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sennheiser HD660Sをしっかり鳴らすにはヘッドホンアンプ買えばよかった!という事が分かりましたのでヘッドホンアンプかDACでアンプ付きモデルを探したところFiiOさんのK7が目に留まりました。サイズも割と小型でデスクトップにおいても余り邪魔にならなさそうです。フォロワーさんの評価も上々でしたので大丈夫だろう!という事で購入しました。私は割と同じメーカーの違う機種を購入することが多いのですが今回はKA3とK7の比較も興味がありました。『携帯DACと据え置きDACだと何がどう違うのか?』とかです。据え置き型は小型化に関しての制約が少なくなるので音質的にはかなり有利だと思います。実際に聴いて見ながらレビューしていきたいと思います!結論から言うと音がしっかり出て安定感があり、細かいニュアンスも良く出る!ですね。未試聴で購入したのでどうだろうと思いましたがこれでほっと一安心です。

FiiO K7のパッケージです。KA3の時もそうでしたが箱がキラキラです!
内容物はこんな感じです。本体と取説です。あれ?電源が無いのかな。まさか?別売??
電源は別売ではありませんでした。良かった。AC100VからDC12Vに変換してから本体の電源ジャックに差し込んで使用します。出力は12V,2Aで24W相当です。これくらいなら電力的に余裕がありそうです。電源が分離されているので別に購入して電源を強化したりすることで後々音質向上させることもできそうですね。

主な仕様を見ていきます。やっぱり今回はパワーが取れそうという事で据え置き型を選んでみましたがどこが違うかというと携帯型のKA3に比べてバランスで15.4倍のパワーが出ていることですね。アンバランスでも5.1倍のパワーが出ています。この違いは大きそう!

K7 ≥2000mW (バランス, 32Ω負荷時 / THD+N<1%) KA3 130mW@32Ω
K7 ≥1220mW (シングルエンド, 32Ω負荷時 / THD+N<1%) KA3 240mW@32Ω

主な仕様

DACチップAK4493SEQ ×2
アンプテクノロジーTHX AAA-788+ ×2
USBレシーバーチップXMOS XUF 208
デジタル入力USB Type B ×1
RCA同軸 ×1
TOS光 ×1
アナログ入力RCAライン入力×1系統
アナログ出力RCAライン出力×1系統
ヘッドホン出力4.4mmバランス ×1系統
6.35mmシングルエンド ×1系統
対応サンプリングレートUSB:PCM 384kHz/32bit, DSD 256 (Native)
RCA同軸:PCM 192kHz/24bit
TOS光:PCM 96kHz/24bit
ヘッドホン推奨インピーダンス16~300Ω
出力≥2000mW (バランス, 32Ω負荷時 / THD+N<1%)
≥1220mW (シングルエンド, 32Ω負荷時 / THD+N<1%)
S/N比≥120dB (A-weighted, USB入力時)
THD+N0.00028%未満 (ヘッドホン出力時)
0.0005%未満 (ライン出力時)
ノイズフロア7.7uV未満 (バランス, A-weighted, USB入力時)
4.4uV未満 (シングルエンド, A-weighted, USB入力時)
出力インピーダンス1Ω(32Ω負荷時)
寸法120mm x 168mm x 55mm
重量約610g
付属品ACアダプタ
電源ケーブル
USB Type A to Bケーブル
6.3mm to 3.5mm変換アダプタ
クイックスタートガイド
保証書
出典 FiiO K7 ホームページ 

上から見たところです。すこし凹凸のある表面加工にマットな艶消し黒塗装です。高級感がありますね。

出力のパワーがこれだけ大きく取れる理由ですが据え置き型は電源が家庭用コンセントからとれるので供給電圧が高くできるところだと思います。K7の電源はDC12Vですが内部のブロック図を見るとヘッドホンアンプに相当する電源は電源ロスの小さな定電圧電源で11Vで供給されています。一方、マイナス電源もおごられていますね。マイナス電源はDCDCコンバーターで-11Vを生成しているようです。これで±11Vの高い供給電圧を使ってヘッドホンアンプの電源を形成しています。電圧に余裕があると高いインピーダンスのヘッドホンでも余裕でドライブできます。HD660Sは150Ωで比較的インピーダンスが高いヘッドホンですが計算すると1.8Wくらいは出せるかもという感じです。壊れるくらいのパワーが供給できるのでHD660Sは余裕でドライブできそうです。

携帯型のDACの欠点ですが電源電圧に制約がある所で通常3V程度で動作していると思いますので供給電圧がとれないぶん出力電力がどうしても200mWとか落ちてしまいます。以前KA3の出力がどれくらい出ているかオシロで確認した時も1.5Vppくらいでしたからドライブ力も差が出てきます。

そもそも目的が違うのでこれは仕方ないと思います。使い方を目的によって使い分けるのが良いかなと思います。KA3は現在、主に寝室の寝ホンのドライブ用として使用しています。

ドングルDACで手持ちのFiiO KA3とShanling UA2です。
フィーオ
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■K7とノートPCの接続

K7はDAC付きアンプなのでノートPCのUSB-Aコネクタからケーブルを介してK7の背面にあるUSB-Bコネクタに接続します。接続ケーブルは付属しています。ただし、USB-AからUSB-Bのみなのでその他の機器と接続する場合は別途ケーブルが必要です。K7の出力は4.4mmバランス ×1系統と6.35mmシングルエンド ×1系統がありますので、バランス接続でHD660Sを繋いで聴いて見ることにします。

■音出し

さあ、音出ししてみます。ドキドキ。ん?なんじゃこりゃ。ぽわーんとした甘めの感じの音だったので少しエージングして様子を見てみることにしました。毎日数時間鳴らして経過を見てみます。どうやら最初の方がおかしかった感じで後は良い感じになってきました。エージングの効果は検証をあまりしたことが無いのですが部品やケーブル、振動板などは少し慣らしが必要に思います。その為、インプレッションはある程度エージングした後の音になります。

K7の電源を入れたところです。ボリューム周りにライトが点灯します。今時な感じでカッコいいです。ボリュームを左下から右に回すとカチッといって電源が入ります。これは昔の電源スイッチ付きのボリューム仕様じゃないですか。今時な感じと昔の感じがミックスされて面白いです。こういう面白いオーディオ機器はもっとトライしてほしいと思います。国内のオーディオメーカーではこういう仕様は通らないだろうなー。

K7の音のインプレッションですがKA3に比較して立ち上がりが良くて切れがあり、一つ一つの音が明瞭に聞こえてきます。KA3は割とふわっとした鳴り方で良く言えばウォーム、悪く言えば物足りない感じでした。その為、くつろいで寝室で寝ながら聴くのに適していると思います。K7はそれに対して音が明瞭なので引いている演奏の雰囲気や音の強弱が良く分かります。全体的にピントが合った画質の良い写真のようです。K7は電源回路がDACやアンプごとに独立していて定電圧化されています。その効果かな。パターンは複雑になりますし、GND周りもどう配線するか悩ましいと思いますが電圧が一定になるので音的には安定するのではないかと思います。また、音量を上げていくときのリニアリティーも予想通り良い感じです。ボリュームを上げただけそのまま音が大きくなっていきます。ここは予想通りで良かったです。低音も以前聴いて見たカーオーディオアンプのharman kardon CA215ほどの低音は出ないのですがぐっと低い所から出る感じです。上を見ればきりがないかもしれませんが良い意味でここまでなってくれたのは良かったと思いました。

聴いていて気になったのは少し高音がざらつく感じがあることなのですがこれはノートPC側の問題のようで携帯の方に接続して聴くと良くなります。その為、次回は携帯の方で聴いたインプレッションなどを記事にしたいと思います。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。 開発経験DC~110GHz。