3,999円で100Wのオーディオアンプというびっくりアイテムです。Amazonさん見ると売れていますね。しかし、色々謎だらけ!ハイエンドオーディオが手に届かなくなりそうな昨今、ローコストで出来るだけ良い音で鳴らしたい!という方にぴったりな真っ当なデジタルアンプだと思います。音は?性能は本当に出るの?どうやって使っていったらいい?実際に購入して視聴しましたので様々な疑問に答えていきたいと思います!結論から言うとこれはコスパ高い!です。後、ローコストなので気軽に改造して遊べそうという点も個人的にはポイント高いです。

Nobsound NS-01G Pro徹底レビュー総集編です。まとめ読みできます。⇒https://audiocolumn.com/manga/1830/

■外観

今回レビューしたアップグレード版 Nobsound NS-01G Pro パワーアンプ bluetooth 5.0 100W アンプ スピーカー用 デジタルパワーアンプ HiFi オーディオ 電源付き (ブラック)です。スピーカー端子がごっつい!これはいいですねー。かなり太いケーブルでも接続できます。

■開梱!

梱包箱です。ちょっと擦れていますが中身は問題ありませんでした。
開梱した所です。付属品は取説と本体、スイッチング電源(12V-5A)、RCA-3.5mmケーブル、USB-A – MICRO USBケーブルです。これだけの内容で3,999円で採算性はとれるのか凄く疑問ですが取れているんでしょうね。安価に作る技術が凄いです。
幅8cm×奥行き7cm×高さ4cmくらいのコンパクトサイズです。これくらい小型だとちょっとしたスペースに置けますね。デスクトップにおいて使うのによいと思います。電源は大きいですね。この価格でよくここまで電源をおごれたなと思います。12V5Aと書いてあるので出力60Wですね。あれ?おかしいな100Wでないかも・・・。良くスペックを確認してみると100Wというのは50W+50Wで合計100Wという意味でした。まぁ、定格出力(一般的にずーっと出し続けられる出力)ではなくてある一定の短時間出せる最大出力という意味の表記方法もあるのでそういう事だと解釈しました。出力が出る条件が明記されていないのでこれが正しいとか間違っているとかは言えないと思います。ただ、出力的には結構ガンガン鳴らせると思いましたので特に不満はないです。

■音のファーストインプレッションは?

やはりとりあえず聴いて見たいのでFiiO K7 DESK TOP DACのPRE OUTにつないでNobsound NS-01G Proを経由し、スピーカーはKEF IQ30の組み合わせで聴いて見ます。電源をONするとポップ音が少し聞こえますがまあそれほど気にする大きさではないと思います。最初だけなので・・・。聴いた感じですがちょっとホワイトノイズはharman kardon CA215に比べると大きいです。その為、顔を近づけるとサーというノイズが少し聞こえます。離れればそこまで気になりません。

宇多田ヒカルの『BAD MODE』を聴いて見ます。デジタルアンプも進化しているようで低音のドラムやベースなどは勢いがあっていいですね。スピード感があります。デジタルアンプって低音の出方が軽くて量感がありますね。アナログアンプだと重厚な低音とか出しやすいのですが電源トランスの関係かもしれませんがこういった軽い出方の音が出ないんですよね。不思議ですが。

音量を上げていってもしっかり音が出ますね。ボーカルもまあまあです。これで3999円ですか・・・。凄いなぁ。おそらくオーディオに興味が無い方ならこれで十分という人も多いのでは?と思いました。

一方、高音の方は当たり障りのない感じです。もう少しきれいに鳴ってくれるといいので改善の余地がありそうです。艶やかさとか色気みたいなのが出るともう少しオーディオ的な感じが出てきていいのですがそれは高望みかもしれません。そこまでは無理かな。しかし、これで3999円かぁ。自分の感覚ではとてもこのコストで出来そうに思えません。部品代だけで3999円に行きそうです。コスパはめちゃめちゃ高いと思いました。これでは日本のメーカーはコストでは太刀打ちできないと思いました。

スピーカーケーブルを接続した所です。このスピーカーターミナルですがかなり太いケーブルが挿入できます。写真はカナレのケーブルを2芯づつパラレルで接続しましたがそれでも挿入できました。スピーカーターミナルがしっかりしていると太い線もしっかり締め付けられるのでイイですね。
アンプを接続するとこんな感じです。アンプが小型なので結構どこでも置けます。ただし、ボリュームが上側についているので上側が開放されていないとつまみが回せません。写真のように置く感じになります。

■ブルートゥース接続の音は?

これがまたこの価格で付いているのが凄いんですが携帯からブルートゥース接続でワイヤレスでアンプに電波を飛ばしてそこからはスピーカーに有線接続するという使い方が出来ます。これは面白いです。ただ、私のようにデスクトップに有線で接続できる場合はあまり活用方法が思いつきませんでした。有線の方が音は良いと思います。ブルートゥース接続だと有線より高音がこもった感じであまりよくありませんでした。ブルートゥース接続はスマホからペアリングで簡単に認識してすぐに音を出せましたので利便性は高いのですが、スピーカーが手が届かないような場所に有るばあいなど使えるシーンが限られると思いました。

■謎その一 中身はどうなっているのか?

それでは色々謎だらけ!の謎を見ていきたいと思います。試聴余りしていないような気がしますがまぁ分解しても元に戻せるよう分解すればいいですね!(結局後戻りできない所まで分解してしまいましたが・・・)さて、最初の謎はこのNosoundの中華デジタルアンプですが中身はどうなっているのか?です。中身を見たら設計の良しあしや音の秘密などが分かるかもしれません。購入した後で思ったのですがネジや六角で明らかにケースが外せて分解が容易なモデルを買えばよかったと思いました。

分解することで保証は効かなくなってしまいますのでくれぐれも自己責任でお願いします。

さて、フロントパネルとリアパネルですがネジらしいものが見当たりません。ネジはパネルに隠されていてパネルを取ればネジが出てきそうです。マイナスドライバーをパネルと筐体の隙間から入れて蓋を少しづつもち上げるようにしてパネルを外して見ます。

フロントパネルはこんな感じで外せました。パネルはプラスチックのパネルとシールを貼った組み合わせでシールでネジが隠されるようになっていました。そこで少し強引にパネルごと引っ張って外しました。ネジのある個所をカッターとかで切り取ればもう少し丁寧にフロントパネルが外せると思います。
リアパネルも同じように外します。スピーカー端子は基板に取り付けられていてメイン基板と垂直に立つよう半田付けされています。スピーカーの出力ラインは基板と基板で直でつながっています。スピーカーの配線が不要になるので合理的な設計だと思いました。
基板を取り出せました!ここまでが長かった。出力はフェライトのコイルとコンデンサによるフィルタが形成されているようです。中身は真っ当なデジタルアンプのようです。良かった!

■謎その二 50W+50W出るのか?

ヒートシンクが中央にありこれがデジタルアンプのICの放熱を行っていると思いますがサイズが小さくて2CM角くらいしかありません。デジタルアンプの効率がいくら良くても90%くらいでしょうから熱としては100W出力出来たら10Wくらいは放熱する必要があります。うーーん、ヒートシンクの大きさから言って10W常時発熱を放熱しきるのは難しそうです。やはり100W出力というのは一時的な最大出力のように思います。チップセットの情報が無いので何とも言えないのですが仕様書にこういう条件の時に100W出ると書いてあるその値をそのまま書いているように思います。所である程度ガンガン鳴らして見ましたが筐体の温度はそれほど上がりませんでした。その為、ある程度効率が良いデジタルアンプであり出力も50Wまでいかないにしてもある程度稼いでいると思いました。

その為、100Wというのはちょっと盛りすぎだとは思いますがコストパフォーマンスを考えるとそれも納得できてしまいました。

本日のレビューはNobsound NS-01G Proでした。最後までお読みいただきありがとうございました!

Nobsound NS-01G Pro徹底レビュー総集編です。まとめ読みできます。⇒https://audiocolumn.com/manga/1830/

By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。