こんにちは、manotchです。今日のお題は『歪率が同じなら音質は同じか?』です。フォロワーさんに教えてもらったJEITAのページに面白いグラフがあったので転載します。今日もアンプ4人衆に登場してもらいましょう。

【後日談】その後、まとめとして『アンプで音質は変わらない』は本当か?保存版をブログに投稿しました。興味がある方はご覧くださいね!

『NS08Eちゃん』はいはいはーい、質問。JEITAって何ですかー?
『manotch』IT・エレクトロニクス産業を担う国内最大の業界団体だってさ。オーディオ機器だと周波数特性とか歪特性とかの測定はこうやってやるんだよーとか測定の規格を公開している。オーディオのカタログにスペックが書いてあってJEITAと書いてあればJEITAの測定方法に基づいて測定したっていう事になる。JEITAのお墨付きってことだね。どのメーカーも同じ測定方法で測定するから一定の比較がしやすいと思うよ。逆に何も記載がないときはスペックの根拠は良く分からない。

『NE08Eちゃん』私の場合『ぜんこうちょうはひずみ』と書いてあるけどJEITAの記載はないわ。
『manotch』その場合はJEITAで測定しているかもしれないし、メーカーの独自基準かもしれないし良く分からないという事になる。

■歪率=音質とは言えない

『manoch』さて、JEITAさんのホームページを見るとひずみの規格について閲覧が出来る。興味がある方は見てね。

https://jeita.or.jp/cgi-bin/standard/list.cgi?cateid=1&subcateid=2… のCP-1301A参照

『NS-01G君』manotch。このグラフの見方を教えてよー。
『manotch』横軸はオーディオアンプの出力で右側に行くほど出力が大きくなる。縦軸は歪率で上に行くほど出力信号の歪が大きい。この『総合ひずみ率特性 THD+N』はオーディオアンプの特性を示すグラフとしてよく使われる。

『NS-01G君』うーん、後はグラフの線が3本あるけど何?
『manotch』入力に入れる信号の周波数だよ。20Hzは低域でドラムとか低い音。1KHzは人の声とか真ん中の音。20KHzだとシンバルとか高い音。周波数によって歪率が異なる事が多いから周波数を振って測定する。歪率は基本的に出力の大きさや周波数、回路やパターンでグラフは変わるからアンプが変わったら特性を同じにすることは至難の業だろうね。
『NS-01G君』自分のカタログにはそういったグラフは載ってないや(´・ω・`)
『manotch』普通、オーディオメーカーはここまで公開していないよ。検討に使っている。このグラフは突っ込みどころがいくつかあるけど割愛(苦笑)

オーディオアンプの歪(カタログ値)は赤丸の最もひずみが小さい部分のみを指すようです。歪率のカーブはアンプによっても様々です。歪率(カタログ値)が同じ2つのアンプでも音質が異なる場合がある分かりやすい事例だと思います。

個人的な見解ですが歪率(カタログ値)はアンプの音質のほんの一部分を表現しているに過ぎないと思います。歪率のいい所しか載せていないメーカーも多々ありますね。

『HA-S少佐』見える。見えるぞ。オーディオアンプの特性が。そこしか見ていないようなカタログの歪率で音質が語れるわけないのだよ。

『CA215さん』本当は歪率の悪い所やおかしい所が問題なのね。
『manotch』そういう事。でも、カタログにそんなの載せられないだろ(汗)
『manotch』ただ、そういう歪率のグラフが良く出来たからと言って一概に音質が良いわけではないという事も分かってきている。歪率はどちらかというと設計に問題がないかとか品質を一定にするための目安として有用だと思う。歪率のグラフがいつもと違うときは何か問題がある。

■スペック競争の弊害(低歪率)

オーディオアンプのスペック重視の弊害 にも触れておこうと思います。オーディオアンプの新製品が出るたびに今回は歪率何パーセントを実現したとか言っていますがそれってどういうことか?見ていきます。

『manotch』オーディオアンプをお持ちの方は一度カタログなんかで見てほしい。例えば某有名メーカーのスペックを見てみると下記になっている。THD+Nは歪とノイズを合わせた値でTotal Harmonic Distortion + Noise(全高調波歪み率+雑音)特性」と呼ばれている。

THD+N0.002%以下

『CA215さん』JEITAの規格でもないし、歪の周波数や出力レベルは分からない。どう見ればよいのかしら。
『manotch』このメーカーだと前のモデルは0.004%だったけど今回のモデルは0.002%に良くしたと言っている。でも、それって何を指すのか良く分からない。確かに歪率は基本的な特性だから何か良くなっている可能性はあるけどね。

『manotch』赤丸の一番歪の小さい部分しか載せていないメーカーも多い。赤丸の箇所がいかに小さいかを競っているようにも思える。『他は見なくていいの?』という気がするね。まぁ、まともなメーカーは一通り見ていると思うけど。
『CA215さん』カタログの歪率は参考程度に考えた方が良いってことね。
『manotch』そういう事。同じメーカーなら同じ指標で評価するだろうから以前と変わったら変更があったって事くらいは分かる。

■歪が小さいほど音質は良いか?

もう一つ、歪が小さいほど良いか?という点も面白いテーマです。

「歪みは小さいほど良いか?」という問いに対してどのような意見をお持ちですか?という質問を頂きました。

歪は小さい方が理想的だと思います。個人的な見解ですが歪が小さくなって音も良い(理屈と音の傾向があっている)のがベストだと思います。経験則だと音を悪くする要因があってそれを取り除いたときに歪率が良くなって音も良くなるという事がありましたがそういうのは良かったと思います。

歪は小さい方が恐らく売れるでしょうし、今回のモデルは歪が大きくなりましたが音質は良くなっています。と言っても信じてもらえないでしょう(苦笑)

アンプの特性が良くなってどれも音質は同じになっていると聞く事がありますがそれって本当でしょうか?カタログを見ても悪い所は書いてありません。静的な特性は一見どのアンプも同じように見えますがそれはカタログ上のほんの一部分の話。まだまだ進化の可能性があると思うのです。

【後日談】その後、まとめとして『アンプで音質は変わらない』は本当か?保存版をブログに投稿しました。興味がある方はご覧くださいね!

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。 開発経験DC~110GHz。