今回の記事には間違いがあることを指摘されましたので訂正させていただきます。誤解を招きまして申し訳ありません。文面は残してありますが指摘されたポイントについて【訂正】という形で追記しています。まだおかしいところが有ればご指摘いただければ幸いです。
過去投稿した記事については以下文面からとなります。
↓↓↓↓
先日、ブログの記事でケーブルの音質って人間の耳が聞こえる可聴帯域である20KHzまでの周波数測定をしてもごく僅かな特性差しかないから人間の耳では感知できないという話があり、それが本当かどうか検証してみました。
そこで音質がわざと悪くなるようにして独自に実験した結果ではケーブルの位置や配線経路でも明らかに音質が変わったことを検証する事が出来たと思います。
個人的な見解ですが、『ケーブルの音質は変わる。変化が分かるかは程度問題』です。
おかげさまでこの記事は多くの方に反響を頂きました。
経緯について下記に纏めましたので興味のある方はご覧くださいね。
目次
■人間の耳は20KHzまでしか聞こえない?
さて、本日のお題は『人間の耳は20KHzまでしか聞こえないは本当か?』です。
多くの専門家の方が実験し、証言しているので定説になっていますがそれって本当でしょうか?周波数測定で音を高くしていくとだんだん聞き取れなくなる周波数があります。大体10KHz~16KHzくらいで聞こえなくなることが多いようです。
個人的な見解ですが、実験の結果から出した結論は『人間の耳が20KHzまでしか聞こえないのは単純な正弦波の音。音楽のような複雑な音は何らかの形で聞こえている可能性がある』です。
【訂正】
諸説あるようですが、20KHzまでしか聞こえないという話は大分古い話で信号レベルを大きくした状態であれば24KHzまで聞こえるという話もあるそうです。それ以上の周波数ではハイパーソニックエフェクトという効果があるといわれているそうです。※受け売りですみません。
今日はそれを実験で音を再生しながら検証してみたいと思います。
■発端。ハイレゾ音源は人間の耳に聞こえないので20KHz以上が再生できても意味がない?
最近流行しているハイレゾ音源では44KHzとか96KHzといったような可聴帯域を超えたスペックになっています。それは従来の20KHzまでの再生しかできないオーディオに比べてアドバンテージがあるからだと思うのですが、確かに人間には聞こえないような周波数成分を持つ音楽を再生して何が意味があるのか?その点、もう一つしっくりしない状況でした。
サンプリング周波数が上がることはアナログ波形のようにだんだん滑らかになるイメージです。そのため周波数が上がるほど高音質になりそうです。しかし本当にそれだけでしょうか。
もしかすると人間の耳が20KHz以上の周波数でも聞きとれる能力があり、音の良しあしを判断している可能性はないでしょうか。そう考えるとうまく説明がつくような気もします。しかし、世の中の定説はそうではありません。
そこで、まずは人間の耳が20KHz以上の周波数は聞き取れないか?という事を確認しようと思います。
下記の写真はWaveGeneという波形再生ソフトです。こちらのソフトを使う事で正弦波、矩形波など各種形状の信号を再生できるという便利なソフトです。製作者に感謝ですね。
【訂正】
WaveGeneというソフトの設定ですがデフォルトですと可聴帯にノイズが出る仕様となっているようです。そのため20KHzの矩形波という設定にしても可聴帯で聞こえてしまいます。それを勘違いして20KHzでも聞こえると誤解して記事にしてしまいました。帯域制限のプルダウンメニューから『なし』以外を選択すると可聴帯にノイズが出ないようになります。この状態にすると20KHzの矩形波など各種形状の波形でも聞き取る事が出来ませんでした。結果としては正弦波で14KHz,矩形波などの正弦波以外の波形でも14KHzまでしか聞き取れませんでした。
起動した画面ですがwave1~wave4まであり信号の合成も出来る仕様です。最初にwav w1のみ、サイン波(正弦波)を選択します。後は画面のように設定しました。
■何KHzまで聞こえるかチェックしてみよう!(テスト用WAVあり)
さて、自分の耳は何KHzまで聞こえるかテストしてみます。まずは96KHz,32bit録音で1KHzの音を再生します。注意すべきは自分の再生系がどの周波数まで対応できるかという事です。こちらの再生系はFiiO K7 DACのヘッドホン出力にゼンハイザーHD660Sを接続して聞いています。WAV音声の方はZoom H4 essentialで96KHz32bitでソフトの信号を録音したものです。
K7仕様
USB:PCM 384kHz/32bit
RCA同軸:PCM 192kHz/24bit
HD660S仕様
周波数特性:10 ~ 41,000 Hz(-10 dB)
これなら20KHzまでの再生は出来そうです。
【1KHz】最初は無音で3秒後くらいから鳴ります。ピーっという音です。聞くときは少しづつ音量を上げて適正なボリュームで聴いてください。エラーが出てうまく再生できない場合はリロードしてみてください。
【5KHz】1KHzより大分甲高い音です。ちょっとうるさい感じですね。
【10KHz】この辺になると音というよりキーンという感じになってきます。
【12.5KHz】この辺になると聞こえる方と聞こえない方がいそうです。聞こえるでしょうか。
【16KHz】この辺が人間の聞こえる限界の周波数のようです。
【20KHz】一応アップしましたが、聞こえる方がいましたら教えてくださいね。聞こえたら超人?
PCでソフトの周波数設定を少しづつ変えて聞いた感じでは14.5KHzくらいまで聞こえました。周波数が上がってくると鳴っているか鳴っていないか分からない感じです。
それと、再生系によっても聞こえ方に差が出るのかもしれません。ちなみにZOOM H4で録音した音をモニター端子から再生しながら聞くと16KHzでも聞こえました。音量を上げると分かりやすいです。しかし耳にはよくないかもしれないのでお勧めは出来ないです。この辺は他の方にも聞いて見て感想を聞きたいですね。
アレ?そうなるとハイレゾ音楽は意味がない?
確かに人間の耳が20KHz以上の周波数では聞き取れないか?という点については実証できたように思います。でも実はこれは一般的に行われている正弦波の信号での結果なんですよね。
■20KHzまでしか聞こえないのは単純な正弦波の音。音楽のような複雑な音は何らかの形で聞こえている可能性がある(動画,WAVあり)
しかし、測定方法に問題があって人間の耳が聞き取れない可能性もあるように思いましたので信号の波形を正弦波ではなく方形波や三角波、パルス波形といった複雑な形状の波形をソフトで再生してみることにしました。
【サイン波】写真中央のオシロスコープに注目してください。この波形は正弦波とも呼ばれます。オーディオの測定は基本的にこの正弦波を入力して性能を確認します。ただし、正弦波というのは特徴のない音なので人間は歪とか信号レベル差とかが多少あっても気が付きにくいようです。
【矩形波】正弦波と異なり四角い波形です。単一の周波数ではなく複数の高い周波数の信号が集まるとこういう波形になるようです。複雑な波形と言えます。元の信号は奇麗な矩形ですがスピーカーの出力をモニターしていますのでこのような信号形状になるようです。
【三角波】文字通り三角形の波形です。複数の波形の集まりですので複雑な波形と言えます。
【のこぎり波】のこぎりのような波形です。こちらも複雑な波形です。
【パルス波】時々、ぴょこんと上に飛び出す波形です。これは単一な周波数かな。ただし上下非対称なので正弦波とは異なる波形と言えそうです。
それではいよいよ実測と音の確認です。ソフトのボタンから正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波、パルス波というように順番に再生した音をiPhoneで録音し、スピーカー(FOSTEX FE83NV2)で再生したのがこちらの動画になります。
全て再生した信号の周波数は20KHzです。
タイムチャート
0:00~0:07 無音
0:07~0:18 20KHz 正弦波(サイン波)
0:18~0:24 20KHz 矩形波
0:24~0:30 20KHz 三角波
0:30~0:34 20KHz のこぎり波
0:34~0:39 20KHz パルス波(+)
0:39~0:42 20KHz パルス波(+-)
0:42~0:48 20KHz 正弦波(サイン波)
0:48~0:57 無音
それぞれの波形の様子はソフトウエアのプルダウンメニューで選んでいる動画からも確認できますよ。
■総括
如何でしたでしょうか。
20KHzの正弦波では何も聞こえませんが20KHzの矩形波、三角波、のこぎり波、パルス波は歪んだ感じの音が確かに聞こえると思います。これってどういう現象なんでしょう?複数の周波数が合成された複雑な信号を再生しているので混変調歪と呼ばれる歪のたぐいかもしれません。この辺は試したことがない領域です。なので詳しいエンジニアに意見を聞いて見たいところです。
【訂正】
詳しいエンジニアの方々にお話を聞く事が出来ましたので誤りに気が付く事が出来ました。ご指摘ありがとうございました。
20KHz以上の音を人間は聞き取れない訳ではなく再生する信号の波形、再生方法によっては耳で聞こえるようです。
検証した結果からの個人的な見解ですが今のところ下記になります。
『人間の耳は20KHzまでしか聞こえない』
ではなく、
『人間の耳が20KHzまでしか聞こえないのは単純な正弦波の音。音楽のような複雑な音は20KHz以上でも何らかの形で聞こえている可能性がある』
ヘッドホンでこの現象を確認しましたし、イヤホン(ゼンハイザーIE600)でも聞き取る事が出来ました。こちらもハイレゾの周波数帯に対応可能なモデルです。
もしかすると複雑な信号波形を入力するとヘッドホンなどの振動板に一種の共振が起きて可視聴帯域の音になるのかもしれません。しかし、オシロで見た波形はまぎれもなく20KHzの周期をもった信号波形でした。そうなると20KHzを超えた音楽の信号も音質に変化として出ることがあるのかもしれませんね。
これはもう少し検証する必要がありそうですが、従来の説に一石を投じる実験になったのではないかと思います。
【訂正】
全く一石を投じていませんでした。誤解を招くような記事を投稿してしまい申し訳ありません。精進します。
今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。
■おまけ
今回録音に使用したzoom H4 essentialですが96KHz,32bit録音ができるという事で購入しましたがこれは良い出来ですねー。値段も手頃だし音も凄くいいです。技術の進歩を感じます。機会があったらレビューしますね。
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