レビュー総集編を公開しました!分解写真、イラストなど盛りだくさん。⇒こちら https://audiocolumn.com/fiio/1544/

前回はFiiO K7レビューでどうしたら音がもっと良くなるか携帯経由の接続にしたりしてテストしてみました。今回は趣向を変えてFiiO K7 DESKTOP DACレビューpart3(分解写真付き)になります。FiiO K7ですが内部を分解してレビューした記事は検索しても見つからなかったのでもしかしたら世界的にもあまり例がないもしれませんね。

FiiO K7ですが分解してみよう!という事でアドバイス頂いた底板のゴム足を外してみました。

manotch

『ここのゴム足とるね。ここに本体筐体の基板が取り出せる隠しネジがあるはずなんだ』

K7『そこはダメです。禁則事項です』

manotch『精密ドライバーでとりゃー!!取れた!』

manotch『・・・』

はい、残念!どうみてもただのゴム足です。本当にありがとうございました。

さて、次の日。気を取り直してFiiO K7分解の続編です!パネルのネジを外して見ます。(要・専用ドライバー)

manotch 『ここのネジとるね。パネルが少し動くからいけそう』

K7『そこはダメです。禁則事項です』

manotch『精密ドライバーでとりゃー!!取れた!』

K7『はい、ここまでです!』

ネジを取り外す前のリアパネルです。ネジは3種類あるので注意。専用の精密ドライバーが必要です。

やっとリアパネルが取れました。ネジも壊さずにとれたので一安心です。ネジは小さいのにかなりきつく締めてありましたのでドライバーがぴったり合わないとバカになってしまいますのでかなりの注意が必要です。こういった分解は保証が受けられなくなりますし、機器が壊れる可能性もあるのでくれぐれも自己責任という事でお願いします。

オーディオ人柱という事でちょっとリスクがあったのですが思い切ってネジを取ってみます。ヒートガンでとれるのではないかというフォロワーさんのご指摘もありましたがネジを取ってパネルを押していくとわずかに動く箇所がありました。それでこれは接着ではなく単に勘合が良すぎてパネルが接着しているように見えるだけと分かりました。パネルの成型精度が高いですねー。外注かもしれませんが。

中国メーカーはアップルなどに向けた高度な加工技術や加工機を提供しているベンダーがあると思いますのでレベルの高い加工機を入手できる環境があるのかもしれません。その為、設備的にはいいんでしょうね。
あと、グローバルに売っているので台数が出ているかもしれません。そのため質の高い加工をこれほどのリーズナブルな価格で実現してるのかなと思いました。

左側がRCAジャック端子です。右側はCOAXIAL端子です。

さて、リアパネルを外して見て最初に目についたのが写真の基板の端面から突き出ている金メッキのスプリングコンタクトプローブ端子です。写真では4本見えていますがこれは基板のGNDとリアパネルのGNDを接続するための機構のようです。面白いです。

据え置きのオーディオ機器ではあまり見かけない機構ですがリア側から基板をスライドして取り出すためこのようなピンコンタクト機構にしたのでしょうね。オーディオ帯域だけであればここまでGNDを取らなくても良さそうに思いますがこれだけGNDをとっているのはデジタルノイズに配慮したものかもしれません。この辺はノイズ対策のエンジニアとかに理由を聞いて見たいです。

オーディオ的にはGNDをピンであちこちコンタクトするのは妙な経路に電流が流れたりすることでおかしな音になる可能性があると思いますがどうなんでしょう。試しにGNDをピンコンタクト出来ないようにフィルムなどで絶縁することで音的に変化があるか見てみても面白いかもしれないです。・・・とここまで書いておいて気が付いたのですがこのリアパネル、他にGNDとる箇所が無いんですよね。そうか、だからピンコンタクトでGNDを取るしかなかったんですね。(汗)

となると逆にこれくらいのGNDをとるので良いのかなという気もしてきました。うーーん。どうなんだろ。

FiiO K7の分解ですが基板がスライドして取れそうなのですがここでフロントパネル側まで届くロング精密ドライバーが無いと出来なさそうと分かりました。いったん分解はここまでですね。残念。

それでも製造面の高い技術を感じました。

基板裏面側から見てみます。

はんだ付けの箇所ですが光沢がきれいですね。温度が適切にコントロールされて実装されているんでしょう。見た感じですがほぼ均一な感じの光沢のあるはんだ付けです。光沢がきれいだと音が良かった記憶があります。いやーいいですねー。最近のオーディオ機器のレベルが高くなっているのか、それとも国内メーカーは技術的に置いて行かれているのかソニーさんの同じDACなどオーディオ機器でもどうなっているのか分解してみたいところです。

あと、筐体の形成方法はどうやっているのかなと思っていたのですがどうやら押出成形のように見えます。さすがにFANACのような切削は無いと思いますが・・・(削ると中身がもったいないので)しかし、リアパネルの所は段付きになっているので後加工でスライサーのような切削でざぐっているのでしょうね。芸が細かいです。

こちらはリアパネルです。

リアパネルはフォロワーさんによるとパンチング加工で丸穴、角穴を抜いているようです。きれいに加工できています。裏面にバリもないし見えないところまで手を抜いていないです。文字などのレタリングもきれいですが耐久性はどうかなぁ、これは継続使用しないと分からないですね。淵の方は湾曲に加工されていて一体形成の本体にピッタリ勘合するように取り付けられるようになっています。

なんか、ここまでべた褒めですね。でも本当にそう思うのでしょうがないです!後は品質面かなぁ。ここまで良い所が目につきましたが、すぐ故障したら台無しですね。そこは分かりませんので継続して使用して何か問題があったらレビューしたいと思います。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。 開発経験DC~110GHz。