3,999円で100Wというびっくりアイテムです。Amazonさん見ると売れていますね。分解写真、イラスト、改造など今回も盛りだくさんで徹底レビューします!

■謎だらけ!

しかし、色々謎だらけ!ただ、結論から言うとハイエンドオーディオが手に届かなくなりそうな昨今、ローコストで出来るだけ良い音で鳴らしたい!という方にぴったりな真っ当なデジタルアンプだと思います。

音は?性能は本当に出るの?どうやって使っていったらいい?実際に購入して視聴しましたので様々な疑問に答えていきたいと思います!結論から言うとこれはコスパ高い!です。後、ローコストなので気軽に改造して遊べそうという点も個人的にはポイント高いです。

今回レビューしたアップグレード版 Nobsound NS-01G Pro パワーアンプ bluetooth 5.0 100W アンプ スピーカー用 デジタルパワーアンプ HiFi オーディオ 電源付き (ブラック)です。スピーカー端子がごっつい!これはいいですねー。かなり太いケーブルでも接続できます。

■開梱!

梱包箱です。ちょっと擦れていますが中身は問題ありませんでした。
開梱した所です。付属品は取説と本体、スイッチング電源(12V-5A)、RCA-3.5mmケーブル、USB-A – MICRO USBケーブルです。これだけの内容で3,999円で採算性はとれるのか凄く疑問ですが取れているんでしょうね。安価に作る技術が凄いです。
幅8cm×奥行き7cm×高さ4cmくらいのコンパクトサイズです。これくらい小型だとちょっとしたスペースに置けますね。デスクトップにおいて使うのによいと思います。電源は大きいですね。この価格でよくここまで電源をおごれたなと思います。12V5Aと書いてあるので出力60Wですね。あれ?おかしいな100Wでないかも・・・。良くスペックを確認してみると100Wというのは50W+50Wで合計100Wという意味でした。まぁ、定格出力(一般的にずーっと出し続けられる出力)ではなくてある一定の短時間出せる最大出力という意味の表記方法もあるのでそういう事だと解釈しました。出力が出る条件が明記されていないのでこれが正しいとか間違っているとかは言えないと思います。ただ、出力的には結構ガンガン鳴らせると思いましたので特に不満はないです。

■音のファーストインプレッションは?

やはりとりあえず聴いて見たいのでFiiO K7 DESK TOP DACのPRE OUTにつないでNobsound NS-01G Proを経由し、スピーカーはKEF IQ30の組み合わせで聴いて見ます。電源をONするとポップ音が少し聞こえますがまあそれほど気にする大きさではないと思います。最初だけなので・・・。聴いた感じですがちょっとホワイトノイズはharman kardon CA215に比べると大きいです。その為、顔を近づけるとサーというノイズが少し聞こえます。離れればそこまで気になりません。

宇多田ヒカルの『BAD MODE』を聴いて見ます。デジタルアンプも進化しているようで低音のドラムやベースなどは勢いがあっていいですね。スピード感があります。デジタルアンプって低音の出方が軽くて量感がありますね。アナログアンプだと重厚な低音とか出しやすいのですが電源トランスの関係かもしれませんがこういった軽い出方の音が出ないんですよね。不思議ですが。

音量を上げていってもしっかり音が出ますね。ボーカルもまあまあです。これで3999円ですか・・・。凄いなぁ。おそらくオーディオに興味が無い方ならこれで十分という人も多いのでは?と思いました。

一方、高音の方は当たり障りのない感じです。もう少しきれいに鳴ってくれるといいので改善の余地がありそうです。艶やかさとか色気みたいなのが出るともう少しオーディオ的な感じが出てきていいのですがそれは高望みかもしれません。そこまでは無理かな。しかし、これで3999円かぁ。自分の感覚ではとてもこのコストで出来そうに思えません。部品代だけで3999円に行きそうです。コスパはめちゃめちゃ高いと思いました。これでは日本のメーカーはコストでは太刀打ちできないと思いました。

スピーカーケーブルを接続した所です。このスピーカーターミナルですがかなり太いケーブルが挿入できます。写真はカナレのケーブルを2芯づつパラレルで接続しましたがそれでも挿入できました。スピーカーターミナルがしっかりしていると太い線もしっかり締め付けられるのでイイですね。
アンプを接続するとこんな感じです。アンプが小型なので結構どこでも置けます。ただし、ボリュームが上側についているので上側が開放されていないとつまみが回せません。写真のように置く感じになります。

■ブルートゥース接続の音は?

これがまたこの価格で付いているのが凄いんですが携帯からブルートゥース接続でワイヤレスでアンプに電波を飛ばしてそこからはスピーカーに有線接続するという使い方が出来ます。これは面白いです。ただ、私のようにデスクトップに有線で接続できる場合はあまり活用方法が思いつきませんでした。有線の方が音は良いと思います。ブルートゥース接続だと有線より高音がこもった感じであまりよくありませんでした。ブルートゥース接続はスマホからペアリングで簡単に認識してすぐに音を出せましたので利便性は高いのですが、スピーカーが手が届かないような場所に有るばあいなど使えるシーンが限られると思いました。

■謎その一 中身はどうなっているのか?

それでは色々謎だらけ!の謎を見ていきたいと思います。試聴余りしていないような気がしますがまぁ分解しても元に戻せるよう分解すればいいですね!(結局後戻りできない所まで分解してしまいましたが・・・)さて、最初の謎はこのNosoundの中華デジタルアンプですが中身はどうなっているのか?です。中身を見たら設計の良しあしや音の秘密などが分かるかもしれません。購入した後で思ったのですがネジや六角で明らかにケースが外せて分解が容易なモデルを買えばよかったと思いました。

分解することで保証は効かなくなってしまいますのでくれぐれも自己責任でお願いします。

さて、フロントパネルとリアパネルですがネジらしいものが見当たりません。ネジはパネルに隠されていてパネルを取ればネジが出てきそうです。マイナスドライバーをパネルと筐体の隙間から入れて蓋を少しづつもち上げるようにしてパネルを外して見ます。

フロントパネルはこんな感じで外せました。パネルはプラスチックのパネルとシールを貼った組み合わせでシールでネジが隠されるようになっていました。そこで少し強引にパネルごと引っ張って外しました。ネジのある個所をカッターとかで切り取ればもう少し丁寧にフロントパネルが外せると思います。
リアパネルも同じように外します。スピーカー端子は基板に取り付けられていてメイン基板と垂直に立つよう半田付けされています。スピーカーの出力ラインは基板と基板で直でつながっています。スピーカーの配線が不要になるので合理的な設計だと思いました。
基板を取り出せました!ここまでが長かった。出力はフェライトのコイルとコンデンサによるフィルタが形成されているようです。中身は真っ当なデジタルアンプのようです。良かった!

■謎その二 50W+50W出るのか?

ヒートシンクが中央にありこれがデジタルアンプのICの放熱を行っていると思いますがサイズが小さくて2CM角くらいしかありません。デジタルアンプの効率がいくら良くても90%くらいでしょうから熱としては100W出力出来たら10Wくらいは放熱する必要があります。うーーん、ヒートシンクの大きさから言って10W常時発熱を放熱しきるのは難しそうです。やはり100W出力というのは一時的な最大出力のように思います。チップセットの情報が無いので何とも言えないのですが仕様書にこういう条件の時に100W出ると書いてあるその値をそのまま書いているように思います。所である程度ガンガン鳴らして見ましたが筐体の温度はそれほど上がりませんでした。その為、ある程度効率が良いデジタルアンプであり出力も50Wまでいかないにしてもある程度稼いでいると思いました。

その為、100Wというのはちょっと盛りすぎだとは思いますがコストパフォーマンスを考えるとそれも納得できてしまいました。

写真は分解して基板を取り出したところです。スピーカー出力端子付近に黒色の部品がありますがこれがコイルでデジタルの信号をフィルターにかけてアナログの信号に変換します。そのため真っ当なデジタルアンプだとわかりました。

■出力パワーは何Wくらい出るのか?

きっとどのご家庭でもそれなりにガンガン鳴らせるのではないでしょうか。ネタとしてオーディオ好きな方へのプレゼントなんかも面白いかな。後、それから出力パワーについては100Wはちょっと盛りすぎでそこまで出ないのでは?という疑問点が残りました。続けてレビューしていきます。このアイテム面白いです。

購入早々分解してしまい、音が出なくなっていましたが組み立てて音が出るようにしました。しかしフロントパネルが無くなってしまいました。

■『NS-01G Pro君』登場!

うぃーん。ピカーン。(何かが起動する音。インジケーターが点灯)

『NS-01G Pro君』ああ、死ぬかと思った。何で分解するんだよー。ぶーぶー。

オーディオ擬人化 NS-01G Pro君です。

【後日談】AIイラスト化したところこうなりました!

『manotch』ごめんごめん。つい興味が中身はどうなっているんだろう?に行ってしまって。

『manotch』擬人化する前に分解してしまったし、設定が難しくなったなぁ。と思ったけどやっぱり音のレビューは必要だし。元に戻して見たんだよ。
『ie200さん』ロボティクス研究所から脱走した後、秘密機関に捕まって解体されてしまったとかどうですか?

sennheiser ie200さん インナーイヤホン擬人化です。

『manotch』ロボットでなくデジタルアンプでしょ。
『NS-01G君』所でなんで腕がロケットパンチなの?
『manotch』分解したらパーツが元通りに付けられなくなったのをロケットパンチで表現してみました。
『NS-01G君』ぶーぶー。
『NS-01G君』頭にあるツマミと妙なくねくねの棒は?
『manotch』頭のつまみはボリュームですよ。くねくねの棒はブルートゥースのアンテナがそういうデザインだったので。
『NS-01G君』ぶーぶー(普通に描いてー)
『ie200さん』何で少年の絵なんでしょうか?
『manotc』ちょっと低音に勢いがあってやんちゃなイメージだったので。

オシロを接続してどれくらい出力が取れそうか確認しています。1KHz 無負荷で24Vppくらいです。
デジタルアンプは無負荷だとどのような出力カーブになるかイマイチ分かりませんが8Ω負荷など持っていないのでとりあえず振幅だけ見ています。

■本当に100W出るのか?

オシロで確認した感じですが中華デジタルアンプNobsound NS-01G Proって本当に50W+50W出るのか?という点ですが付属の12V電源では出せそうにないことが分かりました。出力が24VppくらいでしたのでBTL方式であれば7W+7W(8Ω負荷)くらいのようです。

このデジタルアンプは効率が良いのか電源電圧近くまでフルスイングできるようです。 チップセットは不明ですが付属している12V電源をやめて24V電源を購入して変更すれば35W(8Ω)くらい出そうです。そうすると負荷は8Ωではダメで50W出すには6Ωか4Ωが前提になりそうです。

それで恐らくカタログは間違ったことは言っていないことが分かりました。ただ、50W出るとカタログに書いてあると単純に50W出ると皆思うじゃないですか。その辺はちょっと誤解を生みそうと思いました。

フォロワーさんからきれいな正弦波というご指摘があったのですが、実際は波形がクリップするところまで出力を上げていますので上と下で少し平らになっています。そしてそのあたりで波形が少し歪んでいるんですがこれはデジタルアンプ特有の歪かもしれません。

■実際の所は何ワットでそうか?

正確に書くなら、付属の電源では50W+50Wは出ませんが別売の24V電源を使用してスピーカーの負荷インピーダンスが4Ωか6Ωであれば100Wでます。という所でしょうか。まぁ、ここが難しい所であまり正確に書いてしまうと他のデジタルアンプの事もありますし売れなくなってしまいますしね。皆、カタログの出力を見て購入するじゃないですか。でもまあこれだけのコスパのデジタルアンプですから結構ガンガン鳴らせるのでいいのではないでしょうか。ちなみに他のデジタルアンプもネットを見ると同じように100Wとか200Wとか書いてあるのですが恐らく事情は同じですね。ただ、メーカーによってはきちんと電源が何Vのときで何Ωのスピーカーに接続すると何ワット出る。と書いてある場合もありました。

そういえば気になっていたのですが音量を調整するボリュームがありますが信号がアナログボリュームの時の場合2回路あるのですが見たところ1回路分のみです。

■こんなところにお金をかけている!電子式ボリュームだった。

ボリュームはてっきりアナログボリュームだと思っていましたが、どうやら信号系統が1回路しかないので電子式のボリュームですね。電子式ボリュームの良いところは左右の音量差が出ないことでアナログボリュームだとボリュームをゼロから上げていくと先に右側から大きくなったりとか小音量の時に気になることがありました。

ボリュームの信号線の所を拡大しています。シールドケーブルを手付けしていますが電子式ボリュームでもシールドが必要なのかな。その信号線の先は右上のチップセットにパターンでつながっています。このチップセット情報は型番から分からなかったので機能は不明です。デジタルアンプのコントローラーかもしれませんね。

ボリュームのつまみは外側はアルミで持つとひんやりします。それで音量を上げたときの感触は結構良いです。ボリュームが結構感触イイものを使っているんですね。Nobsoundさんは人が手で触るようなボリュームやスピーカー端子にお金をかけているようです。参考になるなぁ。やっぱり売れるには必要な所にこだわりがあった方がいいんでしょうね。

■オーディオ用アンプと比較試聴してみる

Nobsound NS-01G Proのレビューpart3で安価な中華デジタルアンプとオーディオ用アンプ(harman kardon CA215)の音の差についてインプレッションを書いて見たいと思います。Nobsound NS-01G Proは3,999円に対しharman kardon CA215は37,000円という販売価格ですので10倍くらいの価格差になります。結論から言うとNobsound NS-01G Proはコスパはめちゃめちゃ高いと思いますがオーディオ用のフルディスクリートアンプであるharman kardon CA215に対しての比較となるとやはり価格相応の差はあるなぁと思いました。

ラック上段の左側が中華デジタルアンプNobsound NS-01G Pro、右側がharman kardon CA215です。CA215はカーオーディオ用のパワーアンプになります。
中華デジタルアンプNobsound NS-01G Proの分解写真です。だいたい先回の測定で12V電源で7W+7W(8Ω)位出そうという事が分かりました。カタログに比べると大分盛っていますが24V電源であれば50W+50W出そうという事は分かりました。スピーカー出力付近にコイルとコンデンサによるフィルタが形成されていてデジタル波形をアナログに変換しています。回路的には至ってシンプルでデジタルアンプ用のチップセットを1つ実装しているようです。
こちらの写真は音の比較に使用したharman kardon CA215です。フルディスクリートで組まれたパワーアンプです。こちらは4chアンプでBTL出力のようです。デザインレイアウトもきれいにされていてこちらもシンプルながら音的に配慮された設計になっていると思います。出力は12V電源で12W+12W(4Ω)ということで恐らく中華デジタルアンプと実質的には同じくらいのパワーだと思います。

しかし、harman kardon CA215と比較すると歴然としてしまう所が出てきます。こっちの方が音の出方や鳴り方が自然に聴こえます。まぁCA215の価格は37,000円で10倍も違うのでは仕方ないかもしれませんね。NS-01Gの良いところは24Vまでかけられることでパワーは出そうです。

AC100V⇒DC24Vのスイッチング電源です。24Vの5Aという事で120Wの出力です。価格はAmazonで2,199円です。Nobsound NS-01G ProのDC12Vの入力端子にそのまま差し込めば簡単にパワーアップできます。これはデジタルアンプのメリットですね。

↑ 今回の音の確認に使用した24V電源です。

ノートPCの出力からFiiO K7 DESK TOP DACに接続しLINE OUTから中華デジタルアンプに接続します。アンプの出力は無負荷で49Vpp程度ありました。

これでどうやら35W(8Ω)くらい出そうです。6Ω負荷で47Wです。最近のデジタルアンプはロスが小さく電源効率が良くなっていそうです。内部のトランジスタのON抵抗が低いのと回路構成でしょうか。ロスが小さい回路は音の出方がダイレクトになりスピード感があるという経験則があります。スピーカーを駆動するときロスを介して駆動するのとロスが小さい状態で駆動するのとでは違ってくるのかなと思いました。

アナログの半導体アンプでは出力段が多段になっていてフルスイングしてもトランジスタのロス分は多少入ってきます。harman kardon CA215では出力段が多段のようですので少しロスっていると思いました。

■電源を12Vから24Vに変えた音の効果は?

12V電源の時はharman kardon CA215に比べると値段相応な所があるなぁというインプレッションでした。しかし、24V電源にすると予想に反して意外と落ち着いたマイルドな感じが出てきました。余裕があるというのでしょうか。勢いがあるのですが明瞭度も少し上がった感じです。これはどういう効果なんでしょうね。

トランジスタなどの増幅デバイスは決められた定格電圧があってその定格電圧の範囲で使用するわけですが定格電圧によって一番音が良い電圧があるようです。定格電圧が高いトランジスタは電圧も高い方が音の良さが出るのではないかと考えています。

マイケルジャクソンの『This is it』の『ビリージーン』を聴いて見ます。ダンスミュージックやポップスはデジタルアンプとの相性が良いようです。低音のビート感が楽しめますね。それから出力を上げても結構ガンガン鳴らせます。ただ、やっぱり中高音から高音にかけてはharman kardon CA215のような綺麗さや透明感といった感じが出ないのでそれなりという感じです。ここは電源を変えても傾向は変わらないようです。

中華デジタルアンプの分解写真ですがこれは裏面から見た写真です。パターンはパワー電源といった感じでデジタルアンプっぽいです。しかし外観や手に触れるパーツをおごった反動で中身の音質に関するパーツにはお金をかけられなかったのでしょうね。これは流石に仕方ないかも。

■デジタルアンプは音的にどうなのか?

デジタルアンプの進歩は目覚ましいものが有ると思いました。他のチップセットですが回路を見ましたが1チップですべての機能が完結しています。これでそこそこの性能が出てしまうんですね。デジタルアンプの採用はテレビや一般のオーディオにも普及してきていてAVアンプの採用も多いようです。その為、デジタルアンプだから音が悪いとは一概に言えなくなっていると思います。以前は回路的にも技術や部品の性能が要求に追いついていなくて音も良くなかったと思います。事実、現在の高級機に使用されているデジタルアンプも原理的には同じで安価なモデルとの違いは周辺部品や電源周りといった所になってきていると推測します。Nobsound NS-01Gは音的な改善は殆どできていないのでは?と思います。値段的に無理なのかもしれません。また、技術的なノウハウが足りていないのか盛り込めなかったのかその辺は良く分かりませんでした。

まてよ、それならNobsound NS-01Gでも周辺回路をいじることで音的に改善できるかもしれないと思いました。改造が出来そうと思って購入した点もありますので何か改造できそうか考えてみたいと思います。改造は出来そうと思いましたがケースが小さいのでパーツによっては取り付けられないので工夫が必要そうですね。

Nobsound NS-01Gと付属の12V電源から24Vにパワーアップして聴く組み合わせは全然ありだと思います。パワーも出てビートが効いているポップスには向いていると思います。

■改造してみよう!

Nobsound NS-01G Proはコスパはめちゃめちゃ高いと思いますがオーディオ用のフルディスクリートアンプであるharman kardon CA215に対しての比較となるとやはり価格相応の差はあるなぁと思いました。しかし、よく考えるとデジタルアンプはAVアンプやテレビなど普通に使用されるようになってきていますので音をよくしようと思えばできるのではと思いました。3,999円では音をよくしたいにも限界がありそうですもんね。今回は電源に使用される電解コンデンサのパーツを交換してみましたので音の変化などを記事にしたいと思います。結論から言うと中高音の気になっていた点が改善されてよりオーディオ的な雰囲気になったなーという感じでした。

分解した写真ですが中身は真っ当なデジタルアンプです。チップセットは不明ですが1チップのようです。基本的には高級機でもデジタルアンプは同じような回路構成を使用していると推測します。
出力のコイルとかコンデンサあたりはフィルタになっているので中高音の音に効きそうですが・・・スペースが無いのと交換部品が外しにくそうなのでやめておこうとおもいます。まぁコテも今2本持っていないので残念ながら出来ないです。簡単そうなのは部品で一番大きい電解コンデンサですね。

■改造するぞー

このデジタルアンプは省スペースなので部品間隔などあまり余裕がありません。その為、誰でもチャレンジできそうな部品交換で音がどうなるか見てみようと思いました。もし興味がある方がいたら部品名も書いておきましたのでチャレンジして見て下さい。(自己責任ですよー)デジタルアンプは基本的にこの手は使えるのではないかと思いますので他のデジタルアンプをお持ちの方は遊んでみてもいいと思います。

上の分解写真と見比べて見て下さい。上の写真が最初についていた電解コンデンサ(黒)です。
電解コンデンサを交換するときは基本的に電源電圧の定格と容量と温度定格を確認して同じ値に変更します。

最初に使用していたコンデンサはメーカー型番不明の25V/1000μF/105℃でした。電解コンデンサは直径φ径と高さも確認しておきます。メーカーや型番によって同じ定格でもサイズが違うときがあります。
あとこれが最も注意することですが電解コンデンサには極性があってプラスとマイナスがあります。

電解コンデンサのプラスとマイナスを確認して最初に接続されていた極性の通りに半田付けしてください。間違えると爆発(実際は爆発しないですが電解コンデンサの上側にある防爆弁が開いて破損します)します。爆発というより少し煙が出るという感じですが、大型のコンデンサだと結構びっくりします。(体験者)

ネットで購入できる電解コンデンサですと日本ケミコンさん、ニチコンさん、東信工業さん、ルビコンさんなどのメーカーから購入できそうです。海外メーカーも含めると沢山ありすぎてどれが良いか分からなくなりますが、まずは日本製のなじみのあるメーカーさんが良いと思いましたので日本ケミコンさんの25V/1000μF/105℃でEKMG250ELL102MJ20Sを2本購入して交換してみます。

↓こちらが今回購入した日本ケミコンさんの電解コンデンサです。

オーディオ用の電解コンデンサと銘打ってある製品もありますが、どの辺がオーディオ用に作られたのか良く分からない製品もあるのでまずはそのメーカーの一般的な製品を使用するのが良いのではないかと思います。

■音の変化は?

さあ、電源投入してみたいと思います。電解コンデンサの極性は見ていますがいつも一番緊張しますね。壊したことも多々ありますので・・・。音が出てきました。大丈夫そうです!

実はここは中高音にはあまり関係ないかなと思っていましたが意外にも低音から中高音まで音の統一感が出てきました。だいぶオーディオ的になる感じで音もふくよかな感じになりますねー。これは中々いいです。でも、ちょっとおっとりしている感じがありますね。良く言うと落ち着いた、悪く言うとスピード感が減った・・・ですが。スピード感に関してはこれくらいでもいいかなぁ。元々あるので。なんだろう、エージングしてみようかな・・・という事で暫く鳴らして見たいと思います。

電解コンデンサのチョイスですがメーカーによる音の差もありますし、直径や高さでも音の傾向が変わってきます。同じ容量でも小型品といわれるサイズ重視の電解コンデンサもありますがあまりよくなかった記憶があります。オーディオ的には性能やサイズをあまりにも重視した製品は良くなかった記憶があります。だんだん自然な感じが無くなっていくんですよね。後、元々の設計が問題があると部品をいくらいいものにしてもダメですね。その点このデジタルアンプはまだ改善の余地がありそうに思いました。

■その他の改造について

デジタルアンプで気になるのはデジタルノイズですが今のデジタルアンプはノイズ低減の工夫がされているかもしれませんがノイズとの闘いだったと記憶しています。ノイズが乗ると音がノイズっぽく曇った感じになって音の見晴らしも悪くなります。ただ、残留ノイズが分かるような計測器も手持ちにありませんのでここは対策は難しそうです。ノイズ対策も色々な考え方があって、最低限の変更箇所で音の良さを失わないように対策する方法もありますし、完璧に対策して性能を上げる方法もあります。

どこまでやるか、どう対策するかは腕の見せ所だと思います。

『NS-01Gくん』あのー、なんか腕のロケットパンチが改造されてドリルパンチに替わっているんだけど!
『manotch』そうそう、パーツを交換してパワーアップしてみようと思って。
『NS-01Gくん』確かにパワーアップしたような気が。
『manotch』はじめの一歩でもあったじゃん。コークスクリューパンチ!!ハートブレイクショット!!パンチに回転を加えることで破壊力が増すという。それにロケットパンチよりドリルパンチの方が時代的に新しい感じがするし。音的にも良くなったと思うよ。
『NS-01Gくん』そうなるともっと良くしたいなー。色々なパーツがあるみたいじゃん!
『manotch』そうだなー次はやっぱり目からビームが出るようにしようかな。
『NS-01Gくん』・・・もうちょと何かない?

■総括

中華デジタルアンプNobsound NS-01G Proですが面白いアイテムだと思います。なによりコストが安い!3,999円!これにつきますね。オーディオを趣味で始めようというかたにはうってつけの入門機でしょうね。今はこういうデジタルアンプから入る選択肢もあったんだという感じです。最初から高いのを購入してもいいですがこれで良ければこれで良いし、改造の道に入っても良いでしょうし。まぁ出力が50W+50Wとれるというのは盛りすぎだと思いますが、それでも一般的な家庭でガンガン鳴らせるというのは良いと思いました。まぁ価格相応という所もありますのでレビューを参考にして見て下さい。

今回のレビューは中華デジタルアンプ Nobsound NS-01G Proでした。最後までお読みいただきありがとうございました!

↓今回購入した製品はこちらになります。遊べます!

↓出力電力を50Wまで上げようと思ったら24V電源を別途購入する必要があります。電解コンデンサはデフォルトで25Vを使用しているのでぎりぎりですが定格にはマージンがあるので大丈夫かな。余裕のある感じの音になります。

まった来てねー。

【後日談】その後の顛末は、下のカテゴリーから見てくださいね。

By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。