真空管アンプはデザイン良いですよね。前回に引き続きNobsound社になりますが中華デジタルアンプのレビューで中身を分解したり音を聴いて見てこれは中々良さそうじゃんという事でヘッドホンアンプの方も興味がわいて購入することにしました!結論から言うとこれまたコスパ高いなー。です。球転がしで30球以上できるらしいので遊べそうです。

■NS-08Eちゃん登場!

『NS-08Eちゃん』てやーっ!なんでボクシングスタイルなんでしょうか?

真空管ヘッドホンアンプ Nobsound NS-08Eちゃん

『manotch』中低音にパンチがあるんでパンチ力を表現してみました。ベースのエネルギッシュな感じいいね。何か人間味あるな。半面高音出ないなぁー。球を変えたらいいのが見つかるかも!
『NS-08Eちゃん』誉め言葉ですよね!
『manotch』もちろんです。あー分解したい。
『NS-08Eちゃん』どきどき。

【後日談】NS-08EちゃんをAIイラストで擬人化しました!雰囲気は似ていますね。

■基本スペックは?

入力電圧:AC100-240V 50 / 60Hz 出力電圧:DC 6V 2000mA 出力電力:1100mW (32 ohm) アダプタヘッドフォンインピーダンス:18-600 ohm 全高調波歪み:0.005% SNR:110DB以上 周波数応答:20-30KHz 電源: 入力電圧:AC100-240V 50 / 60Hz 出力電圧:DC 6V / 2000mA 製品重量:185g 梱包重量:290g 梱包サイズ: 15 x 12 x 8.8 cm

現在は後継モデルが出ているようです。

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スペックを確認してみますが据え置き型の真空管ヘッドホンアンプという事でイヤホンやヘッドホンなど特にUSB DACなど出力インピーダンスが高くてドライブ力が足りていないなーという場合でも鳴らし切るような駆動力を期待して購入してみました。出力電圧がDC6Vとあったのである程度はドライブ力は期待できそうです。こればかりは価格が安いだけにどうなんでしょうね。さあ、聴いて見ましょう。

前回購入したNobsound 中華デジタルアンプの箱より大きいです。箱自体は同じデザインですね。ちょっと擦れていますが中身は問題ありませんでした。
箱を開梱してみました。同梱物は本体と電源、真空管が2本別に差し込んでありました。真空管は後で本体に差します。そういえば気が付いたのですがマニュアルや保証書がありません!特になくても操作は分かりますが無しというのは余り見かけたことがありません。appleの取説も初めて見たときは一枚のぺら紙だけで記載もホームページへのリンクのみで驚いたことがあります。その時はへぇー洗練されているなぁ、とか、割り切っているなーとか思ったものですがこれはappleの取説を超えています。

■鳴らすまでの手順は?

箱から本体と真空管など取り出しました。それでは真空管を差し込んで音を鳴らして見ましょう。真空管ソケットがありますのでピンを合わせて差し込みます。かなり力が要りますのでしっかり差し込みます。注意するのは方向性があることです。ピンが一か所間隔があいているので真空管ソケットとピンの間隔があいている箇所を合わせて差し込みます。途中で曲がらないように垂直に差し込んでいきます。
2本あるのは左右のチャンネルで1本づつだと思います。左右は同じ真空管なのでどちらをどちらに差し込んでも問題ないと思います。

こちらは裏面のパネルの写真です。左側にDC6Vの電源のコネクターを差し込みます。右側の赤いボタンは電源スイッチです。プッシュ式ですね。
真空管を差し込んだところです。QC PASSEDというシールが目につくようにフロントパネルに貼ってありますね。ふつうこんなところに貼らないですが面白いです。ちゃんと品質検査やってるよ!というアピールでしょうか。フロントパネルはゴールド仕上げでフロントパネルもボリュームノブもヘアラインが入っている凝りようです。Nobsound社は結構外観の良さにこだわっていますね。価格の割にはなかなかの質感です。がんばっているのではないでしょうか。フロントパネルはねじ止めしてありますが六角ネジなので分解できそうです。後で解析できそうですね。ムフフフ・・・。

【後記】QC Passedのシールの意味ですが分解するときにシールを外さないと六角レンチでネジが外せないんですよね。後で気が付きましたがケースを開けたかどうかが分かるためだと分かりました。


■電源投入!気になる点など

裏面にある赤い電源スイッチを入れてみます。真空管が光ります。下部が紫色に光って上側のフィラメントが赤く赤熱します。真空管は雰囲気があっていいですねー。何とも言えないカッコよさがあります。球によっても中身の構造が全然変わったりするんですよね。左のケーブルはイヤホンやヘッドホンを接続するオーディオ出力端子です。中央のケーブルはDACの出力やCDなどの信号を入力する入力端子です。

右側のつまみはボリュームで回していくとカチカチカチと少しクリック感のある感触で音量が上がります。結構いい質感です。Nobsoundはデザインや手に触れる箇所の質感にこだわっていますねー。

オーディオラックに入れて配線してみました。この真空管ヘッドホンアンプは高さが7センチくらい、横幅も7センチくらいなのでスペース的にはどこにでも置けそうです。写真はUSB DESK TOP DACのFiiO K7ですが横においてもサマになっていますね。電源をオンにするとボリュームの位置によってノイズが乗る所があるようです。入力に何もつながないと問題がありそうです。真空管ヘッドホンアンプの入力には必ずDAC出力や何らかのケーブルを配線しておいた方が良さそうです。私の環境ではボリュームの位置が10時のあたりが最もよかったです。そうするとノイズはほぼ聞こえなくなります。その代わりDACやノートパソコンなどのプレイヤー側でボリュームをコントロールする必要があります。

【後記】記事の後の方でLEDの足を切ってみたところボリュームを回してもノイズが乗らなくなったようです。LEDの影響だったのか・・・。LEDの配線を通してノイズを拾っていたようです。

sennheiser HD555を接続し、横に置いて見ました。小ささが良く分かると思います。

まずはイヤホンで聴いて見ることにしました。ノートパソコンのamazon musicをソースにしてFiiO DESK TOP DAC K7のPREOUTを真空管ヘッドホンアンプに接続しsennheiser ie300で聴いて見ます。

■音のファーストインプレッションは?

真空管は音がいいとかいいますね。300Bや2A3などの球で真空管アンプを自作したりして聴いて見ましたが半導体アンプに比べると確かにいいところをいっぱい持っていますね。個性的というか味があるというか音色の色付けといった所に魅力があるし、リアリティーやポテンシャルといった素の特性も半導体アンプを超えるところがあるなぁという感じがしています。

材料がシリコンかとかいった材料の違いから構造の違いもありますしプロセスも違いが多いので音も変わるのは多々あるかなとおもいます。一方半導体アンプにも真空管アンプにはない良さがあるんですけどね。それぞれの良さがあるとおもいます。この辺の違いは一体どこから来るのか機会があったら記事にしたいと思っています。

音に関しては冒頭でちらっとお話ししたのですが中低音にパンチがあって結構しっかりした音が出るなーという感じです。中低音が出るせいか半面高音が出ないなーという所だと思いました。

結束バンドの『青春コンプレックス』を聴いて見ます。ベースがエネルギッシュですね。これはいい。低音にパンチがあるのはエッジが効いているからでしょうね。押し出し感があります。

ボーカルも人間味がある感じで元気がいいです。全体的には高音出ない感じはバランスが低音よりに聴こえるだけで球を変えたり何らかの対応で直りそうな感じがしました。

これは買って良かった。面白いアイテムです。価格も安いし使い方さえ気を付ければ入門機になるでしょうね(オーディオ沼への)

↓今回購入した真空管ヘッドホンアンプはこれです。

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↓組み合わせで聴いたFiiO K7 DESK TOP DACです。実力機ですね。

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↓組み合わせで聴いたsennheiser ie300です。

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■球転がしについて

『manotch』しかし球の交換で音の変化が試せるといっても何がいいのか分からないなー。NS-08Eちゃんは球を外すとどうなるの?
『NS-08Eちゃん』死んじゃいます!

『manotch』そりゃまずいな。じゃあ、球を戻して差すとどうなるの?
『NS-08Eちゃん』生き返ります!
『manotch』そりゃ凄いや!

FFさんによると球を差し替えると人格が変わるとか。むぅ。面白い設定だぞ。

後日、真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08Eは球転がしが出来るという事で米国GE製5654Wという球を購入してみました。音はどう違うのでしょうね。家に何か真空管無かったっけ?という事で探したらロシア管6Ж1Пという球がありました。これも互換性があるようです。付け替えが楽しみですねー。

球転がし用に購入した球です。

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真空管の箱っていい味だしてますねー。ロシア管の箱はちょっと堅めの厚紙風ですが手書きで数字が書き込んであるんですよね。なんだろう連番かな。手触り感が良いです。その他は何も書いてないです。一方GEの箱は細かく番号とか書いてありますね。どちらもデザインはそっけないです。

中国のPSVANEの300Bの箱は高級感ありましたね。中国は商売上手ですね。ただ輸送中の扱いが悪いようで箱がいつも変形していましたが。

中国6J3,米国GE5654W、ロシア6Ж1Пを聴き比べてみたのですが6J3はマイクロフォニック音が結構出ます。マイクロフォニック音は真空管が増幅動作するときに外部から振動を受けるとその振動が増幅され音になって出てくる現象です。これが真空管の音の音色になっていると言われています。試しに真空管のガラスをたたいたり、製品本体をトントン叩いて見たりして下さい。ヘッドホンから何か音が聴こえたらそれがマイクロフォニック音です。

ん?どういう訳かサイズが他より大きいです。音的には6J3が好みかな。面白いのは北京って印字が有ることです。ブランドイメージ?マイクロフォニック音と音は関係あるかもしれないと思いました。6J3は音に色付けが乗る感じがしました。ロシア管はマイクロフォニック音が全然でないです。ガラス管の垂直方向に溝があって振動に強そうです。音は付帯音が小さくそっけない感じです。音は芯があってしっかりした感じですね。米国5654Wは高音もきれいで特性が良さそうでした。この音が好きな方は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。

『manotch』うーん、意外にも最初の球が好みだったな。面白味というかイメージがこれが一番このヘッドホンアンプに合うかなぁ。という訳で人格が変わるという設定はやめておこう・・・。

『NS-08Eちゃん』良かったというか、何というか。

■謎の解明。真空管は動作しているか?

真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08Eですが今回も謎だらけなので調べていきたいと思います。真空管がはったりで実はオペアンプのみで鳴っていないか?とかです。試しに真空管を外して鳴るか試して見ました。音は出なくなりました。良かった。ちゃんと真空管は動作しているようです!それからマイクロフォニック音が出るので振動を拾って増幅しているようです。

おや?真空管を外して気が付いたのですが真空管の下にLEDが光っているではないですか!真空管の下部が青白く光っているのは真空度が高いとかではないですね。これはLEDによる照明で良く言うとおしゃれなデザイン、悪く言うとはったりですね。しかしながらこの真空管の照明ですがカッコいいですねー。でもLEDは雑音が出るので音には悪いかもしれません。後で分解出来たらどうなっているか見てみたいと思います。中国のオーディオメーカーになぜ日本メーカーが苦戦するのかその謎も解けるかもしれません。

■特性はきちんと出ているか?

周波数特性と出力電圧がどれくらいか測定した所、周波数は10Hz-20KHz程度でていました。まずまずですね。出力電圧は電源電圧6.2V時に1KHzで5.7Vpp程度出ていましたので概ね問題なさそうです。
入力電圧は携帯のアプリから1.5Vpp程度入れて十分クリップするところまで出ましたのでゲインは3.8倍以上は出ていると思います。その為、増幅という点ではきちんと増幅していますし、回路の動作としては問題なさそうに思いました。別件ではったりの真空管アンプをリリースしていたという記事を読みました。中身を見ていないのでコメントは推測になるのですが人による配線があるような真空管アンプでは人為的なミスで間違えて接続することはありえるのかなぁと思います。音は出ていたんでしょうか?
そもそもはったりで作るのならこんな手の込んだ事をしても仕方がないと思いますが・・。まぁでもエンジニアに話を聴いて見ないことには真相は分からないですね。

こちらの真空管ヘッドホンアンプは基板に部品が実装されていて人為的に間違えるところは殆どないと思います。特性で見る限り真っ当な製品に思いました。

■ヘッドホンsennheiser HD660Sで鳴らして見る

真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08EですがHD660Sと組み合わせて聴いて見ます。HD660Sだと少し鳴らしにくい感じがありますね。先回の測定で電圧は結構出ていたので鳴るかなと思ったのですがドライブ能力的には物足りない感じです。何でそう思うかというと隣のKORG Nutubeと比較したからでFiiO K7の出力からKORG Nutube HA-Sに接続して聴いて見るとHA-Sの方が一枚上手の力強さがありますね。HA-Sは出力段はオペアンですがMUSEが乗っていたと思いますので出力段の差かなー。そうなるとNobsoundの回路構成が気になりますね。

MUSEは後、音場の表現が良いですねー。残響音や余韻がきれいでよく聞き取れます。この辺は価格相応かもしれません。まあ、どちらにせよNobsoundの謎は分解して見ることにしましょう。もしかするとオペアン変更できるかもしれませんし。そうなると音も良くなる可能性がありますね。あらまKORG さんとNutubeさんの公式からイイねが来てる。

■分解してみる!

お待ちかね!真空管ヘッドホンアンプNobsound NS-08Eを分解してみました!ぱっと見た感じはオペアンプ+真空管のようですが詳しい回路構成まで分からないですね。オペアンプは差し込んであるので交換できそうです。電源周りの部品配置はなんでこうなっているか今一つよく分かりません。向きを合わせただけかなぁ。時間が有ったら信号系の配線がどうなっているかパターンを追ってみたいと思います。と思いましたがレジストが黒塗装でパターンが追いにくいのでやめました。黒塗装はカッコいいですがパターンが見えないのが欠点ですね。

部品配置からオペアンプ+真空管アンプによる2段増幅回路のように見えます。オペアンプはシングルが2個使いのようですがメーカーは分かりませんでした。オペアンプはソケットに差し込んであり差し替えできそうです。今回は球転がししたので良しとしましょう。(オペアン沼未経験者のため)

■LED照明について

LED照明は綺麗でおしゃれなんですが真空管の下にあるのは良くなさそうということで足をカットしてみました。LEDはノイズが出るので対策しないとノイズっぽい感じの音になります。カットしたらかなり良くなったように思います。

真ん中に見えるのがLEDの配線です。足が2本づつ出ていて半田付けされていますのでニッパで切ってしまいます。こんなところにLEDがあったとは。白色LEDのようですが青白く光るのは何でかな。

LEDを消した効果としては音の見通しが良くなってSN感も良くなりました。高音が出ないのは相変わらずなのですがスーっと自然に伸びている感じになりました。これはいいですね。Nobsoundは伸びしろがあるかもしれません。LEDが消えると問題はせっかくおしゃれだった感じが減ったことですがこの外観が本来という事で良しとしましょう。これはこれで自然な感じなのでいいんじゃないでしょうか。

■総括

真空管ヘッドホンアンプNobsoundですが良いところありますね。音が割としっかり出てきます。フロントパネルが多分アルミで5mm厚くらいあります。機構的にしっかりしているのでそういう所が効いているのかな。やわやわな機構だと低音がしっかり出てこなくて苦労した記憶があります。価格が安いのがいいですね。サイズも小さいしデザインも良いので部屋においてインテリアとしても良さそうです。LEDの足をカットするのは音的には良いと思いますがデザインとの兼ね合いで検討して見て下さい。面白いアイテムだと思います。今回はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました!

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【後日談】その後、真空管ヘッドホンアンプにはまっていくつか購入してしまいました。参考になれば幸いです。真空管ヘッドホンアンプのリンクを見てくださいね。

By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。