こんにちは、manotchです。先回、超ローノイズ電源LT3045モジュールを動作させるまでを記事にしましたので実際にどうなのか測定してみたいと思います。見方はINとOUTでリップルノイズが低減しているかです。

下記の写真は一般的なACアダプターで出力は6V/3Aです。LT3045モジュールを通して6Vから5Vに定電圧化します。

■LT3045モジュール完成!

先回作成したLT3045モジュールですが動作は問題なさそうでしたので余分な接続は取り除いてシンプルにします。実験当初は下記の写真でDCプラグとか中継されていますが・・・。

プラグや配線を見直してダイレクトに接続できるようにします。

これで完成です!大分すっきりしました。

■ACアダプターのスイッチングノイズをカットできるか?

用意したACアダプターのスイッチングノイズを測定しておきます。6Vに対して70mV程度のリップルノイズが乗っています。周波数は25KHz程度ですね。ごく一般的だと思います。

さて、LT3045モジュールを通すとどうなるかというと・・。

黄色い線がリップルノイズですが先ほどのギザギザが殆どなくなり綺麗にノイズカット出来ていることが分かります。LT3045のノイズカットの周波数帯は~1MHzくらいまでなのでACアダプターの主要な25KHz程度の周波数はカット出来るようです。1MHz以上のノイズは通過しているかもしれません。細かい高周波ノイズは出ているようです。もう一段、高周波LCフィルターをいれると良いかもしれません。

■ACアダプター+LT3045超ローノイズ電源の音のインプレッション

ACアダプター+LT3045超ローノイズ電源の効果をLANハブで確認してみます。元々LANハブに付いていたACアダプターと比較すると歪やざらつき感のあった音が歪み感がとれ、聴きやすい音色になりました。これはいいですねー。LT3045の本来の使い方はこういう使い方だと思いました。実際、スイッチング電源とセットで定電圧化する製品がストロベリーリナックス社からリリースされていますしね。

LCフィルターのタイプに比べると電力ロスが大きいのが欠点ですが、確実にノイズカットしてくれるので中々良さそうです。個人的には低域の安定感がありスイッチング電源にありがちな歪み感がとれるのが良いと思います。ローノイズの効果でしょうか。音もよく聞き取れる感じです。音は細やかですが線が細いかなぁ。

それから、中高音から高音にかけては安定感が逆にデメリットとなり、ちょっと面白みに欠けるかもと思いました。悪い所が少なくなるが良い所も少なくなるような感じです。定電圧回路のような制御をかける系の回路を通すとあるあるな現象です。しかし、長時間聴いてみましたが疲れないしこういうかんじもアリかなと思いました。まとめると安価なスイッチング電源の後段に入れてノイズカットを目的として使うと効果あるなと思います。

■バッテリー電源とリニア電源+LT3045モジュールの特性

ここでLT3045モジュールのレギュレーション特性を測定してみました。

バッテリーの内部抵抗は計算値0.24Ω程度でしたが5本直列にすると1Ωを超えてきます。 一方LT3045モジュールは内部抵抗0.4~0.5Ω程度です。このことから激しく電流が変化するアプリケーションではバッテリー直は安定動作が難しいと推測します。 バッテリー+LT3045はバッテリーの音の良さと電圧の安定度を兼ねそろえているので良い結果が得られるかもしれませんね。

■WiiMProの電源に接続し超ローノイズ電源の効果を確認する

WiiMProにバッテリー+LT3045モジュールによる定電圧回路をつないで動作をオシロで確認してみます。黄色がバッテリーのリップル(入力側)で水色がLT3045のリップル(出力側)です。 バッテリーのリップルは不規則で大きいですが、WiiMの消費電流の変化が不規則だからだと推測します。 デジタル回路の挙動は良く分かりませんね。 一方、LT3045の出力はリップルがなく安定的な動作をしているように見えます。

バッテリー直派はバッテリー直のみずみずしい感じとかベールを脱いだようなダイレクトな感じが良いんだと思います。(私も)しかし、LT3045を介した定電圧回路にもいいところが有って低域の制動感や安定感といったものや細やかさもあるかなと思います。先ほどACアダプターと組み合わせて聴いたのですが基本的には似たようなイメージを持ちました。

FiiOさんとかデジタル回路に独立12系統のローノイズ定電圧電源!とか謳っていますがそういった意味で良さはあるんでしょうね。デジタル回路屋ではないのですが定電圧化&超ローノイズ化はやはり必要に思いました。

ところでWiiMProにバッテリー+LT3045モジュールを接続したとき、どうしてバッテリーの電源ラインにリップルノイズが発生するか?と投稿を見た方から質問が出たので原因を調べました。 抵抗を電源負荷にするとリップルが無くなりましたので原因はWiiMProの消費電流が変化するためだと分かりました。バッテリーには内部抵抗があり、消費電流の増加で電圧降下となりリップルノイズとなるようです。 そのため、バッテリー電源といえどもノイズに配慮する必要がありそうです。

抵抗を接続したときのようすです。不規則なリップルノイズは無くなっていますね。

■リチウムポリマー充電池と思ったら水素充電池だった

My New Gear. 単三×6本充電池セットお迎えしました。 リチウムポリマーが良いと聞くので購入してみました。が・・よく見たらコレ、水素電池でした。(汗)

しかし、これくらいのサイズなら場所も取らないしいいんじゃないでしょうか。何と充電器もセットで付いてきます。

次回は水素充電池編です。お楽しみにー

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。 開発経験DC~110GHz。