こんにちは、manotchです。

ネットワークオーディオ専用機ということで人気モデルのWiiM ProをMy New Gear.しましたのでサブスクを良い音で楽しめたらと思います。音を良くするTipsについても記事にしていきます。

■音のファーストインプレッション

さっそくですが音のファーストインプレッションです。接続は下記で試聴してみました。比較したのは以前自作したPCです。WiiM Proに変えて最初に聴いた感じは、『うわっ、軽やかに鳴るなぁ』です。中高音から伸びやかで自然な感じです。

反面、低音の押し出しやアタックは強くはないと思いました。ディテールも細かいというより一体となってふわっと出てくる感じです。これはそれほど悪い意味ではなく、WiiMの持ち味かもしれません。ながら聴き、BGMなど長時間のリスニングに向いていると思いました。そのため、Amazon musicのようなサブスクをながら聴きするにはピッタリだと思いました。

個人的には音出しで気になる所がないかとか聞いてしまう癖がありますが、基本的な音の出方はとてもいいと思いました。この辺狙って出来ているのなら凄いですね。どうして良いか興味深いです。ただ、聴いた感じ電源周りはなんとなく弱そうです。価格的にも入門機ですし、コストなりの所はあるなと思いました。その辺は後で音質向上にも取り組んでみたいと思います。

【WiiM Pro 概要】

コネクティビティIEEE 802.11 b/g/n/acデュアルバンドWi-Fi、BT5.1、イーサネット(100M)
電源入力USB Type-C電源
オーディオ出力/入力ライン出力、デジタル同軸出力、デジタル光SPDIF出力 / ライン入力、デジタル光SPDIF入力
SNR102 dB
THD+Nアナログライン出力。0.005%
音楽入力192 kHz、24ビット
音楽出力192 kHz、24ビット「ビットパーフェクト出力、出力は入力ソース形式と一致
音楽フォーマットMP3、AAC、ALAC、APE、FLAC、WAV、WMA、OGG

■発端。自作PCオーディオの問題。

以前の記事で自作PCオーディオの音を良くするために電源強化に取り組んだのですが、それで分かったのは自作PCのパーツや回路はオーディオに配慮しているわけではない。という所です。マザーボードをはじめCPU、グラフィックカードと複雑な回路で電源ノイズも多かったです。ノイズフィルター入れたり、電源周りの配線を見直して中々効果はありました。

CPUの電源に乗っているスイッチングノイズをフィルターを入れる前後でどれくらい減衰できるか実験しています。対策してもまだ結構ノイズ出ているでしょ。興味のある方はご覧くださいね。

■PCのネットワークオーディオ部分を専用機に任せる

自作PCで気になっていたのが、ネットワークオーディオの回路とCPUやグラフィックカードといった大電流を扱う回路が1枚のマザーボード上に混在し、グランドのループが何重にもなって接続されている事でした。大電流から発生する大量の輻射ノイズがオーディオの微弱な信号回路に飛びこんだりして音への悪影響がありそうです。

写真は自作PCのマザーボードです。回路は多機能なため複雑です。基板書いたらというお話もありましたが・・・書く気にはなれないですねー。

こちらはATX電源の12V系から発生するスイッチングノイズの様子をオシロで測定しています。対策がないと結構盛大に出ます。しかし電源が強力なせいか音は芯があって力強いです。ただ、ノイズ感が残るのと少し歪み感がありますね。WiiMのような専用機と比較すると一長一短です。

そこで、ネットワークオーディオの微弱な信号処理系を専用機に任せることで音が改善できないかと考えました。

■開封 WiiM Pro。

少し時間を蒔き戻してみましょう。WiiM Proお迎えしました!

箱はこんな感じです。WiiM Proを選択した理由は評判が高いことや、後述しますがビットパーフェクトが出来る今の所、唯一の安価な機器だという事です。ビットパーフェクトとは0と1のデータが間違いなくOUTPUT出来ているという事のようです。これって良いんでしょうか。後で調べてみましょう。

箱を開けて付属品を確認します。

ケーブル類は光デジタル、ACアダプター用のUSBケーブル、RCAケーブルとなっていますので一通り揃っています。無いのはLANケーブルですがWifi使って携帯と繋げばLANケーブルなしでも音は出ます。音的には有線LANの方が良いですね。それから携帯にWiiM専用アプリを入れてWifI経由でコントロールする必要があります。

そのため、携帯とWifi環境は必須です。

アプリの設定例です。操作は簡単ですので十分程度で音出しまでできました。これは素晴らしい。

写真は純正のACアダプターです。5V/2Aなので10W程度の出力です。WiiM側はACアダプターからUSB-Cケーブルで接続し、本体に給電出来ます。

■今どきのミニマムオーディオを構成してみる

良く分からないのでアレコレ試してみます。本体は小型(14センチ角)なのでスペースを取らないのが良いですね。しかし、アンプが付いていない。そこで小型のヘッドホンアンプに繋いで聴いて見ます。 最近は小型で音のいいオーディオ機器が増えているのでこういったミニマムなオーディオも手軽で面白そうです。

手持ちの真空管ヘッドホンアンプに交換してみます。真空管ヘッドホンアンプは何台か所有していますが外観面白いですよね。音も中々良いです。しかし、タマに故障する欠点があります。(苦笑)

写真はヘッドホンアンプで有名なXduoo社のMT-602というモデルですが、真空管って言うと音が柔らかいイメージがあるとか言われますがMT-602は予想に反して馬力があってシャープな感じです。

以前色々集めたので記事にしています。興味があったらご覧くださいね。

お手持ちのヘッドホンアンプで聞くのはシンプルでお勧めできると思います。

WiiM中々良い音なんですが、WiiMってビットパーフェクトできるようなのでその点が良いのでしょうか。ビットパーフェクトでなくても音良い再生機ありますし、良く分からない点は多いですね。

■ビットパーフェクトとは?

書籍 デジタルなのになぜ音が変わるのか?・・・参考までに購入してみました。

“ビットパーフェクト”
本当にしていますか音楽をデジタルで聴くための新常識

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Xに投稿したところ思ったより興味を持っていただいたようです。

ビットパーフェクトに関しては0と1を間違いなく同じデータとして0と1で伝送しているという意味のようですがこれが出来ていない機器もあるようですね。WiiMは安価な価格帯で現在唯一のビットパーフェクト機のようです。

Amazon musicのアプリではPCと実際の音楽のサンプリングレート〇〇KHz 〇〇bitという数値はぴったり自動的には合いません。私はサンプリングレート以上に設定していますがどうなんでしょうね。

Amazon musicのbitとkHzとがWiiMアプリを見ると同じになるのは良さそうに思います。
PCだと自動で合わせてくれないので。

■WiiMアプリは機能豊富だが

WiiMの使い方ですが携帯に専用アプリを入れてWiiMをコントロールします。面白いのはイーサネット、Bluetooth、ライン入力の各ソースで10バンドイコライザーが設定できることです。これは使うかなぁ。でも多機能ですね。

曲の画面はAmazon musicとよく似ています。しかしプレイリストとかはWiiMで作成するよりAmazon musicの方が作りやすそうです。という訳でAmazon musicで作ったプレイリストをそのまま読み込んでいます。

写真の歌い手は鹿乃さんですが、角が生えています。まさか、しかのこのこのここしたんたん、と関係が?!

操作性ですがWiiMアプリよりPCのAmazon musicの方が操作性は良さそうに思いました。巻き戻すと曲の最初ではなく前の曲まで飛んでしまいます。これは試聴に向いていない(汗)

一応リストの状態にして任意の曲をポチると最初からスタートするようです。

■光デジタル接続かCOXAL接続か

My New Gear. MOGAMI 2964 デジタル同軸ケーブルお迎えしました。 WiiM使っていると欲が出てもっといい音で鳴らしたくなりますよね。光デジタルとCOAXIAL出力でどちらが良いのか気になって購入しました。COAXIALの方が好みかなぁ。光デジタルは色付けが少なく、COAXIALは生気があるように思いました。

COAXIALは銅線が繋がっている同軸型のケーブルです。同じデジタル信号を伝送するケーブルで音色の違いが出るのはどうにも理解しにくい現象です。ですが、以前スペアナで光デジタルケーブルとHDMI、USBケーブルなどと比較して輻射ノイズを測定したのですが明らかに光デジタルケーブルだけノイズが小さかったです。そうすると光ケーブルの方が伝わっているノイズが小さくて良さそうなんですけどね。

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音光堂さんのケーブルですがいつも真空パックです。パックに入れるだけでも酸化しにくくなります。コレは良いですね。

■WiiMProの電源ノイズ

WiiMの電源はACアダプター⇒USB-C入力ですがちょっと電圧波形を見てみましょう。

スイッチング電源で見るのは波形安定度、リップルノイズの形状、スイッチング周波数など。 5V/2Aの電源に20Ωの負荷をつないでみます。ちょうどWiiMの定格動作あたりです。波形は安定ですがリップルノイズは多いかな。気になるのはスイッチング周波数が25KHzくらいで可視聴帯近くでした。 ちょっとプアーかもしれませんがコスト的な所もあるので仕方ないかも。むしろ頑張っているとも言えます。この辺みるとWiiMの電源強化は効果が期待できそうです。

以前、電源強化の一環でリニア電源を購入したのでWiiMに接続してみましょう。A&D社 直流安定化電源 AD-8724Dです。30V/2.5Aと中々使い勝手が良いです。

音の方はというと余裕というか力強さが出てきました。低音からしっかりしてきましたね。元々鳴り方がおっとりした感じなのでWiiMとの組み合わせは良さそうに思いました。聴いていてストレスがないです。お手持ちに5Vのリニア電源がある方は試したら如何でしょうか。

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■WiiMの音質upまとめ

この辺で音質対策をまとめておきたいと思います。はい、こちら!

■WiiMProはLAN⇒デジタルトランスポートで真価を発揮する

RCA出力(内蔵DAC)も聴いて見ましたが、私の場合外付け出来るDACが既にありましたのでWiiMからFiiO K9AKMに接続して聴くことにしました。やはり、ネットワークストリーマーはネットワークストリーマー、DACはDAC・・・というようにそれぞれ専用機に任せた方が最も良さそうに思いました。これは一度聴いてしまうと戻れないですね。

後はRCAライン出力をヘッドホンアンプに繋いで聴くというものです。手持ちの真空管ヘッドホンアンプと組み合わせて聴くとミニマムでお手軽なオーディオとなりました。

パワーアンプをつなげてスピーカーでも聴けるようにしました。モニターで聴くには便利。 写真は手持ちの300B真空管パワーアンプですが大きくて重い。しかし、ミニマムオーディオとは言えなくなってきました。(汗)

■お楽しみ。分解コーナー!!

さて、ここまで来たら分解しておこうかなー。どうやって開けるのかな?

『WiiMProさん』禁則事項です。
『manotch』ん?ここからネジが見えるけど・・・ネジを外して・・・アレ?裏ブタが外れないぞ!
くっ、やるなWiiMPro。今日はここまでにしておいてやるぜ!

ダメでしたー。ギブアップ。誰か分解方法知っていたら教えてください。

・・・すると、親切なフォロワーさんがWiiMの分解動画を紹介してくれました。ありがとうございます!

しかし、四隅のネジがあったので外したのですがまだ何かで蓋が引っかかるようで外せませんでした。蓋が爪で引っかかるように見える部分があります。

吸盤を買ってやって見ましたが力が弱くて外せません。結局、精密ドライバーを差し込んでラジペンと合わせて強引に取りました。↓こんな感じです。傷がついてしまった。分解は自己責任ですよー。

結構勘合がしっかりしていました。WiiMAMPの動画も見ましたが同じような構造のようですね。

■部品レイアウトが良く配線もキレイ

WiiMの分解動画を参考にして分解してみました。動画はメイン基板をひっくり返した様子です。 基板設計ですがレイアウト、流れ方など自然で奇麗な配線だと思いました。音の良さにも表れると思います。

基板をつなぐフラットケーブルですが、ぐるっと銀色のシールドテープ?で巻いてありますね。輻射ノイズ対策でしょうか。

基板のパターンの写真も気の付いた点を載せておきます。

裏ブタを開けたところです。面白いのは右の方にある厚い鉄板?ですが単なる重りのようです。

部品レイアウトですが奇麗ですね。詰めすぎもせず、無駄な広がりもなくという感じです。

部品配置は入念に検討したようです。回路は分かりませんが流れが読める感じです。

うーん、良く出来ている。勉強になりました。

こちらがメインのチップセットでしょうか。亀の子のような段積の基板構成です。

USB5V電源の回路ですが、ノイズ対策やパスコンなどは無いようです。USB電源の質で音質は改善しやすいでしょうね。いやー楽しかった。

■総括

最初の音出しから中々良かったので欲が出てあれこれやりましたが、何と言ってもいい所は簡単な接続でサブスクを手軽に良い音で楽しめるところでしょうか。余り高音質、高解像度で聴かせてやろう!という感じではないのですが、癖のない軽やかな感じで長時間音楽を聴いていても楽しいです。

そして、アレコレ試した結果は下記です。主にリニア電源化ですが低音の出方が良くなり、力強い感じになりました。これは良い買い物をしました。買って良かったと思います!

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

Plus・・・はWiiM Proの上位モデルです。電源を強化してきたようですね。無印と迷う所です。

最近リリースされた最上位モデル。むぅ、一度聴いて見たい・・・。

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久しぶりに絵を投稿。もう秋ですねー。

By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。 開発経験DC~110GHz。