こんにちは、manotchです。最近購入したネットワークストリーマーWiiM Proの音が中々良かったのでどうしたらもっと良くなるかアレコレやっていたわけですが電源強化効果ありますねー。

結論から言うと電源の重要性はネットワークオーディオも同じようです。WiiM Proの時のお話の顛末はこちら!

電源の重要性が分かる例としてFiiO K9AKM 据え置きDACアンプを購入したときの分解写真がこちら!ブロック図を推定して書き込んでみました。下側半分以上が電源回路のようです。デジタル回路というとそんなに電気も食わないしここまでする必要ないんじゃない?と思われるかもしれませんが音質を良くしようと思ったら必要なんでしょうね。

さて、その後WiiM Pro用に検討したバッテリー電源ですが、いつもは充電が面倒なので飽きたらリニア電源に戻っていたわけです。しかし今回は音が良かったので何と続いています!オーディオへの情熱が面倒くささを超えましたね。充電池を8本用意して4本は常に満充電して電池を交換しながら聴いています。嫁に見られてももう平気です!(言われなくなった)

ネットワークオーディオ面白いですねー。私も沼に入門です。

■発端。LANハブ壊しちゃった。

さて、ここからは今回のテーマの発端、電源よりもっと上流の音質改善のお話です。

TP-LINK社のLANハブを使ってきましたが、5V電源なんですよね。そこにリニア電源やバッテリー電源を接続して色々実験している内に誤って12Vを突っ込んで壊してしまいました。パチッという音がしてショートモードで壊しちゃった。これは修理できない。いつかやると思ったー(苦笑)

■LANハブの問題は何か

TP-LINK社のLANハブを壊してしまったので中の大きい黒い部品を分解してみました。この部品、2か所の穴にマイナスドライバーを入れると簡単に蓋が外せます。トランスのようですが手作りのように見えますね。安価なLANハブなので大量生産していると思いますが良く生産できるなぁと思いました。ここは音に影響が出そうです。

フォロワーさんによるとアイソレーショントランスという事です。LANハブのチップセットの仕様を見ると入力と出力で絶縁トランスをかましてもろもろの電気的な影響を分離する必要があるようです。ノイズやスパークのような通信速度に影響が出る類の対策でしょうか。

それともう一つ、話によるとどうやらLANハブで音が変わるそうです。古いタイプでも音が良いものがあるそうです。

確かにそれはありえるかもしれませんね。分解したTPの製品は安価でコスト重視っぽいですし・・。トランスの所は手巻きで驚きました。古い方がコストダウン前で音も良いかもしれないですね。オーディオあるあるです。

中々、数十MHzといった周波数の信号をトランスを介して綺麗なデジタルの波形を通すのは難しいと思います。中身を見た感じLANケーブルを通る信号というのは0と1という情報は乗っているもののアナログ的な波形、それもそんなに綺麗な波形ではなさそうです。コレは後で実際に確かめてみましょう。

■LANハブを交換したらなぜか音が変わる

そこで、My New Gear. 音の良いLANハブという事で以前動画で見たNETGEAR社のビジネス用スイッチングハブ 5ポートアンマネージプラス GS105E-200JPSというモデルを購入。

動画と同じモデルがなかったのでコレにしましたが、コレの良い所は比較的安価なのとメーカーから提供されるソフトウエアでスイッチの設定を変更できる所です。

ただ、使いこなすには少しネットワークの知識が必要そうでした。LANハブとして使うだけなら普通のLANハブと同じなので簡単に接続して音出しまではできますよ。

音のファーストインプレッションですが、アレ?何か低音がしっかりしているなぁ。ドスンというドラムが安定して聴こえる感じです。後、音場が広がって聞こえます。ボーカルがポッと定位してなんか見通しが良くなった感じ。うーん、これはどういう効果なんでしょうね。中々いいです。

でも、ちょっと高域に荒っぽい感じが残ります。そこで電源のACアダプターの代わりにTP-LINKでも使っていたリニア電源に交換してみると透明感が出てきて良い感じです。これは良い買い物をしたかも。

そこで、My New Gear.LANハブ2台目(苦笑)・・・予想外に良かったんで2台買っちゃったよ!!これで研究だぜ!

接続としてはリビングで1台分配に使用します。もう1台は自室でPCとWiiM用に分配ですね。結論から言うと今回の沼入門編、コレに変えておけば大体良かったです。でももうちょっと続くんじゃよ。(DB風に)

このLANハブ、結構面倒な製品登録が必要なんですが電話サポートが受けられるようです。スイッチの設定が分からなかったら教えてくれるんでしょうか。それだと得かも。ネットワークって良く分かりませんしね。

■ネットギア社のLANハブの良さそうな点

ネットギアのLANハブも分解してTP-LINKと並べます。 音の差の違いはどこから来るんでしょうか。

中身を分解して見てみました。ネットギアの方がチップセットが小型になり、進歩しているようです。アイソレーショントランスは同じようなサイズです。 ※右がネットギア

パターン的にはネットギア社の方がチップセットが小型になった分、良さそうです。クリスタル(水晶発振器)回りも小型になって引き回しもコンパクトに出来ています。クリスタルの性能ですと、周波数安定度の他に位相雑音(CN)も関与すると考えられますが、ハイエンドを手掛けるメーカーの性能は相当良かった記憶があります。クリスタルも重要ですが、パターンの腕前でトータルの性能が随分変わってしまうんですよね。

この辺の特性が音にどのように関係するかは試したことが無いので良く分かっていません。クリスタルメーカーは重視しているので恐らく重要なんでしょうね。

後は電源周りでしょうか。TP-LINKに限らないですが安価な製品はどうしても特性がでればOK的なところが有ってコンデンサとか不要な電源パーツはコストが上がるので付いていないようです。ネットギアはノイズフィルタは付けられるようにしていますが、不要だったためか外しています。

特にオーディオ用とか謳っていませんのでデジタル回路として特性を良くしていったらこうなったという感じがしました。後はビジネス用途という事で部品関係に良いグレードが使われているかもしれませんね。

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さて、LANハブが壊れたことをきっかけに、LAN周りのネットワーク環境を見直そうと思います。古いです!(汗)

■ネットワーク環境を見直してみよう!

これはLANケーブルです。LANケーブル類が古そうなので購入してみました。一般的に安価で良く使われているCat6Aという規格です。Cat6Aって何でしょう。後で調べてみましょう。家のLANケーブルですが見てみるとCat5とかCat5eとかCa6とか色々ありました。しかも!何も記載がないノーブランドのケーブルもありました。これっていいんでしょうか。(苦笑)

この辺見直そうとずっと思っていましたがやれていませんでした。なんたってLANとかルーターとか良く分からないんです。しかも、音にも関係あるとか無いとか。コレは面白そう!

■LANケーブルによる音の差?

LANハブではないのですが、どうもこのフラットLANケーブルは良くなさそうです。Cat6ケーブルに変えたら音が広がってつっかえた感じが取れるように聴こえます。不思議ですね。その辺の理屈が分かると良いですね。

一番普通そうなエレコムのCat6A LANケーブルを購入してみました。何と言っても安価。コレ何本か頼んで見よっと。長さは短くもなく、長くもなく融通が利きそうな2メートルです。

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上の写真は分解したCat8のフラットLANケーブルです。何が違うんでしょうね。

もっと上流のLANケーブルはどうなってんかなーと思ってリビングのLANケーブルを見てみたらフラットケーブルでしかもCatとか何も印字なし。取り回しはくねくねして曲がるので良いんですが、なんかやばそう。

これも変えたら音良くなるんでしょうか。

■LANケーブルを分解して中身を見てみる

フラットLANケーブルですが、どうも気になったので中身を見てみました。2本づつ撚ってありそれが4組。この平べったい構造だと中央の線と外側の線の伝送波形は少し変わってしまいそうです。余り良くないかも。フォロワーさんによると中身見るのが一番大事とおっしゃっていましたが、確かにそうかもしれません。中身を見て分かることもありますので。

フラットLANケーブルの中身を剥いでみます。 グランドは薄いアルミホイルのような導体が巻いてあります。何回か折り曲げるとくちゃくちゃになるので耐久性は無さそうです。強く折り曲げて束ねるのはヤバそうなことが分かりました。多分、アルミホイルが裂けます。

フラットケーブルの断面を拡大するとこんな感じです。2対つづ撚ってありますね。LANの配線は差動伝送路といってノイズに強い方式です。

高周波、特にノイズが気になる環境で使われます。アルミホイルはグランドっぽいですがグランドには落ちていませんでしたのでどちらかというと2対どうしの線から出るノイズを隣の線に飛ばさないためのもの(遮蔽効果的な感じ)に思います。

これはクロストークと言っていますが、LANケーブルでは特にエイリアンクロストークという呼び名があるようですね。

フラットケーブルの分解拡大写真です。

グランドの芯線は黄色矢印の所に一本あってここはグランドに落ちています。芯線の入り方が左右非対称なのでケーブルには方向性があります。アルミホイルのような導体はそれぞれオープンで他に繋がっていないようでした。つまり単なる導体の筒が並んでいるだけです。うーん、これはどうなんでしょうね。

■ネットワークの勉強をしてみる

最近のオーディオはネットワークの事もちょっと知っておいたほうがいいのかな。・・・という訳で世界一簡単という帯がある書籍を購入してみました。

こちらは確かに分かりやすい感じです。最初は。後半の方になると難しいですが、それでもLANやルーター、ハブ、スイッチといった用語が何となく理解できてくるので良著だと思いました。お勧めできると思います。(ちなみに3分じゃ分かりません。一つのセンテンスが3分という感じ)

こちらの書籍は先の書籍の続編といった感じです。最初にこちらを購入してしまったので、難しさのあまり、うわ!ワイ詰んでるヤン!(泣)・・・と思ったのですが先ほどの入門書を発見したので読んでから読み直すと辛うじて何となくわかる感じになってきました。読む順番を間違えました。(汗)

読むのと読まないのでは大分理解が変わると思います。この書籍は入門書を読んで更に勉強したいと思った方にはお勧めだと思います。

詳しいフォロワーさんによるとHUBとルーター機能の違いなど理解できると良さそうです。

■脱線。ヘッドホン買っちゃった。

さて、ここで恒例の脱線です。またかよー。My New Gear. beyerdynamic DT1990PRO MKIIお迎えしました!昨年12月に発売したばかりの新モデルです。昨年、フェスで初代モデルを聴いて良かったので多分良いだろうと思って買っちゃいました。DT990PROに比べるとちょっと重い!

見よ!この造形美。

フリーレン3周目をコレで聴いていますが演奏者の存在や楽器のたたずまいといったものを感じさせてくれる懐の広さがあると思いました。良いモデルだと思います!別記事でレビューしたいと思います。コレは楽しみ!

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『Mr. DT990PRO』べイヤーの伝説のヘッドホン擬人化です。自分で伝説って言っちゃってます。

『Mr. DT990PRO』新たなモデルのようだな。しかし、オレの良さも再認識することになるだろうよ。

DT990PROと並べてみました。こうしてみると少しづつ違いがありますね。

■LANケーブルを変えてみる

本題に戻りましょう。家のLANケーブルですが、ルーターやハブで6~7本繋げていました。結構長いものもありました。Cat6A、Cat7、Cat8まで購入してみましたが聴いた感じCat6Aが一番好みかなぁ。音が広がるように思いました。規格だけで音が決まるわけではないと思いますのであくまで参考ですね。

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じゃーん。一度全部外して取り替えました!全体的に短くなったのでLANまわりはスッキリしてきました。(写真は新しく購入したケーブルも混じっています)

■LANケーブルを分解して中身を見る

Cat8のフラットLANケーブルの接続図を分解写真から推定して書いてみました。ツイストペア配線はインピーダンス100Ωのようですがこの構造・寸法で100Ωになるんでしょうか

そして、アルミホイルのシールドですがテスターで当たってみたところ、表面は絶縁、裏面は導通がある2層構造のようでした。アルミホイルどうしは接触はしても表側どうしは絶縁しているので導通はしていないようです。

フォロワーさんからアンテナになっている可能性の事をおっしゃっていましたが、アンテナになっている可能性はあるかと思います。LANケーブルの近くにスペアナを置くとケーブルからLAN由来以外と思われる様々なノイズを拾いますので。ツイストしているのでノイズは低減すると思いますが完璧とはいかないでしょうね。

浮いているシールドは良く分かりませんがクロストーク対策にはなると思います。昔のケーブルもあるので機会があったら分解しようと思います。

アースがないシールドはどちらかというと単なる遮蔽に近いイメージになると思います。ノイズの周波数がとおりにくい何かをケーブル間に置くわけです。ケーブル間の干渉が減るんではないかと思います。以前不要輻射ノイズ測定で試した感じだとノイズ低減効果は確かにあるもののめちゃめちゃ効くという感じではありませんでした。導体が薄いと通過してしまうようです。

■デジタル回路でもノイズで音が変わる

LANケーブルによってノイズの輻射が変わるか見てみます。左はCat 5e、右はCat 8のLANケーブルから出る輻射ノイズを動画にしています。最初はWiiM Proと接続していますが動画途中でLANコネクタを抜きます。そうするとWiiM Pro由来のノイズが減ります。Cat8は輻射が少ないことを謳っているケーブルですが確かにCat 5eより大幅にノイズが小さいように見えます。

下記はCat5e

下記はCat8

個人的な見解ですが、LANケーブルのノイズの乗り方はケーブルによって変わるので音質が変わることは考えられると思います。ノイズがデジタル回路に混入することで可試聴帯のノイズが増加するなどSNや音質に影響が出ることは以前実測で確認しています。

おかげさまでこの記事は結構反響頂きました。まぁ、古いマザーボードの出来の悪いオーディオ出力なんかは普通にビービーといった異音がヘッドホンから聞こえてましたけどね。以前はノイズ対策が不十分だったからだと思います。今では技術が進歩して対策が進んだからだと思いますがさすがに可聴帯域にノイズが聴こえるマザーボード(オーディオ出力)には出くわしていません。

■光ファイバーケーブルでもノイズは乗る

以前実測した結果では、LANケーブル以外の光ファイバーでもノイズを拾っているようでした。下記の動画ではLAN、HDMI、 USB、 光ファイバーケーブルで輻射ノイズを拾っている様子を実測しています。最後が光ファイバーです。確かに他の導体で繋がっているケーブルより明らかにノイズが小さいように見えます。しかし、0にはなっていません。近づけるとノイズが大きくなっています。

どうやってノイズを拾うかメカニズムは良く分かりませんが被覆(絶縁体)を経由してノイズが伝わるのかもしれません。今、光で絶縁するタイプのLANが登場していますが導体起因の伝送ノイズは無くなるので効果はありそうに思います。ただ、一旦光に変換する回路などが増えますのでうまくやらないと逆に悪くなる可能性もあると思います。

■LANケーブルから出るノイズの正体

LANケーブルから出る輻射ノイズですが一体何だろうという事でピーク周波数をメモしてみました。正体は良く分かりません

このスペアナは50KHz~300MHzまでの測定なのでもっと高い周波数でもノイズは出ているでしょうね。 周波数  
19.3MHz ⇒スイッチング電源?
43.5MHz⇒LAN?
61.7MHz⇒LAN?
82.3MHz⇒FMラジオ?
93.2MHz⇒FMラジオ?
105.3MHz⇒FMラジオ?
147.7MHz⇒DAC?
201.0MHz⇒DAC?
268.8MHz⇒DAC?

どのノイズがどのような経路で伝わるのかはもう少しテストが必要そうです。しかし、ケーブルが長いからなのか、家のノイズが多いのか分かりませんが色々なノイズを拾っているようです。

■回線スピードを測定する

LANケーブルをオーディオに使うときの問題は何か8 LANケーブルの規格によって回線スピードが変わるか測定してみました。あまり変わらない結果でした。てかコレ遅くないでしょうか(大汗)

Cat5 22.3/18.7Mbps
Cat5e 21.8/18.2Mbps
Cat6A 22.2/18.2Mbps
Cat7 22.3/18.3Mbps
Cat8 22.3/18.7Mbps

ネットワークの回線品質と音質の関係調査 面白いサイトを見つけましたのでリンク貼っておきます。回線スピード/Ping/JITTERが測定できます。 自宅の回線品質と音質の関係が分かるかも。

▼USEN のスピードテスト
https://speedtest.gate02.ne.jp

▼うちのスピードテスト結果
無線 WiFi 5GHz DOWNLOAD/UPLOAD/PING/JITTER
1回目 32.45/26.45Mbps/21.0ms/2.72ms
2回目 31.17/30.01Mbps/20.1ms/13.44ms
3回目 26.98/32.97Mbps/22.8ms/1.83ms
4回目 35.41/37.11Mbps/21.5ms/1.09ms
5回目 32.44/36.93Mbps/21.4ms/0.91ms

有線 Lanケーブル Cat6A DOWNLOAD/UPLOAD/PING/JITTER
1回目 22.96/20.25Mbps/23.6ms/1.98ms
2回目 22.25/20.59Mbps/24.7ms/1.30ms
3回目 23.53/20.07Mbps/22.6ms/1.78ms
4回目 23.55/20.39Mbps/25.1ms/0.97ms
5回目 24.19/20.89Mbps/26.0ms/3.25ms

自宅の環境では無線の方がスピードが早いというアレな結果でしたがPINGは有線も無線も大きく変わらない感じです。※そもそも遅い

これで、モンハンやっていて乙る理由が分かりました。回線スピードです!

『ハンターの先生』腕前だと思うぞ。

『manotch』・・・すみません。

JITTERは無線の方が結構ばらつきが大きいように思いました。これらの数値を見ながら家のネットワーク環境を見直すことで音質を改善出来るかも。

LANケーブルを自作しているフォロワーさんの回線スピードを拝見したところうちとは桁違いのスピードでした。コレはうらやましい!

リビングのwifiで繋がっているPCの方は70Mbpsくらい出ていました。後で有線も測定しましたが有線も70Mbpsくらいは出てますね。うーん、なんでかなぁ。

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■LANケーブル送受信にエラーが出ているか?

NETGEAR社のLANスイッチですがアプリでエラーが確認できるようです。アプリをサイトからダウンロードし、インストールしてみます。その中の項目『ポート統計』にデータの送信受信バイト数とCRCエラーという項目がありました。

それによるとエラーは出ていないようでした。エラーが多いと音質が悪くなるんでしょうか。こういうツールと音質に相関があることが分かれば有用でしょうね。しかし、ケーブルを触ったりしてみましたが、エラーは出ませんでした。とりあえずココは問題なさそうです。よほど環境がひどいとエラーが出るんでしょうか。

■LANケーブルの波形をオシロで確認してみる

LANケーブルの途中にコネクタを挟みLANケーブルの波形をオシロで観測してみます。回線速度が低速なのでうちのオシロでも何か波形が見えるようです(汗)画面を最大化すると逆に見やすいかも。

周波数は30MHz程度、出力は2Vppくらいに見えます。ただ、コネクタの引き出しが適当なのでインピーダンスが合わず実際の波形とは異なるかもしれません。しかし、全然0と1的な奇麗な波形ではありませんでしたね。こういった信号を定量的に測定して音質との因果関係が分かると面白そうです。現行のオシロはハンディータイプで帯域は50MHzです。良いオシロ欲しいなぁ・・。

周波数が高いほど表皮効果が表れやすいので案外、線材による音の差が出やすいかもしれませんね。

■LANケーブルCat5とCat5eを分解してみる

冬休みなのでケーブルでも分解しようと思います。イエーイ(^^)/。うちにある歴代のLANケーブルも持ってきて並べてみました。外観はそんなに変わりませんね。

LANケーブルCat5というのがうちにあるケーブルで一番古そうです。音が良い特級呪物だったらどうしようか?と思いましたが余り良い感じではなかったので分解です。アレ?Cat8フラットケーブルで分解したときに有ったアルミホイルのようなシールドが無いですね。

Cat5のケーブルですが中身が結構スカスカなのでツイストペアの芯線がふらふら中で動くのがちょっとイマイチのように感じました。特性が変わりやすそうに思います。

Cat5eも同じように分解してみます。どうやらCat5と同じ構造ですね。

ここでフラットLANケーブルCat8と比較するため図にしてみました。

CAT5はツイストペアが4対が並行して配線されている構造です。それに対してCAT8はツイストペアどうしの干渉(クロストーク)を低減するためのアルミホイールがツイストペアに巻かれています。この辺は音質差に出てきそうに思います。

Cat5の音は音がボヤっとしていて音が前に出てくる感じが無いように思いました。これは宜しくない。Cat8のフラットケーブルは音場の広がりに引っ掛かりがあるような感じがしました。少し音の出方が抑制されるようなイメージがあります。一長一短かな。うーん、コレってなんなんでしょうね。因果関係が良く分からないので今のところ深堀はしないでおこうと思います。

■LANケーブルCat6Aを分解してみる

お次はLANケーブルCat6Aを分解です。音的には今の所、これが気に入ったのでリファレンスにするため何本か頼むことにしました。音的にはCat5、Cat5e、Cat6A、Cat7、Cat8フラットケーブルの試した4種類の中では音場に広がりが感じられ一番自然に思いました。

中身を見て面白いと思ったのは中央に十字のセパレーターが入っていてツイストペア線どうしを分離していることです。エレコムのケーブルですが内部の線の位置をうまく保持できているように見えます。

分解してみるとこんな感じです。エレコムのLANケーブルは撚線が均一に巻けていますね。イイ感じです。十字のセパレーターがスポンジのようなプラスチックなのでうまく撚線を支えるようです。Cat6Aの中身を確認したときの様子を動画にしてみました。

屈曲しても位置関係が大きく変わらない感じです。余り位置関係が大きく変わるケーブルはどうかなと思います。局所的に特性インピーダンスが変わりそうなので。コレは良く出来ていると思いました。もっと良いLANケーブルはあるかもしれませんが、安価なのと構造的にも良さそうなのでお勧めできると思います。

Cat6Aの構造も図にしてみました。

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Cat5とCat5eはCat6Aのような十字のセパレーターが無いのでツイストペアどおしがクロストークで干渉しやすく音質が悪くなる可能性がありそうです。そうなるとLANケーブルはある程度内径を大きくしてツイストペア同士の距離を確保した方が良いような気もしますね。とはいえ、十字のセパレーターくらいではクロストークは完全に無くならないように思います。周波数も30MHzくらいのようですし距離も短いので信号は飛ぶ(ある程度干渉する)と思います。

ツイストペアで100Ωになるなら別にツイストペアを4対で独立させケーブル間距離を離してもクロストークは減るので面白そうです。手間がかかりそうですが・・。もしくはCat8フラットケーブルのように撚線をアルミホイルシールドで囲んでクロストークを減らすとかです。

■LANケーブルCat7を分解してみる

お次はLANケーブルCat7です。こちらも同じくエレコム製のです。メーカーを統一することでなるべく構造の差分だけ分かればと思いました。袋に内部構造が書いてありますね。大体わかるのですが分解してみます。

断面はこんな感じでした。分かるかなぁ。配線はスカスカではなく、かといってギュウギュウでもない感じです。屈曲などの取りまわしを考えた設計なんでしょうね。

こちらも分解したところを動画にしてみました。中身の構造は動画にすると分かりやすいと思います。

Cat6Aに比べて大きく変わったのはクロストーク対策で入れたツイストペア線のアルミホイルのシールドとそれらを一つにして網状のシールド線で囲んでいる所でしょうか。アルミホイルのシールドですが以前分解したフラットCat8ケーブルに比べて撚線に密着した感じで丁寧に巻いてある感じです。エレコムさんのケーブルですが品質的に良く考えられているように思います。

さて、音はというとCat6AとCat7を比較するとCat6Aの方が好みでした。この辺は皆さん予想外かもしれませんが、シールドの有無なのか他の要因なのかは良く分かりませんでした。

経験則ですがシールドのようなグランド構造のあるものってグランドの取り方や機器とのつながり方で音が良くなったり、悪くなったりで検討が必要なことが多かったです。フォロワーさんのお話でもグランドの取り方に気を付けるような事をおっしゃっていたのでその辺かもしれません。LANケーブルの沼に入門したわけですがまだまだ先がありそうですね。

・・・アレ?冬休みがLANケーブルの分解で終わっちゃったよ!

■脱線。陸上自衛隊74式戦車プラモデル

【おまけ】戦車のプラモデルも久々に作ってみた!(途中)タミヤさん、素晴らしい・・。

ディテールが作りこまれていて、それでいて作りやすい。最高ー。

久々に作りましたがコレははまるぜ!

そうそう。ここでビッグニュース。前回のpart4部の記事はGoogle newsのTopに掲載されました。やったね!

■ブログTop画像は内容と合ったもの推奨

しかし、そんなことになるとは思わずにブログトップページを戦車のプラモデルの写真にしていたためこんな感じに。

うわーサムネイルが戦車の写真じゃん!やっちゃったね!(苦笑)

しかし、Googleさんの掲載基準は分かりませんねー。

■LANケーブルCat8を分解してみる

一旦最終回という事でエレコムさんのLANケーブルCat8を分解しました。これで一通りの規格は分解したことになります。エレコムさんのCat8ケーブルって太くて硬いんですよね。

理由なんですが、ツインペアの周りをグルグルアルミホイルのシールドが巻いてあるようです。Cat7に比べるとシールドが厳重で隙間がないくらいギュウギュウになっていました。周りの網状のシールドは二重シールドになっていて更に輻射ノイズを受けないように入念に対策がされているようです。分解したケーブルを動画にしてみました。

分解図(箱書き)はCat7と同じようですが内部は進化していてEMI対策バキバキです。ケーブルが太く曲げられない理由はコレだったのか・・。エレコムさん、もうちょっと宣伝してもイイと思います。(汗)

ただ、このLANケーブル硬いので取り回しが悪いです。WiiMのコネクタ部はやわそうなのでCat6Aを使っています。

■LANケーブルCat8音のインプレッション

音に付いてフォロワーさんから聞かれたのですが好みで言うとCat6A>8>7なんですが8と6Aは迷いますね。構造的な所からくる音の差があるとすればCat6以前とCat7以降でシールドがありと無しという大きな違いが発生するので、聞き比べて良さそうな方を選択するのが良いと思いました。

個人的な見解ですが8の方が雑味が少なく奇麗な感じに思います。ただ、今の時点で適当にリファレンスを決めただけなので今後はCat8の方が良くなるかもしれません。どちらかというと8は硬すぎて取り回しが難しかったので6Aの方にしています。

以前LANケーブルの輻射ノイズを測定したときCat5eよりCat8のケーブルの方が明らかに小さかったです。分解した結果からその理由は構造の差にある(シールドが厳重)と言えそうなことが分かりました。 ※写真左からCat5e,Cat6A,Cat7,Cat8

フォロワーさんのリクエストもあったので伝導ノイズについても測定したいところですが、WiiMは200~300MHzくらいが多そうでしたのでそれなりの測定器がないと難しそうです。良い測定器ほしいなぁ(再掲)

■Cat5,Cat6A,Cat7,Cat8分解図一覧

参考までにLANケーブルCat5,Cat6A,Cat7,Cat8までの分解図を一通り載せておきます。

CAT5分解図

CAT6A分解図

CAT7/CAT8


何がケーブルの音質を決めるのか?分からないことは多いです。分解図をみるとエイリアンクロストーク及びノイズが主要問題のようです。

■どうすれば音質が良くなるのか

例えばエイリアンクロストークは4つのツインペア線間を飛ぶノイズが他のツインペア線に干渉する問題なので線間を広げたりすれば音質が変わるかもしれませんね。インピーダンスが100Ωという規格があるようですが、個人の趣味で試すなら多少インピーダンスが変わっても音が出ればよいと思いますので試してみるのも面白いかも。

詳しいフォロワーさんによるとLANケーブルのケーブル部分だけ見ても他にもまだまだ音質に影響するパラメータがあるそうなので興味がある方はオーディオ用のLANケーブルを試してみるのも面白いと思います。うちはまだそういう段階ではないですね。古いケーブルとスイッチングハブを取り替えただけ(苦笑)

それと、コネクタはありそうですね。分解が難しかったので図に書くのはやめましたがアナログのシールドケーブルの時はコネクタ付近の配線が露出するためかノイズを拾いやすかった記憶があります。結構完璧に対策しないとダメなようでした。デジタルケーブルでも同じかもしれませんね。

そうそう、アルミホイルのシールドはペラペラ・カサカサしているのでちょっと気になる所です。ケーブルって振動の影響があるという話を聞いたことがあるのですが経験則として振動に対して弱いものとか構造的に不安定なものってなぜか音が良くないというのがありました。CAT6Aが良かったのはそういうところがあるかも。でもCAT8の方がそれなら音は良くなりそうなんですがねぇ。うーん、良く分からないです。

『ノンマル=コモンさん』ノイズの擬人化です。ノイズを0にすることは難しく、不滅の存在です。

『ノンマル=コモンさん』周波数が高くなるほどノイズは出やすくなる。空(空中)も飛べるぞー。
『manotch』そうなると、うまく付き合っていく必要があるな。今後も宜しくね(汗)

そういえばオーディオプレシジョンというリファレンス的な測定器があるのですが、THD-歪特性を測定するとスイッチング電源などのノイズがある場合、オーディオアンプに可聴帯域の歪として悪化して出てくる場合がありました。その場合はリニア電源の歪レベルまで対策するのが目安となります。高価な測定器なのでちょっと個人で所有するのは難しいですね。こういった対策は良い測定器で定量的に対策したいですねー。良い測定器ほしいなぁ(再掲)

■総括

さて、一旦最終回となりますが如何でしたでしょうか。ネットワークオーディオ沼入門編と書きましたが、浅瀬に片足(親指)を入れただけのような気がします。あはははは。まぁヘッドホンも新調したことですしぼちぼち進めていきましょう。

今回の成果としては、LANハブをスイッチに変えたことですね。これは結構良かったです。ここで音が変わるのか・・。電源は付属のACアダプターからリニア電源に変えています。ここをバッテリーにしたらもっと良くなるような気がしますが、電池交換がさらに大変になりそうです。残課題ですね。・・・やってみようかな(ボソ)

後はケーブルを変えたことでしょうか。まだやり切れていないですねー。どうやら先(2週目)はありそうです。とりあえず、直近のケーブル養分は補充できたので次のテーマでも考えたいと思います。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

■おまけ

大分できたぜ!結構楽しいー。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。 開発経験DC~110GHz。