こんにちは、manotchです。ネットワークオーディオ楽しんでますか?私はというと、どはまり中です(苦笑)
ネットワークストリーマーの実力機、WiiM UltraをMy New Gear.しましたので記事にしました。音質改善するためのTipsも載せますよー。今回の推しは『WiiM Ultraのリニア電源駆動による高音質化』です。
実際にどうすればリニア電源化出来るのかも詳しく紹介させて頂きます!

さて、WiiM Proを購入してネットワークオーディオ沼に入門したわけですがコレ面白いですねー。
簡単に総括します。
目次
■WiiM Proまとめから

接続系としてはネットワークストリーマーをトランスポート専用機として使って、同軸デジタル出力をDACアンプで受けてヘッドホンに出力するのが良さそうでした。なんでもWiiM Proのネットワーク処理系の出来が良いとか。詳しい方がいて教えて貰いました。
あと、電源系としてはLANスイッチとネットワークストリーマーの上流電源をACアダプターのようなスイッチング電源から専用のリニア電源に変更して供給するのが良さそうでした。WiiM ProやLANハブを分解したんですが電源ノイズ対策が無いんですよね。ここはまだまだ伸びしろがありそうです。

写真はWiiM ProのUSB-C 5V電源周りの分解写真です。パスコン等も無しで割り切っています。
これはコスト面で仕方ないかも。しかし、これだけの音質でサブスクを気軽に楽しめるようになったのは素晴らしいことだと思います。
■WiiM Ultra編スタート
しかし、欲望というのはキリがないものでWiiM Proの上位モデルも狙って見たくなりました。どこまで良くなるんでしょうか。期待したいですね。普段、ヘッドホンかイヤホン使いなのでパワーアンプがないWiiM Pro PlusとWiiM Ultraから選択することに。

結局、外観が据え置きタイプでカッコいいUltraの方を購入することにしました。現在のDACアンプがFiiO K9AKMなのですがちょうど大きさが同じくらいで合いそうです。
というわけで早速開梱。

フロントパネルは保護フィルムが貼ってあり、綺麗に剥がせました。

付属物は写真のようになります。

HDMI ARC用ケーブル、光デジタルケーブル、RCAケーブル、電源ケーブル、PHONO用のグランド端子(ピン)、リモコンとなります。一式揃ってるので音出しはすぐできます。レコードプレーヤーは持っていませんが、PHONOに繋げるのは面白いですね。
同軸デジタルケーブルは付属してません。リファレンスとして定番のモガミを一本購入して使用しています。

■デザインと質感
WiiM Proと比較しながら見ていきます。どちらも角がラウンド処理してあるシンプルなデザインです。
WiiM Proより一回り大きく重いので存在感ありますね。FiiO K9AKMより少し小さいかな。
WiiM Ultra⇒211 x 200 x 72 mm,1.42 kg
WiiM Pro⇒140 x 140 x 42 mm,330g
金属筐体か質問を頂いたのですが、エミライさんのサイトによるとアルミニウム筐体という事です。
触った感じはサイド外周がアルミニウムで天板と底板はプラスチック成型の様でした。分解して中身を確認しましたが、ビルドクオリティーは良く精度高く製品化出来ていると思いました。

FiiO K9AKM DACアンプと並べてみました。大体同じ大きさです。

WiiM Ultraのパネル右下にヘッドホン出力がある事を発見。知らずに買ってました。ちょっと得した気分!(苦笑)

フロントにボリュームがあり音量を変えられます。ポン置きでほとんど完結できてしまいますね。ボリュームはプラスチック成型でシャリシャリすれる感じで回るので質感は微妙な感じ。私はWiiM側を固定出力に設定して、FiiO K9AKM DACアンプ側のボリュームで音量調整しています。

フロントパネルにはディスプレーが付いています。
アナログメーター付きのパワーアンプみたいなデザインにも変更できます。ちょっとおしゃれです。フォロワーさんから絵ずらが変態的という話(後ろのバッテリー電源?)もありましたが、そこ突っ込むところじゃないです(笑)
歌のタイトル表示の他、時計、壁紙など選べます。時刻表示は正確でいいですね。最初は時間がずれていたのですが勝手に合わせてくれるようです。

WiiM Proと並べて背面から見てみます。 LINE IN/OUTに加えPHONO入力、サブウーハー出力、USB、HDMI ARCなど端子が豊富です。使いこなせるんでしょうか(汗)
それからPHONO用にGNDピンが挿せるようになっています。
デザイン、質感は良く満足度は高いと思います。何と言ってもカッコいい。
■LANスイッチ分解。超楽しー!(脱線)
ところで、いつもはファーストインプレッションで音の感想を記事にすることが多いですが今回は見送ってました。理由ははい、こちら!

写真はYAMAHA SWX2210-8G、8ポートLANスイッチ分解中です!
LANスイッチをバッテリー駆動にして音を聴けそうだったので改造しています。超たのしーーー!!

YAMAHA LANスイッチですが見えないところまできっちり作りこんでいて好印象。パターンも表裏見ましたが45度配線をうまく使っていてファンタスティックです。見ている人余りいないと思いますけど(汗)音質も伸びしろが期待できそうです。これはやりがいあるなー。機会があれば別途記事にしていきたいと思います。
いつものように脱線。すまん!
■音のファーストインプレッション
さて、WiiM Ultraに話を戻します。音出しでちょこっと聴いていますがファーストインプレッション書かないのもアレなんで、どんな感じの音だったか記事にしておきたいと思います。気になる方は多いでしょうから。まだまだ変わるだろうし、良くなるポテンシャルがありそうですけどね。
接続はWiiM Ultaraをネットワークトランスポートにして同軸出力をFiiO K9AKM DACアンプに繋いで聴くというものです。WiiM Proの時と同じです。以前の結果が良かったので多分これが良さそうという事でやってみました。

上流のルーターとLANスイッチがバッテリー電源というちょっとやりすぎ感のある接続ですが音は静寂感が出て中々良いです。WiiM Proも同じように接続して比較してみます。下記のようになります。

WiiM Ultraのファーストインプレッションですが、ローが出て解像度が上がっている。です。
低音の出方がしっかりしてベースにも躍動感と切れがあります。ボーカルもはっきり歌っているなぁと思いました。低音スキーなので最初の音出しから低音の出方が良くて良かったです。後は中高音から少し音が眠たいというか丸っこいという感じがあってそこはちょっと気になりました。なんでかなぁ。
こういった類のファーストインプレッションって後で配線などを検討している内に良くなったりして変わることも多いです。なので、参考程度にしてくださいね。

WiiM Proはどうだったかというと、解像度とか高音質で聴かせてやろうという感じではなくふわっと一体になって音が出てくるように思いました。サブスクを気軽に聴くにはもってこいだと思いました。
ただ、聴いた感じ電源周りは弱そうでこの辺は価格相応かなぁというインプレッションです。

WiiM Ultraですがその辺を強化してきたのかと思いました。電源周りが手厚くなっているかもしれません。AC100V入力なので電源は内蔵方式のようです。この方式のいい所は電源が回路と近く音質的には有利なところです。WiiM Proは電源が外付けなのでどうしても距離が遠くなり回路的には不利になると思います。後は何でしょうね。筐体の差なんかも効いているかもしれません。
パワーアンプでは経験しているのですがしっかりした筐体だと音もしっかりして低音も楽に出る感じがありました。基板とか回路は同じような構成だったのですが上級機では電源周りとかシャーシにもお金をかけられるのでそういう所でも変わってくるようです。
ところがです。WiiM Proって元々USB5V系のスイッチング電源を使用しているのですがここをニッケル水素電池にして供給すると音が良くなって大分印象が変わってきます。

以前検討した音の良い電池ボックスと固体コンデンサの組み合わせによる電源供給にすると音に静寂さが出て低音も出るようになってきます。後は外付け電源なので定数を変更して音変で遊べる所が良いですね。
こういった対策をすることで音に透明感や伸びやかさなどが出てきます。WiiM Ultraとはまた違った感じです。試しに電源をUSB5Vの純正スイッチング電源に戻してみます。少しざわつきが出て音もにぎやかになるのですがノイズ感が出てくるように思います。ここは少し引っ掛かります。

WiiM ProとWiiM Ultraを比較すると超えられない壁があるという感じではなく、低音強化とか音の出方とかをしっかりするといったブラッシュアップ的な音質改善を行ってきたという印象です。
以前、DACアンプのFiiO K7からK9AKMにステップアップしたのですがその時は今まで聞こえなかった音が聴こえるようになったり、音場の広がりといった壁を一つ乗り越えたような感があったのですがそういうのとは違っているように思います。この時はDACのチップセットが変わったりしたのが大きかったかもしれません。あーでもこの時もK7が外部電源(スイッチング電源)からK9AKMが内蔵電源(リニア電源)という違いがあったのでその辺も音の差が出た要因かもしれません。

この写真は以前分解したFiiO K7 とK9AKMの内部のようすです。K7は電源が無いのでその分小型化出来ていますね。
さて、大体の接続系あらましと音のファーストインプレッションをお届けしました。次はアプリの設定とか操作性あたりになりますが、結論から言うとWiiM Proと同じ手順で音出しまで出来ました。詰まるところもなく素晴らしい。
■リモコンだけで操作できる!
WiiM Ultraの音出しまでですがWiiMアプリを携帯にインストールして指示通りに進めればOKです。ここはProと同じで簡単です。Proと違うのはリモコンが付属していてペアリングするところです。携帯でも操作できるのでリモコンって使うんでしょうか(汗)
ふーむ、携帯が無くてもリモコンだけで動作できれば結構いいかも。出来るのかな?

携帯アプリをオフにしてみます。携帯のWiFiをオフにすると出来ます。これで携帯からは操作できなくなりました。ここからリモコンで電源ボタンを押して・・・あっ!!プレイできますね。こういう使い方も出来るのか。もうちょっと宣伝しないと分からないんじゃないでしょうか。
携帯のようにアプリの画面から曲を選べるわけではないので進む、戻るといった操作になります。しかし、携帯を起動しなくても気軽に使えるメリットがありそうです。
■ビットパーフェクト
WiiMの売りであるビットパーフェクト再生ですが、コレのいい所はWiiM側のアプリで制御してくれるところでしょうか。Amazonのアプリだと24bit-192KHzとかビットレートと周波数は合わせてくれません。調べた限り、ビットレートと周波数が合っている方が信号処理が簡潔になるようです。※合っていないと信号処理する必要が出る。

それから0と1のデータ情報が欠落せず同じデータで再生されることもイイんでしょうね。この辺は検証が出来ていないので良く分かっていません。詳しいエンジニアに聞いて見たいところです。
■WiiM ProとWiiM Ultraの併用
WiiMアプリを起動するとWiiM ProとWiiM Ultraのデバイスが両方認識されアプリ上でも使えるようになります。写真はUltraで音楽を聴いているときの状態です。アプリからの操作方法はどちらも同じです。
別々の場所で鳴らすとか連携して使用できそうですが、同時に鳴らすのは出来ないんでしょうね。
ただ、Ultraにしかない機能が表示されるようになります。

例えば下記の写真はヘッドホンの出力レベルです。変更できます。最大2Vrmsですね。ん?最近のヘッドホンアンプにしては低いかな。

■内蔵ヘッドホンアンプについて
ヘッドホンアンプはTPA6120A2と仕様書にありますが出力は記載がないので測定してみます。アプリで最大で2Vrmsとありましたが計算では0.125W/32Ωとなり、近頃の据え置き機としては低い値です。ただ、DT990PRO 250Ωなどで鳴らしてみましたが音量不足という程ではなかったです。

オシロで確認すると2Vrmsまで出ていませんでした。入力レベルが-10dBの信号なのでクリップするところまでいかないんでしょうね。

面白いのはディスプレーのアナログメーターの読み取り値ですが音源レベル-10dBに対して大体-10dBくらいを表示していました。なんちゃってメーターではないようです。
肝心の音はというとローが出て解像度があるというファーストインプレッション(UltraをトランスポートにしてK9AKMのDACアンプ出力)と近しい音色はあるもののK9AKMと比べるとやや平凡な印象を受けました。透明感や音場の広がり、ドライブ能力といった点でK9AKMには一歩及ばずという感じです。まぁ、仕方ないかも。
しかしながら、この価格帯でヘッドホン出力があり一台で完結できるというのはコスパが高く良く頑張っているともいえそうです。次のステップとして外付けでヘッドホンアンプをつないだり、パワーアンプをつないでスピーカーシステムを組んだりとか発展していけそうですね。
■真空管ヘッドホンアンプで聴く
そこで、内蔵ヘッドホンアンプを使わずRCA出力にして手持ちの真空管ヘッドホンアンプ(XDUOO MT-602)に接続して聴いて見ます。低音の力強さと真空管アンプの適度なスパイスがマッチして生き生きとした表情を見せてくれます。これは中々お勧め。

仕様書を見てみるとDACのチップセットはESSのSABREフラッグシップDAC「ES9038Q2M」を使用しているという事でそれなりのパーツを投入しているようです。それでかな。
XDUOOのヘッドホンアンプのゲインは実測で16dBくらい、出力の振幅は20Vpp以上あったと記憶していますのでちょっとボリュームを上げただけで爆音になります。出力に余裕ありすぎです。そこで、WiiM Ultraの出力レベルを200mVrmsにして下げてやるとボリュームの位置もちょうどいい感じに鳴るようになりました。
真空管ヘッドホンアンプは何台か所有していますのでとっかえひっかえして鳴らしてみようかなぁ。以前、5台ほど実機レビューした記事がありますので興味があったら参考にしてみて下さいね。
■WiiM Ultra 分解しちゃった
しかし、7月になって蒸し暑い日が続きますね(汗)こういう日はクーラーかけてオーディオ三昧に限る!ということで結局、WiiM Ultraを分解してみることに。さあ、お楽しみがやってまいりました!問題は元に戻せるかどうかです。(苦笑)

分解する理由は2つ。『勉強』と『音質改善について考察』です。
ぱっと見た感じですが、これだけたくさんの機能を実装するのにこのスペースに入れるのは苦労しただろうなーと思いました。Proに比べると結構カツカツに見えます。
さて、WiiM Ultraの裏面ですがゴム足が4か所あります。分解を進めていきましょう。
※自己責任ですよ

以前、分解したWiiM Proもゴム足のところが粘着テープで固定されており剥がす必要がありました。それに対し、Ultraのゴム足は単なる勘合なので指で引っ張ると抜けます。これは素晴らしい。

こんな感じ。底板は吸盤を使ってぐっと引っ張ると外すことが出来ます。

面白いのはWiFiアンテナらしき物体が2か所、底板に貼ってあることです。フレキかな。普通は通信しやすい天板に貼りそうですが、感度は出たんでしょうね。アンテナのケーブルが細くて切れそうです。慎重に進めます。
基板は2階建てになっているようですが、上の基板はコネクタがボンドで固定されていてビビッて外すのはやめました。これで壊れたら泣けます。底板を外す動画を上げておきます。
側面はアルミ筐体のようですが内側は黒のプラスチック成型で二重構造になっています。FiiOのK7もK9AKMも金属筐体ですが内側がプラスチック成型でしたので何か理由があるかもしれませんね。

■WiiM Ultra重さの秘密
外側の銀色の淵の部分(側面)がアルミ筐体と思います。側面の分厚い所で3mmくらいでしょうか。リブ(柱で補強)構造になっていて剛性が髙いです。これは良いですねー。筐体を触った時のひんやりとした重厚感に繋がっていますね。それを内側から黒色のプラスチック成型がはめ込まれるように作られています。
こちらにはサブ基板の固定や天板の補強といった役割があるようです。WiiM Proの時もそうだったんですけどWiiMって結構しっかり基板が固定されているんですよね。未だあまり試せていないんですがデジタルオーディオ機器って振動に弱そうなのでこういうのは良さそうに思います。
面白いのは天板に2枚、結構な大きさの重りがネジ止めされていることです。

WiiM UltraはProに比べて重量が1.42kgとかなり重くなっているのですが側面の肉厚なアルミ筐体とこのウエイトがその理由のようです。ウエイトはProでもあったのですが、音質改善の為ということも考えられます。経験則ですが重さと音質に関係がある場合がありました。
重ければよいという訳ではなく、ウエイトが効果的に防振に作用させると良い方向に行く可能性があると思います。まぁ、重いと『おっ、何かしっかりしていて高そう』という演出・・。つまりなんちゃってウエイトの可能性もありますが・・。その辺はエンジニアに聞いて見たいところです。

電源部は外付けパーツからはスイッチング電源に見えます。電源周りのノイズ対策はしっかりとられているようですね。肝心な部分は黒いモールドで覆われていて分かりません。ノウハウでしょうか。
右下の方にLAN端子が見えています。近くにあるICはLANコントローラーのようです。型番からICの仕様書がネットで拾えたのですが、一般的な汎用品のように思いました。ネットワーク周りが優秀と聞いたのですがどちらかというと汎用品を使いこなしているという印象です。

内部を見てみるとメイン基板とサブ基板の2階建て構成です。接続するケーブルのコネクタが小型でケーブルが短い!ボンドで固定されていて外すのにも一苦労です。しかし、ここまで来たらメイン基板は一通り見ておきたいなという事でボンドを慎重に取り除き、ケーブルを取り外します。
結局、やっちゃったね!(苦笑)

そして、ついに分解できました!(満面の笑み)元に戻せるんでしょうか(汗)
■WiiM Ultra 電源の秘密
電源の部分で気になったのがこの黒いモジュール。型番が印字されていたので調べてみます。

表記を見ると中国ATAZ製(12V/1.67A)のようです。安全規格やノイズ規格通っていますね。ここはリニア電源化で音質改善できる可能性はありそうです。ネットでカタログスペックが拾えましたので参考までに記載しておきます。

リップル変動が100mVというのは一般的なスイッチング電源のスペックのように思いました。カタログを見る限り、極めてローノイズとか謳っているわけではないようです。ただ、モジュールの後段には電源回路が組まれているようなので音質はこちらで吟味しているようです。

スイッチング電源だからこういう音になる、という法則があるわけではないのですが結構な数のスイッチング電源を聴いてきたので経験則ですがローが出やすいというのはありそうです。
スイッチング電源だとトランスが小型になる分、巻き線抵抗もミリオーム台と小さくしやすいです。そのためレギュレーションが良く、電圧が安定しやすいです。その辺の効果かなぁ。ロスの小さい回路は音の出方に魅力がありますね。一方、欠点としてスイッチングノイズは大きくなります。ノイズ対策がないと音がざわついて荒っぽくなりやすい印象です。
リニア電源は電源トランスが大型になりやすく巻き線の抵抗も大きくなると思います。数オームといったところでしょうか。トランスからの電源供給では足りないので大型の電解コンデンサなどおごって電源を強化する必要が出てきます。その為、電解コンなどの音が支配的になってくるようです。まぁ、一長一短でしょうか。どちらも良い所はあると思います。
■音質改善案(外部リニア電源)
せっかく分解したので、内部のスイッチング電源の代わりにリニア電源にして音質改善できないか検討してみることにします。分解して再び戻すともう満足して改造までしなくなりそうです。(苦笑)
回路を追っていったのですが写真のコイルを外すことでスイッチング電源の回路と完全に分離できそうです。AC100Vを接続しなければスイッチング電源が何か動作に影響を与えることはありません。

後は、写真の+12VとGNDの所にリニア電源を供給してやれば動作しそうです。見た感じは行けそうですがどうなんでしょうね。リニア電源を1台手配しておこうと思います。
結論から言うと1ランク以上音質を改善できたかな。参考になれば幸いです。
■リニア電源で駆動する
WiiM Ultraのリニア電源化の手順です。さぁ音質向上にチャレンジしましょう!
まず、外部リニア電源と内部の電源回路をケーブルで接続できるようにします。
接続ですが、GNDピンが挿さるφ3.5ほどの開口が筐体に有るのでそこに電源ケーブルを通します。こうするとケースは何も加工しなくて済みます。

ケースに傷がつかないのでちょっと嬉しい。
写真のケーブルは定番のMOGAMI2330(外径3φ)を使用しました。細身ですが取り回しが良く質感も良いです。シールドタイプですがWiiM Proで輻射ノイズを測定したとき結構出ていたので内部配線はシールドタイプの方がいいかなと思いました。ケーブルは様々な高周波ノイズを拾いますので。


下記の写真はWiiM Ultraのモジュール電源の出力回路に挿入されているトロイダルコイルと呼ばれるパーツでスイッチング電源の高周波ノイズ対策でしょうね。リニア電源にすると高周波ノイズはほぼ出なくなるので不要になります。ハンダを吸い取り線で取って外します。まずはここがポイントです。

AC100Vを入れなければ恐らくコイルを付けっぱなしでも動作上は問題ないと思いますが不要なものが回路にぶら下がっていると意外と音質に悪影響が出る場合があると思います。これでAC100V系からの影響は無くなりリニア電源で完全に独立駆動できるようになりました。
コイルを外したところに電源の逆接防止と思われる面実装ダイオードがあります。端子の両端に電源ケーブルをハンダ付けして筐体外側まで引き出しておきます。プラスとマイナスを間違えないように(汗)やっていることはシンプルなのでチャレンジしやすいと思います。やる価値は十分あると思いますよ。
自己責任ですが・・。

外すのは写真のコイルです。

黒い面実装部品がダイオードです。ケーブルをハンダ付けします。

ケーブルの引き回しはGNDピンの穴から入れてそのまま真っすぐ出していき、ダイオード付近で手前に見えるように折り返しています。
さあ、配線まで出来ました。動作するでしょうか。ドキドキ。
KIKUSUIのリニア電源に接続すると、無事ディスプレイが点灯し音が出ました!パチパチパチ。

リニア電源に動作電流が表示されるので測定してみます。下記に動画を上げておきます。
電圧は12Vで音楽をかけた時で0.4A(4.8W)くらい、電源オフで0.36A(4.32W)くらいでした。電源オフにしてもパネルの表示がオフになるだけで内部は動作したままのようです。バッテリー電源だと繋ぎっぱなしでは放電して電池が無くなってしまいますね(汗)
電流を見ていると結構不規則に振れます。WiiM Proで測定したときもそうでしたが内部の挙動が複雑なんでしょうね。電源や配線経路のインピーダンスを下げることでリップルを改善する効果がありました。リニア電源と言えどもWiiM側の動作で負荷電流が急峻に変動すればケーブルからスイッチングノイズが発生します。ここは盲点になりやすいですが気を付けるべきところでしょう。
KIKUSUIのリニア電源(PMC18-2)は18V-2Aのスペックですが出力のリップル電圧は0.5mVrmsなっていてWiiM Ultraの純正スイッチング電源(100mVrms)に比べて小さい値になっています。ノイズに関してはリニア電源の方が圧倒的に小さそうなので音質的にも効果がありそうです。
■リニア電源の音質
KISUSUIのリニア電源ですが過去に音を聴いたら割と良かったので中古でもう1台手配してみました。9千円くらいですが結構美品で良かったです。純正のスイッチング電源に比べるとスピード感とかローが出る感じが減りますが、ぐいぐいとした力強さとか解像度の良さは残っています。これはWiiM Ultraの持ち味でしょうか。音の出方の方はおっとりとして素直な感じの方向性に変わってきました。
リニア電源はオーディオ用に各社からリリースされているモデルもありますので今後、良さそうなもの出てこればグレードアップしたいですねー。

まぁ、ある程度予想したとおりですが概ね良い感じです。最初のころに感じた中高音からの音の眠たい感じや丸っこい感じが抜けて高音にかけて開放的な伸びやかさが出てきました。
WiiM Proの時ほどリニア電源化したとき程の音質改善効果は感じられなかったのですが、外部に電源を繋げられるようになったので色々電源を変更したり、改造したりして遊べそうです。
■バッテリー電源の音質
次に、リニア電源の代わりにバッテリー電源でも駆動してみようと思います。オートバイや車載で使用する鉛12Vバッテリーを何台か所有していますので接続を付け替えて聴いて見ます。
バッテリーのいい所はなんといってもノイズが極めて小さいという所でしょうか。ネットワークオーディオにローノイズな電源が必要というのはやっている内に分かってきた事ですが、綺麗で時間軸に正確な信号波形を作ることはきっと重要なんでしょうね。

接続はシンプルにバッテリーを直接、12V入力に繋ぎます。最終的には下記のようになりました。
ルーター、LANスイッチ、WiiM Ultraと上流電源全てバッテリー駆動という変態的構成ですが必須という訳ではなく、バッテリー駆動できるものだけでも試してみると面白いと思います。
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音質はと言うと低域からどっしりとした安定した鳴り方です。これはバッテリー駆動というより、使っている鉛バッテリーの性能が優れているからかもしれません。直流からボーカル領域のKHzオーダーまでインピーダンスが数mΩ~10mΩ程度と非常に小さく驚異的な電流供給能力があります。

一音一音がはっきりと聞こえ小さなホールエコーまで拾うので空間の表現が立体的で良い感じです。うーん、ずっと聴いていたい。
今はとりあえずバッテリー直で繋いで見ただけなのでまだまだ伸びしろがありそうです。バッテリーは充電が面倒なので充電器も必要ですが、普段はリニア電源を使用して、じっくり視聴したいときはバッテリー電源というように切り替えて使っています。とりあえず満足!

■総括
音質も1ランク以上、確実に良くなったと思います。やったね!
という訳でひとまず終わりにしようと思いますが如何だったでしょうか。
ネットワークオーディオは電源一つとっても奥が深くやりがいのあるテーマだと思います。WiiM Ultraは中身を見た感じ、エントリークラスを脱した領域にあり音質に関しても上を目指せるポテンシャルを秘めたコスパの高い実力機だと思いました。買って期待外れだったーとかは少ないんじゃないでしょうか。外観もカッコいいし買って良かったと思います!
おまけ
【WiiM UltraかWiiM Proかならどちらを購入する?】
ポン置きで簡単に高音質が良いならWiiM Ultra。電源強化して遊びたいならWiiM ProかPlusでしょうね。
後はデザインの好みとか予算に合わせてという感じです。
【イヤホンで聴いて見る】
インナーイヤホン、Sennheiser IE600を繋いで聴いている所です。艶やかさが出てレスポンスが高い。こっちもまた良いですねー。ムフフフ。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。
以前購入したWiiM Proのレビューです。コスパが高いので購入する場合、WiiM Ultraと悩むところです(苦笑)まぁ、どちらも外れは無いと思います。



まだあるよ!音質改善の記事。実測や検討など盛りだくさん!
『エントリー編』ネットワークオーディオにチャレンジ開始。ハブやLANケーブルを新調したり。
『二重ルーター+VLAN編』いよいよ音質改善にチャレンジ。ネットワークオーディオ沼PART6~10の総集編です。
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