真空管ヘッドホンアンプKOAG HA-Sですがバッテリーを切り忘れるのでACアダプターを購入して電源供給して見ることにしました。総集編、後日談付きを公開しました。まとめ読みできます。擬人化イラストなど脱線の多い内容で盛りだくさん。
■ACアダプターから電源を供給する方法は?
下の図はHA-Sの実装図ですが電源周りは書いていないので大体こんな感じですよ、という参考写真です。電源は3Vで写真でいうと1.5V×2の所です。ここに単三電池を2本入れています。回路図を見ると左の赤いスイッチが電源スイッチでプラス側をON/OFFしています。
そうするとACアダプターを3Vのものを購入するとしてどこに接続するかですが、実装写真を見ると電源の3V系電解コンデンサが右下にありますのでできればそこに接続したいところです。アンプの場合はどこに電源供給のポイントを持ってくるかは重要で、基本的には電源のコンデンサを経由して供給するのが良いと思います。そうしないとそもそも電源のコンデンサを入れる意味がありません。ただ、そうするとACアダプターの電源はスイッチを通さないので常に電源が入りっぱなしになってしまいます。
ACアダプターならバッテリー切れにならないですが常に電源ONというのもイマイチです。真空管もつきっぱなしになってしまいますし、寿命もありますので。
最初からついている赤色の電源スイッチを介して配線すればよいのですが結局、1.5V×2の電源ボックスの電池が接続されるバネの所に接続するのが良さそうです。これなら誰でも改造しやすいですね。3V系の電解コンデンサとは離れてしまうので理想的ではないですが、電解コンデンサを経由してアンプに電源供給されるので接続は、まあ良いかなと思います。
上の写真でいうと3V電源GNDの所に電池を接続したいです。しかし、はんだ付けできるランドの大きさが小さいのでケーブルを接続しても引っ張ると簡単にはがれてしまいそうで難しいかな。
上の写真ですと2か所オシロスコープで接続している所があります。バッテリーケースのバネの所です。ここにAC100V-DC3VのACアダプターを接続して半田付けしました。ACアダプターはコネクター接続の所はニッパで切ってしまいます。そしてリード線の被覆を剝いてバッテリーケースのバネの所に半田付けします。プラスマイナスとかは間違えないようにテスターで確認しておきます。
写真の製品名はSUCCUL ACアダプター 3V 1A 大手メーカーOEM社製品 センタープラス スイッチング式 最大出力3W 出力プラグ外径5.5mm(内径2.1mm)PSE取得品・・・です。・・・がKOAG HA-Sにはお勧めできないです。実験が好きな方の人柱用です!ヘッドホンアンプに接続した所、時々起動せず電源が入らない時がありました。ヘッドホンの電源が入らないのは使い方にも問題かもしれませんが負荷によって電源が入らないのでは使えませんね。残念。
■ACアダプターの音は?
以前、デジタルアンプでACアダプターを接続して聴いたときは中々良かったので今回もいけるかな?と思いましたが今回のACアダプターはちょっと問題がありました。
スイッチング電源ですがどうもノイズっぽい音です。ノイズっぽい音というのは音場の見通しが悪くてSN感が悪い、・・・というときに私は使っています。昨今のデジタル機器ではノイズ対策は重要になりそうですね。オシロで見たら3Vに15KHz,20mVくらいのリップルが乗っているようです。これはダメかも。
ACアダプターは非常に多くのメーカーから供給されていますがピンキリかもしれませんね。それから電源容量も効いているかもしれません。以前購入したACアダプターは75Wとか120Wなどアンプの出力に見合った電源容量で出力に余裕がありました。しかし今回のACアダプターは3V/1A(3W)という電源容量でヘッドホンアンプの出力はそれほど何Wも出るものではないので大丈夫かなと思ったのですが、さすがにプアーだったようです。
オシロをDCレンジで見ると3Vラインに・・・ん?何かノイズが乗っているような。
オシロでACレンジにしてノイズを拡大するとこんな感じのノイズが乗っていました。15.5KHzなので耳には聞こえないかもしれません。しかし、人間の耳はどういう訳か聞こえなくても感じ取れるような領域がある気がします。聞こえる=耳で認識できる。聞こえない=分からない・・・ではなく何となく嫌な音、何となく耳触りが悪い・・・・。音が曇った感じがする・・・というイメージです。それでないと音の変化がなぜあるのか説明がつかないからです。
ACアダプターの良いところは小型で軽量で出力も電池に比べて出しやすいという所にあると思います。電池で50Wも100Wもとれると思えません。出来たとしても電池容量がないのですぐに無くなってしまいますね。そういう訳でデジタルアンプなど小型軽量で出力を出したい用途には向いていると思いました。
ヘッドホンアンプですとノイズは結構気になりますので電池駆動の方が向いている気がしてきました。ヘッドホンアンプで電池が良く使われるのも納得できます。
■単一電池を接続して聴いて見る
そこで電源をACアダプターをやめて単一電池×2本に変更してみました。元の単三電池より単一の方が音が好みです。なんというかゆったりとして音がきれいに聞こえる感じです。
単三電池は高性能といった感じで密度感があっていいのですがちょっと力が入った音に聴こえます。あくまで比較するとこんな感じということでそれほど大きく変わるという事ではないです。それでも電池による差というのはある一定の傾向があるように思いますね。
今回の試聴に使用しているの組み立てるだけのキットです。はんだ付けまで必要なキットも別売されています。その代わり安価になっています。
リファレンスに使用したヘッドホンです。モニター系で音のメリハリが出るBEYEARDYNAMIC DT990PROです。
■単一電池を2本並列にして内部抵抗を小さくしてみる
真空管ヘッドホンアンプKOAG HA-S の単一電池駆動ですが2本づつ並列に接続して内部抵抗を下げたらどうなるか聴いて見ました。音の出方はこちらの方が好みかな。ボーカルが太くなり低音にも余裕が出る感じです。・・・とは言え並列にするほどメリットがあるように思えませんでした。デメリットの方が大きそうで電池間で電流が流れてしまいそうなのでやめておこうと思います。右は次に聴こうと思っている水素ニッケル電池です。
しかし電池沼というかキリがなくなりそうなのでどこかで歯止めをかけようかと思います。
もう音的には十分満足な所まで来ているので。 とか言いつつ、ACアダプターにもリニア電源があるそうでそちらも面白そうだなー。フォロワーさんに教えていただいた小型の鉛蓄電池も面白そうですし。チャプチャプ。(沼の音)
今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました!
amazonで販売しているKOAG HA-Sは、はんだを使わずねじ止めなどを組み立てるだけのキットと半田付けを使って部品も実装して組み立てるキットの2種類があります。半田付けからやるキットの方が安価ですね。
にほんブログ村
ブログランキングに参加しました。ぽちっと応援してくださいね!