネルはゴールド仕上げでフロントパネルもボリュームノブもヘアラインが入っている凝りようです。Nobsound社は結構外観の良さにこだわっていますね。価格の割にはなかなかの質感です。がんばっているのではないでしょうか。フロントパネルはねじ止めしてありますが六角ネジなので分解できそうです。後で解析できそうですね。ムフフフ・・・。

【後記】QC Passedのシールの意味ですが分解するときにシールを外さないと六角レンチでネジが外せないんですよね。後で気が付きましたがケースを開けたかどうかが分かるためだと分かりました。


■電源投入!気になる点など

裏面にある赤い電源スイッチを入れてみます。真空管が光ります。下部が紫色に光って上側のフィラメントが赤く赤熱します。真空管は雰囲気があっていいですねー。何とも言えないカッコよさがあります。球によっても中身の構造が全然変わったりするんですよね。左のケーブルはイヤホンやヘッドホンを接続するオーディオ出力端子です。中央のケーブルはDACの出力やCDなどの信号を入力する入力端子です。

右側のつまみはボリュームで回していくとカチカチカチと少しクリック感のある感触で音量が上がります。結構いい質感です。Nobsoundはデザインや手に触れる箇所の質感にこだわっていますねー。

オーディオラックに入れて配線してみました。この真空管ヘッドホンアンプは高さが7センチくらい、横幅も7センチくらいなのでスペース的にはどこにでも置けそうです。写真はUSB DESK TOP DACのFiiO K7ですが横においてもサマになっていますね。ん?電源をオンにするとボリュームの位置によってノイズが乗る所があるようです。

入力に何もつながないと問題がありそうです。真空管ヘッドホンアンプの入力には必ずDAC出力や何らかのケーブルを配線しておいた方が良さそうです。私の環境ではボリュームの位置が10時のあたりが最もよかったです。そうするとノイズはほぼ聞こえなくなります。その代わりDACやノートパソコンなどのプレイヤー側でボリュームをコントロールする必要があります。

【後記】記事の後の方でLEDの足を切ってみたところボリュームを回してもノイズが乗らなくなったようです。LEDの影響だったのか・・・。LEDの配線を通してノイズを拾っていたようです。

sennheiser HD555を接続し、横に置いて見ました。小ささが良く分かると思います。
まずはイヤホンで聴いて見ることにしました。ノートパソコンのamazon musicをソースにしてFiiO DESK TOP DAC K7のPREOUTを真空管ヘッドホンアンプに接続しsennheiser ie300で聴いて見ます。

■音のファーストインプレッションは?

真空管は音がいいとかいいますね。300Bや2A3などの球で真空管アンプを自作したりして聴いて見ましたが半導体アンプに比べると確かにいいところをいっぱい持っていますね。個性的というか味があるというか音色の色付けといった所に魅力があるし、素の特性も半導体アンプを超えるところがあるなぁという感じがしています。

材料がシリコンかとかいった材料の違いから構造の違いもありますしプロセスも違いが多いので音も変わるのは多々あるかなとおもいます。一方半導体アンプにも真空管アンプにはない良さがあるんですけどね。それぞれの良さがあるとおもいます。この辺の違いは一体どこから来るのか機会があったら記事にしたいと思っています。

音に関しては冒頭でちらっとお話ししたのですが中低音にパンチがあって結構しっかりした音が出るなーという感じです。中低音が出るせいか半面高音が出ないなーという所だと思いました。

結束バンドの『青春コンプレックス』を聴いて見ます。ベースがエネルギッシュですね。これはいい。低音にパンチがあるのはエッジが効いているからでしょうね。押し出し感があります。

ボーカルも人間味がある感じで元気がいいです。全体的には高音出ない感じはバランスが低音よりに聴こえるだけで球を変えたり何らかの対応で直りそうな感じがしました。

これは買って良かった。面白いアイテムです。価格も安いし使い方さえ気を付ければ入門機になるでしょうね(オーディオ沼への)

↓今回購入した真空管ヘッドホンアンプは現在廃版で球を変えた後継機が出ています。

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↓組み合わせで聴いたFiiO K7 DESK TOP DACです。実力機ですね。

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↓組み合わせで聴いたsennheiser ie300です。

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■球転がしについて

『manotch』しかし球の交換で音の変化が試せるといっても何がいいのか分からないなー。NS-08Eちゃんは球を外すとどうなるの?
『NS-08Eちゃん』死んじゃいます!

『manotch』そりゃまずいな。じゃあ、球を戻して差すとどうなるの?
『NS-08Eちゃん』生き返ります!
『manotch』そりゃ凄いや!

FFさんによると球を差し替えると人格が変わるとか。むぅ。面白い設定だぞ。

後日、真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08Eは球転がしが出来るという事で米国GE製5654Wという球を購入してみました。音はどう違うのでしょうね。家に何か真空管無かったっけ?という事で探したらロシア管6Ж1Пという球がありました。これも互換性があるようです。付け替えが楽しみですねー。

球転がし用に購入した球です。

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真空管の箱っていい味だしてますねー。ロシア管の箱はちょっと堅めの厚紙風ですが手書きで数字が書き込んであるんですよね。なんだろう連番かな。手触り感が良いです。その他は何も書いてないです。一方GEの箱は細かく番号とか書いてありますね。どちらもデザインはそっけないです。

中国のPSVANEの300Bの箱は高級感ありましたね。中国は商売上手ですね。ただ輸送中の扱いが悪いようで箱がいつも変形していましたが。

中国6J3,米国GE5654W、ロシア6Ж1Пを聴き比べてみたのですが6J3はマイクロフォニック音が結構出ます。マイクロフォニック音は真空管が増幅動作するときに外部から振動を受けるとその振動が増幅され音になって出てくる現象です。これが真空管の音の音色になっていると言われています。試しに真空管のガラスをたたいたり、製品本体をトントン叩いて見たりして下さい。ヘッドホンから何か音が聴こえたらそれがマイクロフォニック音です。

ん?どういう訳かサイズが他より大きいです。音的には6J3が好みかな。面白いのは北京って印字が有ることです。ブランドイメージ?マイクロフォニック音と音は関係あるかもしれないと思いました。6J3は音に色付けが乗る感じがしました。ロシア管はマイクロフォニック音が全然でないです。ガラス管の垂直方向に溝があって振動に強そうです。音は付帯音が小さくそっけない感じです。音は芯があってしっかりした感じですね。米国5654Wは高音もきれいで特性が良さそうでした。この音が好きな方は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。

『manotch』うーん、意外にも最初の球が好みだったな。面白味というかイメージがこれが一番このヘッドホンアンプに合うかなぁ。という訳で人格が変わるという設定はやめておこう・・・。

『NS-08Eちゃん』良かったというか、何というか。

■謎の解明。真空管は動作しているか?

真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08Eですが今回も謎だらけなので調べていきたいと思います。真空管がはったりで実はオペアンプのみで鳴っていないか?とかです。試しに真空管を外して鳴るか試して見ました。音は出なくなりました。良かった。ちゃんと真空管は動作しているようです!それからマイクロフォニック音が出るので振動を拾って増幅しているようです。

おや?真空管を外して気が付いたのですが真空管の下にLEDが光っているではないですか!真空管の下部が青白く光っているのは真空度が高いとかではないですね。これはLEDによる照明で良く言うとおしゃれなデザイン、悪く言うとはったりですね。しかしながらこの真空管の照明ですがカッコいいですねー。でもLEDは雑音が出るので音には悪いかもしれません。後で分解出来たらどうなっているか見てみたいと思います。中国のオーディオメーカーになぜ日本メーカーが苦戦するのかその謎も解けるかもしれません。

■特性はきちんと出ているか?

周波数特性と出力電圧がどれくらいか測定した所、周波数は10Hz-20KHz程度でていました。まずまずですね。出力電圧は電源電圧6.2V時に1KHzで5.7Vpp程度出ていましたので概ね問題なさそうです。
入力電圧は携帯のアプリから1.5Vpp程度入れて十分クリップするところまで出ましたのでゲインは3.8倍以上は出ていると思います。その為、増幅という点ではきちんと増幅していますし、回路の動作としては問題なさそうに思いました。

別件のモデルではったりの真空管アンプをリリースしていたという記事を読みました。中身を見ていないのでコメントは推測になるのですが人による配線があるような真空管アンプでは人為的なミスで間違えて接続することはありえるのかなぁと思います。音は出ていたんでしょうか?


そもそもはったりで作るのならこんな手の込んだ事をしても仕方がないと思いますが・・。まぁでもエンジニアに話を聴いて見ないことには真相は分からないですね。

こちらの真空管ヘッドホンアンプは基板に部品が実装されていて人為的に間違えるところは殆どないと思います。特性で見る限り真っ当な製品に思いました。

■ヘッドホンsennheiser HD660Sで鳴らして見る

真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08EですがHD660Sと組み合わせて聴いて見ます。HD660Sだと少し鳴らしにくい感じがありますね。先回の測定で電圧は結構出ていたので鳴るかなと思ったのですがドライブ能力的には物足りない感じです。少しもこもこ感がありますね。

■分解してみる!

お待ちかね!真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08Eを分解してみました!ぱっと見た感じはオペアンプ+真空管のようですが詳しい回路構成まで分からないです。オペアンプは差し込んであるので交換できそうです。電源周りの部品配置はなんでこうなっているか今一つよく分かりません。向きを合わせただけかなぁ。

時間が有ったら信号系の配線がどうなっているかパターンを追ってみたいと思います。と思いましたがレジストが黒塗装でパターンが追いにくいのでやめました。黒塗装はカッコいいですがパターンが見えないのが欠点ですね。

部品配置からオペアンプ+真空管アンプによる2段増幅回路のように見えます。オペアンプはシングルが2個使いのようですがメーカーは分かりませんでした。オペアンプはソケットに差し込んであり差し替えできそうです。今回は球転がししたので良しとしましょう。(オペアン沼未経験者のため)

■LED照明について

LED照明は綺麗でおしゃれなんですが真空管の下にあるのは良くなさそうということで足をカットしてみました。LEDはノイズが出るので対策しないとノイズっぽい感じの音になります。カットしたらかなり良くなったように思います。

真ん中に見えるのがLEDの配線です。足が2本づつ出ていて半田付けされていますのでニッパで切ってしまいます。こんなところにLEDがあったとは。白色LEDのようですが青白く光るのは何でかな。

LEDを消した効果としては音の見通しが良くなってSN感も良くなりました。高音が出ないのは相変わらずなのですがスーっと自然に伸びている感じになりました。これはいいですね。Nobsoundは伸びしろがあるかもしれません。LEDが消えると問題はせっかくおしゃれだった感じが減ったことですがこの外観が本来という事で良しとしましょう。これはこれで自然な感じなのでいいんじゃないでしょうか。

■Nobsound NS-08E総括

真空管ヘッドホンアンプNobsoundですが良いところありますね。音が割としっかり出てきます。フロントパネルが多分アルミで5mm厚くらいあります。機構的にしっかりしているのでそういう所が効いているのかな。やわやわな機構だと低音がしっかり出てこなくて苦労した記憶があります。あと価格が安いのがいいですね。サイズも小さいしデザインも良いので部屋においてインテリアとしても良さそうです。LEDの足をカットするのは音的には良いと思いますがデザインとの兼ね合いで検討して見て下さい。

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■XDUOO MT-602

真空管ヘッドホンアンプをリリースしているメーカーでxDuoo エックスデュオという老舗メーカーがあります。今回レビューしたMT-602ですが結論から言うとしっかりした作りの良いヘッドホンアンプだと思います。音は馬力がありスピード感がある感じだと思いました。

■ヘッドホンアンプの出力はどれくらい必要か?

ここでヘッドホンアンプ出力があるオーディオ機器をリストにしてみました。これからヘッドホンアンプを購入しようとする方に参考になるかもしれません。

大きく分けて①~④の据え置き型と⑤のような携帯型があるのですが、据え置き型は電源事情が良く電圧もDC12Vとか割と高く取れるので出力も大きく取れます。こうしてみると1000mWくらいがスタンダードのようです。これくらいあれば良さそうです。

一方、携帯型は電源事情が厳しくてバッテリー直でアンプを動作させる場合がほとんどのようです。その為、DC3Vくらいで駆動するのでパワーが出ないわけです。ドングルタイプのDACですと100mWくらいがスタンダードのようです。

音量的にはどうかというと⑤のFiiO KA3を携帯に接続してボリュームをMAXにするとヘッドホン(Beyeardinamic DT990PRO 250Ωの場合)がうるさいほど鳴るくらいの感覚です。ただ、もう少し余裕が欲しいかなぁ。

その為、音量的には100mWくらいあれば最低限良さそうに思いました。据え置き型はその10倍くらいパワーが出るので音にも余裕が出てくるわけですね。所で、今回レビューしたXDUOO MT-602ですが・・・出力が実測26.8Vppで無負荷最大出力は10,900mW(10.9W)!おかしいなぁー測定間違えたかな。

やっぱり、出力電圧が高かった!10Wというと100mWの100倍くらいです。これは音に余裕がでるかも。しかし、こんなに出力要るのでしょうか?後で他の機種と比較しながら見て行きたいですね。

【注】10Wというのは無負荷の最大電圧から推定した32Ω負荷時の出力電力です。従って32Ω負荷時に10W出るかどうかは分かりません。仮に10W出たとしても連続で出力するのは厳しいように思います。そういう想定をした設計ではないでしょうから。

取説にあるスペックシートです。出力1300mW 32Ωは問題なく出ていそうです。周波数特性も3~20KHzまでは出ているのを確認しました。20KHz以降は信号レベルが減衰しましたので60KHzまで出ていることは確認できていません。これはこちらの環境(携帯アプリの信号源)の問題かもしれません。良い測定器が欲しいなー。ゲインは実測で17dB程度と問題なさそうです。歪等は測定できていませんが確認できた項目は概ねスペック通りではないかと思います。

仕様

電源:DC12V/1A
ゲイン:+15dB。
出力:1300mW(32ohm)。
周波数応答:10HZ~60KHz (+0.5dB)。
S/N:115dB。
適切なヘッドホンインピーダンス:16~600オーム。
THD+N:≤0.01% (1KHz & 32ohm)
サイズ:12 x 7.8 x 4cm。
重量:0.38kg

■音出しまでの手順は?

早速鳴らして見たいので、配線してみます。フロントパネルは下記の写真となっています。左側にパワースイッチ、ヘッドホン出力端子は6.35mm,3.5mmの接続端子となっています。右側にはaux inがあります。フロントパネルはシックなグレーでなかなかカッコイイです。ちょっとおしゃれですね。筐体はNCで加工したようで強度があり、思ったより重量感があります。

リアパネルはAUX INがありこちらにノートパソコンや携帯、DAC出力などの音源を接続します。AUX OUTがあるのでプリアンプとしても使用できるようです。右側は電源入力でDC12Vです。ACアダプターが付属しているので差し込んで使用します。

この製品は電源スイッチを入れてから暫くミューティングがかかっていて実測で15秒程度後に音が鳴りだしました。ミューティングはリレーで行っているようで音が入るとカチャっと音がします。プロテクターの意味もあるのでしょうか。リレーを省いてコストダウンする場合もありますが、XDUOOはお金をかけていますね。地味ですが配慮を感じます。ただそれでも電源オン時のポップ音は若干出ますけどね。

■音のファーストインプレッションは?

音の評価系は最近作成した下図になります。ヘッドホンアンプの所はFX-AUDIOさんのTUBE-02Jになっていますが、そこをXDUOO MT-602に変更した状態です。基本的にはFiiO K7からヘッドホンアンプを経由してヘッドホンで聴くというシンプルなものです。

課題曲は星街すいせいさん、結束バンド、宇多田ヒカル、オケなど偏った選曲となっています。(苦笑)まぁ、自分の聞きたい曲を聴くのが一番ですね。

音のファーストインプレッションですが、馬力があってスピード感が出る。です。低音もドスが聴いた感じで低い所からしっかり出てくる感じがあります。力強いですね。ボーカルはリアリティーがあり真空管のイメージだと柔らかくて艶やかみたいな印象があるかもしれませんが、こちらはベールが一枚はがれて前に出てくるような音の出方だと思いました。高音もシンバルやシンセサイザーなどアタック音に芯がある感じです。少し、高音は響きに華やかさがありキャラクターを感じます。ここは好き嫌いが分かれる感じです。良く言うと綺麗ですが、悪く言うとキンキンした感じです。

総じて全体的に真空管アンプというよりヘッドホンアンプとして力強さを求めた音作りをしたのかなと思いました。こちらはどのようにして実現したのか興味深いです。

さて、一部の皆さんのお待ちかね。分解写真のレビューです。電源がツヨツヨです。力入っていますねー。他の機種とも比較しながらXDUOOの音に関する考え方など考察していきたいと思います。

こちらは下面のパターン側から見た写真です。小出力~中出力のパワートランジスタが実装されているようです。この辺が出力のバッファー回路でしょうか。それにしても結構大型のトランジスタをおごっていますね。ある程度、出力電圧が高くてパワーが取れるのはこの辺に秘密がありそうです。

それから電圧増幅段を担うオペアンのようなICチップは実装されていないようです。そうするとこのヘッドホンアンプはフルディスクリートの真空管ヘッドホンアンプになりますね。この辺、他社と差別化出来ているようなのでもう少し宣伝しても良さそうなのになぁと思いました。フルディスクリートの方がトランジスタの回路や動作をいじれるので個性が出しやすいと思います。ただ、その代わりオペアンなどを変更して音の変化を楽しむようなことは出来なくなります。まぁ、一長一短ですけどね。

真空管ヘッドホンアンプ、Xduoo MT-602を分解した所ですが、電源関係のパーツが大きい(笑)ちょっと他の同じようなエントリークラスの真空管ヘッドホンアンプ、FX-AUDIO TUBE-02やNobsound NS-08Eと比べてみましょう。

■Xduoo MT-602の音への設計思想考察

こちらがXduoo MT-602です。電源用の電解コンデンサが何個か並んでいます。それから電源はトランス式のスイッチング電源のようです。本格的ですね。最近の真空管ヘッドホンアンプはスイッチング電源が多いようですがトランス式はある程度場所を取るので余り見かけないです。コンデンサで電圧を可変するような他の方式の電源より電源のレギュレーションが取りやすいのでパワーは出しやすいでしょうね。見るからに電源重視のようです。電源がしっかりしていると音の基本的な出方がしっかりすると思います。

Xduoo MT-602を裏面から見た写真です。

こちらは小~中出力のパワートランジスタが4個と小信号のトランジスタが並んでいるようです。LRチャンネルでダーリントン接続による電流増幅(バッファーアンプ)を形成しているようです。パワートランジスタはこのクラスではかなり大きい感じに思います。この辺もパワー重視のようです。

ヘッドホン出力電力の各社の競争のせいか出力電力が高いヘッドホンアンプがありますが、私は自分のイヤホンやヘッドホンにあったある程度適正な出力電力があればいいのではないかと思います。車に例えると分かりやすいと思いますが、馬力は高い方が良いと思いますが、それじゃー1000馬力の車がいいのかなぁ?というイメージです。

オペアンプのようなものは見当たりませんのでフルディスクリートのアンプですね。良くも悪くも個性的です。そしてパターン周りを見ると割と好みの配線です。そうそう、そこはこう配線するよねーと同感できる部分が所々あります。あれ?と思う部分もありますがスペース的に理想的に配置できなかったのかもしれません。しかしながら総じてしっかりした作りのように思いました。

こちらの写真は電源トランスの実装されている基板です。場所的に一枚基板に入らなそうですが基板を二枚にしても入れたかったんでしょうね。電源重視で回路的にはオペアンプを使用していない分シンプルで音もダイレクトな感じになるかなぁと思いました。

下の写真は側面の蓋をネジを外した所です。実は蓋を外すと少し音が開放的になり、少し音の硬さが柔らかくなることに気が付きました。こちらの方が音的には好みです。

■FX-AUDIO TUBE-02JやNobsound NS08-Eと比較してみる

そして下記の写真は他メーカーのエントリークラスの真空管ヘッドホンアンプ、FX-AUDIO TUBE-02JやNobsound NS08-Eです。XDUOOのMT-602は写っていませんが真空管が6J1といった同じサイズですのでそれで比較すると大体の大きさがイメージできると思います。MT-602の電解コンデンサは真空管のソケットと同じくらいですのでそれをみると大分MT-602の電源ブロックのサイズ感が分かると思います。

■Sennheiser HD660SとXDUOO MT-602を組み合わせて聴いて見る

再生系のリファレンスヘッドホンはBeiyerdynamic DT990PROなんですがこれを使っている理由は割と音の変化が分かりやすいためです。今回のヘッドホンアンプはパワーが出るようなので手持ちでは鳴らしにくい部類のヘッドホンであるSenheiser HD660Sで聴いて見ることにしました。

DT990PROは高音がきついときはきついまま音が出てくるのでモニター用途には良いのですがそういう時は聞き疲れしやすいです。Senheiser HD660Sはもう少し音楽を楽しめる方向に振ったリスニング向けのヘッドホンなので果たしてどうなんでしょう。

結論から言うと音的にはこちらの組み合わせの方が正解だと思いました。XDUOO MT-602は鳴りっぷりがいいですね。HD660Sの充実した中低音がより厚みを増してパワー感があります。高音のキャラクターも適度なスパイスとなってメリハリが出てきます。HD660Sはどんな音楽でも懐の広くてある程度のレベルで鳴ってしまう良さがあると思います。他の手持ちのヘッドホンというとこれまたSennheiser HD555なんですがこちらは聴いていて音に心地よさがあり楽しいです。それぞれの良さが引き出される感じがしました。

なるほど、ドライブ能力が高いアンプというのはアンプの個性が出るというより繋いだヘッドホンの個性をより引き出せるというイメージなんだと理解しました。これは勉強になりました。

■XDUOO MT-602総括

分かりやすいようにエントリークラスの真空管ヘッドホンアンプ3モデルを選んで主要スペックを並べて比較してみました。今見てみたらNE-08Eは球が6J9に変更になっていますね。

■真空管ヘッドホンアンプの魅力について

やっぱり音色でしょうか。それぞれのモデルに味があって個性的です。それと外観ですが真空管の見た目の面白さでしょうね。レトロと言われるとそうかもしれませんが、逆に今の時代だと新鮮な感じがあります。レコードプレーヤーも流行っているようですし、機会があったら真空管ヘッドホンアンプとレコードプレーヤーなど組み合わせて聴いて見たいですね。

項目XDUOO MT-602FX-AUDIO TUBE-02JNobsound NE-08E
サイズ15.6 x 14.1 x 13.11 cm9.8 x 9.9 x 3.3 cm15 x 12 x 8.8 cm
重量380 g275g185g
電源DC12V/1ADC12V/2ADC 6V /2A
出力電力1300mW 32Ω記載なし1100mW (32 ohm)
最大出力電圧24Vpp(実測)12.7Vpp(実測)5.7Vpp(実測)
周波数特性10~60KHz(カタログ)3~≧21KHz(実測)20-30KHz(カタログ)
対応インピーダンス16~600Ω16~300Ω18-600Ω
増幅率15dB0dB・-10dB 2段階記載なし
ゲイン切り替え無し(固定)あり(2段階)無し(固定)
歪率≦0.8% 1KHz記載なし0.005%
SN比115dB記載なし110dB以上
真空管6J1 初段6K4 初段6J3 初段
出力段パワートランジスタオペアンプ+小信号FETオペアンプ
内部電源スイッチング電源スイッチング電源スイッチング電源
外部電源ACアダプター付属ACアダプター別売ACアダプター付属
入力端子2系統 RCA,3.5mm2系統 RCA,3.5mm1系統 3.5mm
出力端子2系統 6.3mm,3.5mm1系統 6.3mm1系統 3.5mm
良い点低音がパワフルで
スピード感がある
音離れが良い
音に艶がある
中低音にパンチがある
悪い点音にメリハリがあるため
若干聴き疲れする
音をよくするには
付属の6K4を6J1に
交換する必要あり
高音が出ない
どんな人に
お勧めできるか
鳴らしにくいヘッドホン
を持っている方向け
ヘッドホンマニア向け
真空管ヘッドホンアンプ
らしさを求める方
ちょっとマニア向け
とにかく安価に
沼入門したい
これからのマニア向け
価格¥10,280¥7,820¥6,280

■スペック比較について

XDUOO MT-602とFX-AUDIO TUBE-02Jはスペックと実力と見比べて概ね良さそうに思いました。Nobsoundは出力レベルは実測から推定するとそこまで出そうには思えませんでした。デジタルアンプの時もそうでしたがちょっとスペックを盛っているかもしれません。

■サイズ感の比較について

どのモデルも割とコンパクトなので置き場所を取らないと思います。NE-08は小さいので寝室のベットの横に置いて聴いて見たいですね。しかし、コンパクトさを追い求めるなら普通に半導体のヘッドホンアンプを購入した方が良いと思います。真空管は高さが少しありますからね。

■ノイズの比較について

XDUOO MT-602とFX-AUDIO TUBE-02Jは殆どノイズは聞こえないですね。優秀だと思います。

■音的な傾向の比較について

一覧に簡単なインプレッションを書きましたが比較的安価なモデルなのでどれか購入して聴いて見るのが一番かなと思います。

■KOAG HA-S

以前から気になっていたKOAG HA-Sのレビューになります。KOAG HA-Sはユニークな真空管ヘッドホンアンプで真空管が平面型をしていて青白い発光をします。しかし、いかんせん光が目立たないのでついつい電源スイッチを切れ忘れるんですよね。それから乾電池が単3×2個ですので電源としてはプアーかもしれません。

■真空管ヘッドホンアンプ KOAG HA-Sの良い所

真空管ヘッドホンアンプKOAG HA-Sの良いところは割と広帯域で低音から高音まで音色に統一感があり真空管の良さが出る感じがします。真空管アンプは他に3台所有していますが、ボーカルがいいとか低音がいいとかどこかの帯域が特にいい所がある・・・という感じでしたがKOAG HA-Sはフラットな感じで全体的にいい感じなんですよね。何かチューニングしたのかそれともこの真空管の特性何でしょうか、どうなんでしょう。

■回路図と部品表が付いていて親切

このキットは回路図と部品表が付いてきておまけにオペアンプもMUSEに乗せ換えて遊べるという親切仕様です。改造もしやすそうです。そこで回路図を元に配線を追ってみました。配線に色を塗ってみます。赤は電源ライン、黄色は信号ライン、青はGNDラインです。てっきり初段が真空管、次段がオペアンプと思っていたのですが途中にFETのバッファーが入っているようで3段構成のようです。また、電源は3Vの乾電池ですがそこからフィラメントを加熱する0.7V系と真空管をドライブする25V系をスイッチング電源で降圧、昇圧して電源供給しているようです。最近の真空管アンプは電源がスイッチング電源で小型化しているようですね。

おまけにバイアス電流を変えたり、NFBスイッチのON/OFFが出来たりと遊べる仕様になっています。

NFBに関しては真空管らしさがより出るという点でNFBをかけないほうが私は好みでした。NFBをかけてもこれはこれで落ち着いたきれいな感じでいいと思いますが何か音の出方が少し抑えられるような感じがあるとおもいます。

ケースから取り出した写真です。ケースから取り出しても鳴ります。取り出した方が解放感がある鳴り方ですが、もわっとした感じの音になります。全体的に音がゆるいです。金属ケースのようなGNDがある方が良いのかそれとも基板をネジで固定する方が良いのか分かりませんが。聴いた感じはケースに入れて上面の蓋を取るのが安定していて良さそうな感じです。

■改造できそうか回路図をおって配線を見てみる

上面から見て回路図を追っていくと大雑把にはこんな感じでした。大物部品がバッテリーの所と、真空管の所とあってスペースがとられているので信号系の電解コンデンサや電源系の電解コンデンサの置き場が無くて部品配置が大変そうです。この辺苦労するところですね。

amazonで販売しているKOAG HA-Sは、はんだを使わずねじ止めなどを組み立てるだけのキットと半田付けを使って部品も実装して組み立てるキットの2種類があります。半田付けからやるキットの方が安価ですね。

■ヘッドホンアンプのドライブ能力・電圧供給能力を測定してみる

以前ヘッドホンアンプのドライブ能力として電源の電流供給能力を電源の波形に発生するリップルの大きさや歪かたを見ることで確認してみました。そしてもう一つが電圧の供給能力です。ヘッドホンアンプのドライブ能力としてどれくらいの高さの電圧まで供給できるか測定してみたいと思います。

結局ヘッドホンアンプのドライブ力は電源の電流供給能力と電圧の供給能力の両立という事なんでしょうね。今度は1KHzの正弦波をいれてヘッドホン出力を無負荷の状態でオシロに接続してどれくらいの電圧まで上げると出力がひずむ(クリップする)かを測定します。無負荷だと正確ではないかもしれませんが大体の目安にはなると思います。

KOAG HA-Sの電圧をあたっていたらオペアンプのVccは+26Vと高い電圧が供給されていました。クリップする出力電圧は実測で13Vppくらいです。

HA-Sはてっきり単三1.5V×2本=3Vと思っていましたのでハイインピーダンスのヘッドホンを鳴らすのは厳しいかなと思っていたのですがK7のような出力電圧が高くとれるDACの出力に繋げればDT990PRO(250Ω)でも良く鳴りそうです。

ぺるけさんのヘッドホンアンプの本でも出力は14Vppくらいで設計してますし、この辺が性能と価格のバランスが取れているのかもしれませんね。という訳でKOAG HA-Sの電圧供給能力は概ね十分そうです。電流供給能力に関してはパワーを出すと電源波形がひずむので改善余地がありそうです。

■KOAG HA-S擬人化について

真空管ヘッドホンアンプKOAG HA-Sの擬人化の件についてご報告します。

『manotch』これしか浮かばんかった。

『HA-S少佐』バッテリーの性能の違いがヘッドホンドライブ能力の決定的差ではないということを教えてやる。
『CA215さん』バッテリーの性能で違いはあるわね。
『CA215さん』車載の電池なら数十アンペア流せるし、manotchは過去の実験(カーオーディオ)でパワーを出したらリード線から煙が出てきたそうよ。
『HA-S少佐』ええい!車載のカーオーディオアンプは化け物か!
『CA215さん』何事もやりすぎは禁物ね。
『Mr.DT990PRO』若さゆえの過ち・・・だな。
『manotch』色々なオーディオ機器の擬人化をしているけどそろそろ公式からクレームが来るかもしれん。(汗)
『Mr.DT990PRO』機動戦士ガンダムのシャア少佐のパロディーなんだが分かる奴いないだろ!
『manotch』見える、私にも改造ネタが見えるぞ!インターネットを検索すれば色々ある!
『CA215さん』他力本願ね。何でかしら?
『manotch』坊やだからさ。(自分が)

【後日談】NTUBEさんの公式からイイねが来ていました。(セーフセーフ。こんなアホな擬人化にありがとうございます。基本的に好きなアイテムやイマジネーションが湧いたときに擬人化しているので温かい目で見てあげて下さい)

■HA-Sの改造をしている方を参考にしてみる

さて、その他に改造という事ですが余力があればやろうかなと思いましたがとりあえず当初の目的は達成したので、他の方はどうしているのか検索して調査して見ることにしました。他力本願なコーナースタート!!

2018年にフジヤエービック様主催で「ポタ研」が開催されたそうでその時に改造されたようです。その後スポンサー様からNtubeのサンプルをもらったそうです。いいなぁー。Ntubeはコストが他の安価な真空管に比べるとですが結構高いですからこれは助かりますね。

改造内容は真空管の電圧を80Vにあげてみるとかバッファーをつけるとかですがこれは面白いですね。やってみたい感じです。真空管の特性もですが動作点で音も変わりそうですしどうなるんでしょう。80Vというと感電する電圧なのでちょっと躊躇しますが・・・。何度も感電した時があるので(汗)ただ、拝見して思うのはある程度測定機器が揃っていないと検討出来ない・・・ですね。趣味でやっているには良いですがノイズ対策とかするとなるとオシロ以外にも必要になるので。

詳細な解説があり、参考になります。これを見ておけばほぼOKというような内容です。むぅ、最初に見ておけばよかった。電源周りで1MHzくらいのノイズが乗っているようでこれは気になりますね。そうなるとうーん、測定器とか欲しいですね。

■KOAG HA-S総括

しかし、ヘッドホンアンプは楽しいですね。ヘッドホンとDACと携帯があれば後は組み合わせてみたり改造したり、今ではネットで部品も購入できますしね。ぺるけさんのヘッドホンアンプの本も興味深く、何か作ってみたいなーという感じです。自作は時間がかかるのでどこまでできるか分かりませんが機会があったらチャレンジしたいと思います。

■FX-AUDIO TUBE-05J

FX-AUDIOさんの真空管ヘッドホンアンプのレビューはこれが2台目になります。以前購入したTUBE02Jは音の鳴りっぷりが良くて良かったです。そんな中、2023年12月に発売されたばかりの新製品となるTUBE-05Jを視聴用に貸し出ししているという事を知りましたので興味があり借用を依頼したところOKを頂きました。なんと!分解の許可まで頂きました。という訳で早速レビューしていきたいと思います。

左は以前購入したTUBE-02Jです。右が今回レビューするTUBE-05Jです。大きさの比較用です。

動作させるには同梱されている真空管を表にある白いソケットのピンに方向を合わせて差し込む必要があります。

電源のACアダプターは裏面のDC12Vとなるジャックに接続します。上のRCA端子がLINE IN下がLINE OUTです。

■ギミックてんこ盛り!

今回の新製品はTUBE-02Jに比べると多機能になりギミックてんこ盛りです。これは面白いです。ただし、真空管の交換やオペアンプの交換などはアナウンスがないので自己責任という事ですね。オーディオマニア向けというより、より一般的な方向けに完成度を高めることで部品の交換をしないでも良いという考えなのかもしれません。まぁ、普通はそうですよね。

【外観】

以前のモデルである左写真のTUBE-02Jに比べてフロントパネルの六角ねじが無くなりより洗練されたデザインになっています。そして縦長ですね。今はラックに積まずに横にDACと並べて鳴らしていますので縦長の方が場所を取らなくて良いです。

真空管も12AU7 PSVANE製でブランド品です。球が1個ですが左右のチャンネルが一つに合体した構造のようです。見た目は高級感があってサイズは6J1などに比べると一回り大きくなっています。

フロントパネルはディスプレーがあり表示の輝度の変更もできます。輝度は100%は明るすぎる感じで50%くらいが良い感じでした。一定時間後表示OFFになります。常時ONがあっても良いと思いました。

【ビルドクオリティー】

300Bの真空管アンプを所有していますがPSVAN製の300Bはビルドクオリティーは良かったです。付属の12AU7はピンもきれいで曲がりもなく良さそうです。フロントパネルは厚手の金属製、筐体のカバーも肉厚があるので持つと思ったより重量感があります。マットなざらざらした質感もなかなかいいと思います。今回はデザインに力を入れてきましたね。

FX AUDIO
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【リモコンによる操作】

トグルスイッチもなくなり電源ON/OFFはリモコンかもしくはボリュームで行います。ボリュームは押すことができ、フロントパネルの画面から真空管モードと真空管をパスするモードの切り替えなど各機能を選んで変更することができます。リモコンでも同じ操作ができます。最初はリモコン?使うのかな?と思ったら本体ボリュームをポチポチせずに使えるのが意外に便利。注)単4電池2本要りますが別売です。買わないと使えません。

最初、電源OFFはリモコンからしかできないと勘違いしていました。それって不便ですよね。しかし、もしや?出来るのかな?と思って取説を読んだら電源はボリューム長押し(2秒)で電源OFFに出来ました。皆さん、取説は読みましょうね(苦笑)

と、いう訳でリモコンがなくても本体のボリュームで一通り操作が可能です。無くしても大丈夫!

■製品仕様について

スペックは公式から抜粋です。スペックを見ることでメーカーさんの考え方を垣間見ることができると思います。仕様を確認してみましょう。TUBE-02Jとの相違点で見ていくと電子ボリュームの採用とディスプレー搭載が大きな違いでしょうか。面白いのはパワー半導体の型名を明示していることです。

一方不思議なのは周波数特性や歪率、定格出力などの記載をしていないことです。TUBE-02Jの時もそうですがスペックを重視していないのかもしれません。と、いうのもTUBE-02Jの時、ドライブできる電圧を確認したのですが高インピーダンスのヘッドホンも十分駆動出来そうなレベルだったと記憶しています。その辺はどうなんでしょう。オペアンプもTI社のLM833に変更しています。音への影響がどうなるか興味がありますね。

【製品仕様】
ブランド:FX-AUDIO-
製品型番:TUBE-05J
カラー:ブラック
製品保証期間:お買上げ日より6ヶ月間
入力端子:ステレオRCA端子
出力端子:ステレオRCA端子 *ボリューム連動出力(ヘッドフォン出力と排他利用)
ヘッドフォン出力:[2系統*排他利用]6.3mm TRSステレオフォーンジャック / 3.5mmステレオミニジャック ※4極プラグは動作保証対象外
電子ボリューム IC:日清紡マイクロデバイス NJW1194
ヘッドフォン回路前段オペアンプ:Texas Instruments LM833/TL072
ヘッドフォンアンプ:D882・B772 パワートランジスタ
機能:リモコン操作/真空管動作モード切換/トーンコントロール/MUTE/出力モード切替/ディスプレイ輝度調整/ディスプレイ自動OFF
電源:DC12V / 電源容量2A以上 (ACアダプター別売)
電源コネクター:外径5.5mm 内径2.1mm (センタープラス仕様)
付属品:12AU7(ECC82)真空管1本・リモコン・説明書
サイズ:幅78mm×奥行き123mm×高さ58mm(突起部を除く)
重量:400g

■音のファーストインプレッション

さて、前置きが長くなりましたがエージングも進みましたので音の方もチェックしていきます。

TUBE-02Jと本体を交換して後は電源など同じ条件で聴いて見ます。まずはヘッドホンアンプという事でBeyerdynamic DT990PROを接続しています。

『MR.DT990PRO』伝説のヘッドホンらしいです。自分でパッケージに伝説って書いちゃっています。

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『MR.DT990PRO』呼んだかね?
『manotch』そうそう、今日も頼んだよ!

音の方ですが強調された感じがなく、全体的にうっすらと艶のある上品な音だと思いました。TUBEモードがあるのですがONにするとふわっと艶が乗ってきます。元の半導体アンプの素の音にそのまま艶が乗った感じです。12AU7の特長でしょうか。癖がなくノイズも聞き取れないほどで良好です。

TUBE-02Jと比較すると線が少し細く感じますが奇麗な音色です。内部回路の差かなぁ。TUBE-02Jはゆったり目で押し出しの良い感じ。TUBE-05Jは全体的に歪み感が小さく整った音の感じに思いました。ちょっと驚いたのは12AU7を指ではじいてもマイクロフォニックノイズがヘッドホンから聞こえてこないことです。

TUBE-02Jで換装した6J1などは結構マイクロフォニックノイズが鳴るんですけどね。チーンって感じで。これが音の艶になっているのかなと思っていましたが、12AU7は構造がしっかりしているのか全然聞こえません。この辺、艶感が上品でうっすらしている理由なのかもしれません。

それでは後で分解してどの辺に音の秘密があるのかみてみるとしましょう。ムフフフ。

■イヤホンで聴いたときの音量問題について

次に最近購入したSennheiser IE600を接続して聴いて見ます。IE600はボーカル良し、色気、艶あり、低音もしっかりという4拍子(!)揃ったイヤホンでこれは期待できそう!と思ったのですが気になる点が出てきました。ボリュームが0~99レベルで細かく変更出来て便利なのですが0から1に音量を上げたとたん無音から結構大きな音で鳴ります。

音量を絞りたいときもありますのでこれはちょっと改善してほしいと思いました。TUBE-02Jは普通のボリュームなので音量が0まで絞れます。しかもゲイン調整が0と-10dBとあるので小さい音から大きい音まで調整ができます。イヤホンもヘッドホンも音量調整が出来て問題ありません。

試しにAmazon musicを排他モードをoffすると音量が少し小さくなりますが、DACから直で音楽を聴けないのでちょっと勿体ないですよね。なんとかならないかなぁ。

TUBE-05Jは恐らくゲインが高いからでしょうか。ボリュームの調整範囲を増やすとかスイッチなどで-10dBとか音量の可変範囲を広くできると良いと思いました。ただ、イヤホンの感度が低ければ恐らく問題ないと思います。

ヘッドホンの方はイヤホンよりは感度が低いのかもう少し小音量でなりましたのでそこまで気になりません。

■音量問題の対策について

そういう訳で音量問題の対策を考えました。

FiiO K7はLINE OUTの出力が高そうなのでTUBE-05JだけではなくDAC側の使い方の問題ともいえそうです。LINE OUT出力が高いのはメリットもあるので欠点とは言えないのですけどね。

ボリュームで音量調整できるPRE OUTモードがありますのでそちらを使えば小音量からイヤホンを鳴らせるようになります。 その為、DAC側にボリュームがあるタイプであればイヤホンでも良さそうです。これは一つの解決策ですね。

他に携帯にドングルDACのようなK7より出力が小さい機器を接続したときどうなるかも聴いて見ました。

写真はiPhone11proからFiiO KA3 USB DACを経由してTUBE-05JのLINE INに接続しています。

KA3は一般的な出力(1.5Vppくらいだったかな)のドングルDACです。こちらでIE600で聴くと音量は0から1にしても小さな音から始まり先ほどのような少し大きい音で始まることもありませんでした。

もちろんヘッドホンを接続しても問題なかったです。使い方の参考になれば幸いです。

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音のファーストインプレッションの次は一部の方のお楽しみ!分解です。蓋を開けて基板を見るとたまらない!というあなた!まぁ、私もそうなんですが(苦笑)勉強になります。

さて、FX-AUDIOさんには分解の許可を頂き、分解の仕方を教えて頂いたので実際にやってみましょう。分解は自己責任ですので注意深く進めていきます。

■慎重にTUBE-05Jのフロントとリアパネルを取り外して分解する

右側の写真がTUBE-05Jのリアパネルです。ねじは四隅のプラスねじを外すとリアパネルがとれるようになります。

フロントパネルについてはボリュームに6角メスねじが付いていますのでそれを外すと六角ナットが締めてありますので、ラジオペンチなどで回してやるとフロントパネルも外れます。下の写真でいうと右下のつまみがボリュームになります。

下の写真がフロントパネルとリアパネルを外したところです。リアのねじはなんとフロントパネルまで長さがある長いものでした。それから1か所フロントパネルと中の基板をつなぐ白色のフレキシブルケーブルがあります。

リアとフロントまでをつなぐねじ(4本)が長かった!

フロントパネルですがNCなどで切削加工しているように見えます。これは芸が細かいですね。上側に白色のコネクターがありますがその下側にあるのが黒いストッパーのようなプラスチックです。写真でいうと下側に引っ張るとケーブルも抜けました。

無事、分解できましたー。ふー。(汗)黒で統一された基板とケースで中身もかっこいいですね。

オペアンプは面実装ではんだ付けされていますのでソケットで抜き差しすることはできず難しいです。ヒートガンとか何か取り外す器具が必要です。他のオペアンプに簡単に交換できないのは残念ですね。ただ、ソケットがあるとその分接点で音が劣化するので直接はんだ付けした方が音は良さそうに思います。

真空管の12AU7は他社製のブランドが出回っていますので差し替えて音変を楽しむのはありかと思います。ただ、自己責任でお願いしますね。

■TUBE-02Jとの設計思想の違いについて

多機能な真空管アンプなのでTUBE-02Jのように1枚基板では収まらなかったようです。TUBE-02Jの以前分解したときの写真は下記になっています。通常1枚基板で収まるように設計したいところですが収まらないときは立ち基板といって垂直にもう一枚基板を立てたりします。それでも収まらないときは2階建てという手もありますが2階建ては組み立てが大変そうだなぁ。

TUBE-05Jをサイドから見た感じです。入力のボリュームの所で上下の基板をコネクタで接続されていました。

こちらは下側の基板の写真です。

4個並んでいる3ピンの半導体は出力をドライブするバッファーアンプのようです。しかし、こうしてみるとTUBE-02Jとは使っている部品も違うし、パターンの配線も別のチームで開発したような印象ですね。単なるモディファイではなく全くの別物といってもよさそうです。

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■中身のパーツが良さそうなものを使っている

TUBE-05Jの売りとして中身のパーツを音の良いものを採用しているという事で確認してみます。公式から抜粋してみます。

■高品質部品をふんだんに採用
ドイツWIMA社のフィルムコンデンサ、nichicon社の
オーディオ専用コンデンサ「MUSE」シリーズを採用。
音声信号ラインにおいては高音質なMELF抵抗を採用し、
艶やかで鮮度の高い生々しい音像を劣化させることなく
出力する為に、音質を左右する主要な部品に対するコストとこだわりに妥協はありません。
公式参照

以前、300Bなどを使用した真空管パワーアンプや半導体を使用したディスクリートアンプを何台か自作(業務ではなく趣味で)したことがありますが確かにパーツ類で音が変わりますね。しかし、元々のアンプの回路や配線など完成度を高めてからする必要があります。真空管アンプでいうと初段のプリアンプの入出力のカップリングコンデンサとかでしょうか。

4本立っている赤い部品がWIMA社のフィルムコンデンサですね。2個は斜めに配置しています。配線を短くするためでしょうか。

秋葉原で何社かコンデンサを購入して取り替えてみましたことがありますが随分変わった記憶があります。

抵抗も直方体の面実装タイプではなく円筒型のタイプを所々使用していますね。信号系の所かな。面実装抵抗は小型に回路を組めるのでパターンは楽ですが以前の記憶だとリード付の円筒タイプなどの大型抵抗に比べるとちょっと平板な音になる傾向だったと思います。小型にしないといけないし音質も良くないといけないし悩ましい所です。

TUBE-02Jに比べて電解コンデンサの数が減って固体コンデンサに代わっているようです。FX-AUDIOさんのFX-AUDIO- Petit Tankという電源強化アイテムがあって電解コンデンサが使われているのですが上位バージョンにLimited Editionというのがあります。こちらは電解コンデンサではなく固体コンデンサに置き換わっているという事で音を聴いて見ましたが、低音に瞬発力があって高音まで効果を感じることが出来ました。TUBE-02Jとの音の傾向の違いも使われているパーツの違いなどもありそうです。

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■TUBE-05Jのドライブ力(最大振幅電圧Vpp)を測定する

分解したパーツを元通りにして組み立てます。今度は電気的特性を確認します。公式からはアナウンスがないのでどれくらいの特性か把握してみます。電気特性は音とは関係ないよ!という方も見えますが私は正常に動作しているかとか基本性能はどうか?とかあるので確認したい派ですね。

FiiO K7のLINE OUTからTUBE-05JのLINE INにRCAケーブルを接続し1KHzの正弦波を入力します。出力をオシロでモニターしながらクリップする電圧を確認します。試験条件は無負荷です。

1KHz、無負荷で24.2Vpp出ていることを確認しました。これはハイインピーダンスのヘッドホンでも十分ドライブできる電圧だと思います。これはTUBE-02J以上(12.72Vpp)ですね。クリップ波形も上下対称できれいです。各回路の電圧設定が正しく設計できていると思いました。実際にハイインピーダンス(250Ω)のヘッドホンであるDT990PROで音量を上げて聴いても音に余裕があり力強い鳴りっぷりだと思いました。

『MR.DT990PRO』私を鳴らすとはやるじゃないか。

■TUBE-05Jの周波数特性を測定する

周波数特性もついでに測定しておきます。1KHzで10Vpp出力する状態にして低い周波数と高い周波数でどれくらいまで再生できるか確認します。iPhone11proから信号発生器のアプリで周波数を振ります。正確な測定ではないので大雑把な数値です。

低い周波数は2Hzまで確認できました。これは優秀ですね。バッファーアンプは直流レベルに近い周波数まで再生できるようです。

次に高い周波数ですが21.4KHzまで再生できることを確認しました。それ以上はレベルが低下しますがアプリ側の問題なのか分からないので一応20KHz程度まで再生していそうということを報告させていただきます。良い測定器ほしいなー。

■その他のゲインなどの特性

先の課題として浮上したゲインが高い?件について測定しておきます。実測で15.3dB(約6倍)ほどでした。アンプなどは10~20dB程度で設計することは一般的ですのでそれほどおかしい値ではないことが分かりました。しかし、昨今の様々なデバイスをヘッドホンで適度な音量で再生するにはある程度幅を広く音量調整できる必要があるように思いました。

その他、電源ON/OFF時のポップノイズですがリレーで制御しているせいかほぼ出ていません。これは良いですねー。TUBE-02Jは少し出ていたのでここは随分改善されています。

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FX-AUDIOさんから借用中のTUBE05Jですが今週期限が切れますので最後はTUBE05Jの使いこなしを考えてみましょう。

■TUBE05Jのプリアウト出力を使ってスピーカーを聴いてみる

TUBE05Jのいい所ですがRCA端子のプリアウト出力(LINE OUT)が付いていてLINE OUTからパワーアンプを接続してスピーカーで聴く事が出来るんですよね。これって結構便利じゃないでしょうか。ヘッドホンで聴く事も出来ますし、デスクトップでミニマムなオーディオが構築できそうです。

左側にある横長の箱のような機器がカーオーディオ用のパワーアンプ、harman kardon CA215です。12VのACアダプターを接続して鳴らすようにしてみました。これくらいのサイズでデスクトップオーディオを組めると場所を取らないのでいいですね。

もう一台のフルレンジスピーカーのFOSTEX FE83NV2を接続してみました。これくらいのサイズがいいですね。

スピーカーでリスニングするときリモコンは便利です。真空管アンプモードと半導体アンプモードの切り替えやその他トーンコントロールがBASSとTREBELEで±10dBと結構大きく変更する事が出来ます。

■ACアダプターに電源強化アイテムを接続して聴いて見る

TUBE-05Jの使いこなしとして後はFX-AUDIOさんからリリースされている電源強化アイテム、Petit SusieとPetit TankをTUBE-05Jに接続して効果を確認してみたいと思います。以前ACアダプターから出ているスイッチングノイズが音に影響していることが分かりましたのでアレコレ試している内に見つけたアイテムですが手軽に音変できる良いアイテムだと思います。

その時の電源強化とノイズ対策についての記事は下記に纏めてありますので興味がある方はご覧くださいね。

接続ですが、TUBE-05JのACアダプターが接続されているDC12Vのコネクターの箇所にPetit SusieとPetit Tankを挿入しています。接続前はこんな感じでACアダプターはTUBE-05Jに直接挿入していますが・・。

挿入後はこんな感じです。

Petit Tankはスタンダードな電解コンデンサを使用したタイプと [Limited Edition]といって固体コンデンサを使用したタイプがあるのですがPetit Tank [Limited Edition]の方が好みの音だったのでこちらを接続しています。

音変効果としては低音に瞬発力が出るのと艶やかさが出ることでしょうか。音は奇麗ですがちょっと硬質でソリッドな感じもありますね。エージングで良くなるのかな。価格はリーズナブルだと思いますのでかなりお勧めできると思います。

■FX-AUDIO TUBE-05J総括

TUBE-05Jのレビューをお届けしましたが如何でしたでしょうか。デザイン面と高音質パーツによる音質の強化などあって魅力的なモデルになっていると思います。うー、欲しい欲しい。(以下無限ループ)しかし借りものだし一度返さねば。残念。

丁度K7の横に置いて良い感じのサイズです。

■真空管ヘッドホンアンプおすすめ5選総括

さて、如何でしたでしょうか。こちらで紹介した真空管ヘッドホンアンプですが比較的安価でネームバリューがあるメーカーを選択しています。真空管ヘッドホンアンプは趣味性が高いと思いますが何と言ってもいい雰囲気で光る真空管と個性的な音を楽しめる点がお勧めできると思います。球を交換したり、オペアンプを交換できるものもありますのでそれぞれ検討してみてくださいね。そしてオーディオを楽しみましょう!

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。