前回はNobsound NS-01G Proのレビューpart3で安価な中華デジタルアンプとオーディオ用アンプ(harman kardon CA215)の音の差についてインプレッションを書きました。Nobsound NS-01G Proはコスパはめちゃめちゃ高いと思いますがオーディオ用のフルディスクリートアンプであるharman kardon CA215に対しての比較となるとやはり価格相応の差はあるなぁと思いました。

Nobsound NS-01G Pro徹底レビュー総集編です。まとめ読みできます。⇒https://audiocolumn.com/manga/1830/

しかし、よく考えるとデジタルアンプはAVアンプやテレビなど普通に使用されるようになってきていますので音をよくしようと思えばできるのではと思いました。3,999円では音をよくしたいにも限界がありそうですもんね。今回は電源に使用される電解コンデンサのパーツを交換してみましたので音の変化などを記事にしたいと思います。結論から言うと中高音の気になっていた点が改善されてよりオーディオ的な雰囲気になったなーという感じでした。

分解した写真ですが中身は真っ当なデジタルアンプです。チップセットは不明ですが1チップのようです。基本的には高級機でもデジタルアンプは同じような回路構成を使用していると推測します。
出力のコイルとかコンデンサあたりはフィルタになっているので中高音の音に効きそうですが・・・スペースが無いのと交換部品が外しにくそうなのでやめておこうとおもいます。まぁコテも今2本持っていないので残念ながら出来ないです。簡単そうなのは部品で一番大きい電解コンデンサですね。

■改造するぞー。

このデジタルアンプは省スペースなので部品間隔などあまり余裕がありません。その為、誰でもチャレンジできそうな部品交換で音がどうなるか見てみようと思いました。もし興味がある方がいたら部品名も書いておきましたのでチャレンジして見て下さい。(自己責任ですよー)デジタルアンプは基本的にこの手は使えるのではないかと思いますので他のデジタルアンプをお持ちの方は遊んでみてもいいと思います。

上の分解写真と見比べて見て下さい。上の写真が最初についていた電解コンデンサ(黒)です。
電解コンデンサを交換するときは基本的に電源電圧の定格と容量と温度定格を確認して同じ値に変更します。

最初に使用していたコンデンサはメーカー型番不明の25V/1000μF/105℃でした。電解コンデンサは直径φ径と高さも確認しておきます。メーカーや型番によって同じ定格でもサイズが違うときがあります。
あとこれが最も注意することですが電解コンデンサには極性があってプラスとマイナスがあります。

電解コンデンサのプラスとマイナスを確認して最初に接続されていた極性の通りに半田付けしてください。間違えると爆発(実際は爆発しないですが電解コンデンサの上側にある防爆弁が開いて破損します)します。爆発というより少し煙が出るという感じですが、大型のコンデンサだと結構びっくりします。(体験者)

ネットで購入できる電解コンデンサですと日本ケミコンさん、ニチコンさん、東信工業さん、ルビコンさんなどのメーカーから購入できそうです。海外メーカーも含めると沢山ありすぎてどれが良いか分からなくなりますが、まずは日本製のなじみのあるメーカーさんが良いと思いましたので日本ケミコンさんの25V/1000μF/105℃でEKMG250ELL102MJ20Sを2本購入して交換してみます。

↓こちらが今回購入した日本ケミコンさんの電解コンデンサです。

オーディオ用の電解コンデンサと銘打ってある製品もありますが、どの辺がオーディオ用に作られたのか良く分からない製品もあるのでまずはそのメーカーの一般的な製品を使用するのが良いのではないかと思います。

■音の変化は?

さあ、電源投入してみたいと思います。電解コンデンサの極性は見ていますがいつも一番緊張しますね。壊したことも多々ありますので・・・。音が出てきました。大丈夫そうです!

実はここは中高音にはあまり関係ないかなと思っていましたが意外にも低音から中高音まで音の統一感が出てきました。だいぶオーディオ的になる感じで音もふくよかな感じになりますねー。これは中々いいです。でも、ちょっとおっとりしている感じがありますね。良く言うと落ち着いた、悪く言うとスピード感が減った・・・ですが。スピード感に関してはこれくらいでもいいかなぁ。元々あるので。なんだろう、エージングしてみようかな・・・という事で暫く鳴らして見たいと思います。

電解コンデンサのチョイスですがメーカーによる音の差もありますし、直径や高さでも音の傾向が変わってきます。同じ容量でも小型品といわれるサイズ重視の電解コンデンサもありますがあまりよくなかった記憶があります。オーディオ的には性能やサイズをあまりにも重視した製品は良くなかった記憶があります。だんだん自然な感じが無くなっていくんですよね。後、元々の設計が問題があると部品をいくらいいものにしてもダメですね。その点このデジタルアンプはまだ改善の余地がありそうに思いました。

■その他の改造について

デジタルアンプで気になるのはデジタルノイズですが今のデジタルアンプはノイズ低減の工夫がされているかもしれませんがノイズとの闘いだったと記憶しています。ノイズが乗ると音がノイズっぽく曇った感じになって音の見晴らしも悪くなります。ただ、残留ノイズが分かるような計測器も手持ちにありませんのでここは対策は難しそうです。ノイズ対策も色々な考え方があって、最低限の変更箇所で音の良さを失わないように対策する方法もありますし、完璧に対策して性能を上げる方法もあります。

どこまでやるか、どう対策するかは腕の見せ所だと思います。

『NS-01Gくん』あのー、なんか腕のロケットパンチが改造されてドリルパンチに替わっているんだけど!
『manotch』そうそう、パーツを交換してパワーアップしてみようと思って。
『NS-01Gくん』確かにパワーアップしたような気が。
『manotch』はじめの一歩でもあったじゃん。コークスクリューパンチ!!ハートブレイクショット!!パンチに回転を加えることで破壊力が増すという。それにロケットパンチよりドリルパンチの方が時代的に新しい感じがするし。音的にも良くなったと思うよ。
『NS-01Gくん』そうなるともっと良くしたいなー。色々なパーツがあるみたいじゃん!
『manotch』そうだなー次はやっぱり目からビームが出るようにしようかな。
『NS-01Gくん』・・・もうちょと何かない?

■総括

中華デジタルアンプNobsound NS-01G Proですが面白いアイテムだと思います。なによりコストが安い!3,999円!これにつきますね。オーディオを趣味で始めようというかたにはうってつけの入門機でしょうね。今はこういうデジタルアンプから入る選択肢もあったんだという感じです。最初から高いのを購入してもいいですがこれで良ければこれで良いし、改造の道に入っても良いでしょうし。まぁ出力が50W+50Wとれるというのは盛りすぎだと思いますが、それでも一般的な家庭でガンガン鳴らせるというのは良いと思いました。まぁ価格相応という所もありますのでpart1~4のレビューを参考にして見て下さい。

今回のレビューは中華デジタルアンプ Nobsound NS-01G Proでした。最後までお読みいただきありがとうございました!

↓今回購入した製品はこちらになります。遊べます!

↓出力電力を50Wまで上げようと思ったら24V電源を別途購入する必要があります。電解コンデンサはデフォルトで25Vを使用しているのでぎりぎりですが定格にはマージンがあるので大丈夫かな。余裕のある感じの音になります。

By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。