こんにちは、manotchです。WiiM Ultra編も一旦最終回。リニア電源化の後日談になります。結論から言うと1ランク以上音質を改善できたかな。参考になると幸いです。

■リニア電源で駆動する
WiiM Ultraのリニア電源化の手順です。さぁ音質向上にチャレンジです!
まず、外部リニア電源と内部の電源回路をケーブルで接続できるようにします。
接続ですが、GNDピンが挿さるφ3.5ほどの開口が筐体に有るのでそこに電源ケーブルを通します。こうするとケースは何も加工しなくて済みます。

ケースに傷がつかないのでちょっと嬉しい。
写真のケーブルは定番のMOGAMI2330(外径3φ)を使用しました。細身ですが取り回しが良く質感も良いです。シールドタイプですがWiiM Proで輻射ノイズを測定したとき結構出ていたので内部配線はシールドタイプの方がいいかなと思いました。ケーブルは様々な高周波ノイズを拾いますので。


下記の写真はWiiM Ultraのモジュール電源の出力回路に挿入されているトロイダルコイルと呼ばれるパーツでスイッチング電源の高周波ノイズ対策でしょうね。リニア電源にすると高周波ノイズはほぼ出なくなるので不要になります。ハンダを吸い取り線で取って外します。まずはここがポイントです。

AC100Vを入れなければ恐らくコイルを付けっぱなしでも動作上は問題ないと思いますが不要なものが回路にぶら下がっていると意外と音質に悪影響が出る場合があると思います。これでAC100V系からの影響は無くなりリニア電源で完全に独立駆動できるようになりました。
コイルを外したところに電源の逆接防止と思われる面実装ダイオードがあります。端子の両端に電源ケーブルをハンダ付けして筐体外側まで引き出しておきます。プラスとマイナスを間違えないように(汗)やっていることはシンプルなのでチャレンジしやすいと思います。やる価値は十分あると思いますよ。
自己責任ですが・・。

外すのは写真のコイルです。

黒い面実装部品がダイオードです。ケーブルをハンダ付けします。

ケーブルの引き回しはGNDピンの穴から入れてそのまま真っすぐ出していき、ダイオード付近で手前に見えるように折り返しています。
さあ、配線まで出来ました。動作するでしょうか。ドキドキ。
KIKUSUIのリニア電源に接続すると、無事ディスプレイが点灯し音が出ました!パチパチパチ。

リニア電源に動作電流が表示されるので測定してみます。下記に動画を上げておきます。
電圧は12Vで音楽をかけた時で0.4A(4.8W)くらい、電源オフで0.36A(4.32W)くらいでした。電源オフにしてもパネルの表示がオフになるだけで内部は動作したままのようです。バッテリー電源だと繋ぎっぱなしでは放電して電池が無くなってしまいますね(汗)
電流を見ていると結構不規則に振れます。WiiM Proで測定したときもそうでしたが内部の挙動が複雑なんでしょうね。電源や配線経路のインピーダンスを下げることでリップルを改善する効果がありました。リニア電源と言えどもWiiM側の動作で負荷電流が急峻に変動すればケーブルからスイッチングノイズが発生します。ここは盲点になりやすいですが気を付けるべきところでしょう。
KIKUSUIのリニア電源(PMC18-2)は18V-2Aのスペックですが出力のリップル電圧は0.5mVrmsなっていてWiiM Ultraの純正スイッチング電源(100mVrms)に比べて小さい値になっています。ノイズに関してはリニア電源の方が圧倒的に小さそうなので音質的にも効果がありそうです。
■リニア電源の音質
KISUSUIのリニア電源ですが過去に音を聴いたら割と良かったので中古でもう1台手配してみました。9千円くらいですが結構美品で良かったです。純正のスイッチング電源に比べるとスピード感とかローが出る感じが減りますが、ぐいぐいとした力強さとか解像度の良さは残っています。これはWiiM Ultraの持ち味でしょうか。音の出方の方はおっとりとして素直な感じの方向性に変わってきました。
リニア電源はオーディオ用に各社からリリースされているモデルもありますので今後、良さそうなもの出てこればグレードアップしたいですねー。

まぁ、ある程度予想したとおりですが概ね良い感じです。最初のころに感じた中高音からの音の丸っこい感じが抜けて高音にかけて開放的な伸びやかさが出てきました。
WiiM Proの時ほどリニア電源化したとき程の音質改善効果は感じられなかったのですが、外部に電源を繋げられるようになったので色々電源を変更したり、改造したりして遊べそうです。
■バッテリー電源の音質
次に、リニア電源の代わりにバッテリー電源でも駆動してみようと思います。オートバイや車載で使用する鉛12Vバッテリーを何台か所有していますので接続を付け替えて聴いて見ます。
バッテリーのいい所はなんといってもノイズが極めて小さいという所でしょうか。ネットワークオーディオにローノイズな電源が必要というのはやっている内に分かってきた事ですが、綺麗で時間軸に正確な信号波形を作ることはきっと重要なんでしょうね。

接続はシンプルにバッテリーを直接、12V入力に繋ぎます。最終的には下記のようになりました。
ルーター、LANスイッチ、WiiM Ultraと上流電源全てバッテリー駆動という変態的構成ですが必須という訳ではなく、バッテリー駆動できるものだけでも試してみると面白いと思います。
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音質はと言うと低域からどっしりとした安定した鳴り方です。これはバッテリー駆動というより、使っている鉛バッテリーの性能が優れているからかもしれません。直流からボーカル領域のKHzオーダーまでインピーダンスが数mΩ~10mΩ程度と非常に小さく驚異的な電流供給能力があります。

一音一音がはっきりと聞こえ小さなホールエコーまで拾うので空間の表現が立体的で良い感じです。うーん、ずっと聴いていたい。
今はとりあえずバッテリー直で繋いで見ただけなのでまだまだ伸びしろがありそうです。バッテリーは充電が面倒なので充電器も必要ですが、普段はリニア電源を使用して、じっくり視聴したいときはバッテリー電源というように切り替えて使っています。とりあえず満足!

■総括
WiiM Ultraのバッテリー駆動までテストして音質も1ランク以上、確実に良くなったと思います。やったね!
ひとまず終わりにしますが如何だったでしょうか。
ネットワークオーディオは電源一つとっても奥が深くやりがいのあるテーマだと思います。WiiM Ultraは中身を見た感じ、エントリークラスを脱した領域にあり音質に関しても上を目指せるポテンシャルを秘めたコスパの高い実力機だと思いました。買って期待外れだったーとかは少ないんじゃないでしょうか。外観もカッコいいし買って良かったと思います!
引き続きWiiM Ultraで音質改善の検討を進めていきたいと思います!
おまけ
【WiiM UltraかWiiM Proかならどちらを購入する?】
ポン置きで簡単に高音質が良いならWiiM Ultra。電源強化して遊びたいならWiiM ProかPlusでしょうね。
後はデザインの好みとか予算に合わせてという感じです。
【イヤホンで聴いて見る】
インナーイヤホン、Sennheiser IE600を繋いで聴いている所です。艶やかさが出てレスポンスが高い。こっちもまた良いですねー。ムフフフ。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。
以前購入したWiiM Proのレビューです。コスパが高いので購入する場合、WiiM Ultraと悩むところです(苦笑)まぁ、どちらも外れは無いと思います。



『エントリー編』ネットワークオーディオにチャレンジ開始。ハブやLANケーブルを新調したり。
『二重ルーター+VLAN編』いよいよ音質改善にチャレンジ。ネットワークオーディオ沼PART6~10の総集編です。
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