前回はsennheiser HD660Sのファーストインプレッションという事で、あーこれは良さそうな音ということで一安心でした。せっかく購入しても、アレ?こんな音だった?ってなるとちょっとがっかりですもんね。今回はsennheiser HD660Sのレビューpart2でアンバランス接続とバランス接続の音を聴いて見ようと思います。

HD660S徹底レビューを記事にまとめました!⇒ https://audiocolumn.com/ua2/1688/

HD660Sには最初からバランスのケーブルもついているのでお得感がありますね。ie100proやie300購入時に思ったのですが、このケーブルが意外と高いんですよね。

こちらが付属品になります。6.35 mmステレオ プラグまたは4.4 mm Pentaconnバランスステレオプラグを備えた着脱式接続ケーブルが付属しています。6.35 mm →3.5 mmアダプターも付属していますので一通り接続できますね。
こちらはヘッドホンケーブルの先端部分です。ヘッドホンのハウジングとコネクターで接続されていますが根元の所で抜き差しできます。注意しなくてはならないのがこのコネクターには極性があることです!!よく見ると太いピンと細いピンがあります。L,Rの表示が写真のようにコネクターに記載されているのでL,Rの文字が筐体外側から見えるようにケーブルを差します。取説を見るとL,Rの文字を外側にして差すと書いてはあるのですがピンに極性があると書いてほしかったですね。これは間違えると思います。

このピンですが一応筐体のガイドに沿って差せるのである程度の耐久性はあるかと思いますが何回も抜き差しすると耐久性はどうなんでしょうね。レビューなので抜き差ししましたがあまり変えないようにしようと思います。ie100proやie300のようなMMCXコネクターは耐久性がなさそうでした(汗)

このピンは太さがあるのでその辺の耐久性はだいぶ良いと思いますが何分高価なヘッドホンですので気を付けるに越したことはないと思います。

さて、音の方ですがアンバランス接続とバランス接続ですがie300のときもバランスで聴いて見たのですが音の傾向があるように思います。バランス接続の方が一つづつ明瞭に楽器の音やボーカルが分離して聴こえる感じです。音場の広がりもアンバランスは中央寄りに定位してそこから左右に広がる感じですがバランスは左右の音が分離していて音場が広がるのでより見通しが良い感じです。分かりやすい例としては左右にボーカルが入っている場合とかアンバランスではボーカルが聞き取りにくかったのがバランスでは左右のボーカルがそれぞれしっかり歌っている感じが聞き取れるようになります。

それで、アンバランスが悪いかというとそうでもなくて例えば低音の出方などは中央に定位して力強く鳴る感じがあったので必ずしもバランスが全面的に良いかというとそうでもないかなと思いました。アンバランスとバランスのケーブルを見てみるとヘッドホン筐体からの引き出しは同じリード線を使用していて構造も同じに見えます。違う所はヘッドホンジャックのコネクターの部分でここからはアンバランスケーブルのGNDが共通になっているように見えます。ここだけの違いなんですけどね。GNDは音の違いが出やすいので配線一つで音の出方が悪くなったりするのでノウハウがあるとことだと思います。
後は、FiiO KA3のバランス出力とアンバランス出力に接続しているのでその違いも大きいでしょうね。

sennheiserのケーブルはアンバランスもバランスも聴いた感じが良く質感も良い感じでした。
所有している機器が全てバランス接続に対応しているわけではないでしょうからアンバランス接続は必要ですね。後、アンバランス接続の方が接続がシンプルなので実験はしやすいです。まあ、でも余り抜き差ししたくはないですねー。

HD660Sに付属しているケーブルは高級感があってそれから線が柔らかいので取り回しはしやすいです。

ケーブルの出来がいいです。あと、コネクターの機構もしっかりしていて接続もカチッとするので安心感があります。

結論としてはバランス接続出力がある機器であればバランスの方が良さそうに思います。今回はノートパソコンからfiio KA3の出力に接続してHD660Sで聴いています。

線が3Mと長いので汎用性があって便利ですが・・・。やっぱ長い。短いのも欲しくなりますねー。
しかしバランス接続とは面白いコンセプトが出てきたもんです。元々あった技術ですが、このような形で音質の良さを感じ取れる機会が来て良かったです。以前ですと高嶺の花といった技術でしたから。

sennheiserさんのヘッドホンを聴いていてsennheiserさんのヘッドホンHD660Sがなぜ音がフラットでバランス接続したときの音場が広く、バランス接続の効果が発揮できるか考えてみたのですがやっぱり左右のドライバーの位相特性やゲイン特性が物凄く左右で厳密に合わせこまれているからなんだろうなと思いました。左右の特性が揃っていないとバランス接続したときに違和感が出る気がします。ヘッドホンのような振動する板を左右全く同じに振動させるのはとても難しく技術がいるのではないかと思います。ヘッドホンを正確にドライブするためのオーディオ機器の性能も必要でしょうね。

FiiO KA3のアンバランス接続で聴いていると少し物足りなくなってきました。もう少し力強く鳴らないかなー。小音量ではHD660Sの音の再現性の良さもあってあまり気にならないですが、リニアリティーを確認するため音量を上げて聴くと気になってきます。ヘッドホンってイヤホンに比べるとドライブしにくい感じがあります。特に携帯機器のような電源供給に制約のあるオーディオ機器では起こる現象に思います。人間の耳って面白いですね。ドライブしにくいとかなぜわかるか不思議です。(電源の供給能力が低かったりパターンが悪いと低音の歪が増したり、電源ラインにリップルが乗ったりしますけどね。そういうのが聞き取れる様です。)とはいえ、皆さんも体験したことがあるかもしれません。音の出方がなんとなくもたつくような感じとかです。後は低音が思ったほどでないとかです。

そこで真空管ヘッドホンアンプのKORG HA-Sに接続して聴いて見ることにしました。このヘッドホンアンプは単三バッテリー×2本の直列動作で電圧を稼いでいます。それからアンプの電源が独立しているので電源供給の制約という面では携帯やUSB DACからとるより優れているように思います。

真空管ヘッドホンアンプKORG HA-Sです。オペアンプは交換出来て初期ではJRC NJM4580がついていますが音質対応のMUSE S01もついていて交換ができる仕様です。豪華なおまけですね。次回からはHD660Sをドライブする方法について検討してみようと思います。うーん。HD660Sの性能をフルに発揮させたいぞ。

今日はここまでにします。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。