こんにちは! manotchです。
このブログを書くきっかけになったのは使っている携帯(iphone11pro)の音楽をたまたま自分の手持ちのヘッドホンで聞いたときに思った以上に音が良くなかったことでした。
目次
- 1 ■あれっ?iPhoneの音ってこんなに悪いの?
- 2 ■ヘッドホンに問題がある?
- 3 ■iPhoneに接続したDACの音が悪い?
- 4 ■iPhoneをイヤホンで聴くためのLightning DACケーブルが音が悪い問題がある?
- 5 ■Lightning DACの再生系がヘッドホンをドライブする能力が足りていない?
- 6 ■Lightning DACの再生系のドライブ能力を測定する
- 7 ■ヘッドホンを鳴らすドライブ力なら据え置き型が有利になる
- 8 ■ヘッドホンアンプを使用することで更に力強い音が手に入る
- 9 ■lightning DACの出力がしょぼくてもヘッドホンアンプを接続すると音に余裕が生まれる
- 10 ■総括
■あれっ?iPhoneの音ってこんなに悪いの?
音がラジカセの音のような感じであれっ?iphoneの音ってこんなに悪いの?と思いました。情報量も少なくて聴いていて何か物足りない。何かおかしいかもしれない。それまで携帯で音楽はほとんど聴くこともなくメールやインターネットの記事を読むなど普通のことにしか使ってなかったのです。
いやいやいや、そんなはずはないでしょ。iphoneですよ、アップルさんが作った携帯が音が悪いはずないじゃん。多分、ヘッドホンが悪いのかそれとも再生の仕方に問題があるとか?
というわけであれこれ試行錯誤が始まりました。この後、その試行錯誤をブログに公開してみようというとこに繋がっていきます。
趣味としてのオーディオはいぜんあれこれやったのですがオーディオが仕事だったときはどうしても真空管アンプを作ったりとか大型のスピーカーを作ったりとか趣味性の高いほうをやっていましたから。
仕事の延長線上のオーディオをやっていても面白くないですもんね。家でも仕事をしているような気分になります。そちらの話は機会があれば別項で。
というわけで携帯のお話に戻ります。
■ヘッドホンに問題がある?
携帯のオーディオということなら今までやったこととも違いますし。面白味がありそうだなと。それに、以前より技術も進歩しているはずだから音だってきっとよくなっているのに違いない。誰だってよい音で音楽を楽しみたいですからね。
そこで使っているヘッドホンから音を確認しました。
ヘッドホンはZENNHEISERのHD555というものです。ZENNHEISERの500シリーズは好きな音なので2代目だったかになります。
それで、これをどうにかして携帯と接続して音楽を聴いたのですがどうしたかというとlightningケーブルというのがネットでありましたので購入し、ヘッドホンを接続して聞いてみました。
それにしてもどの辺が良くないのかわかりません。ヘッドホンは何年も使用したので振動板がへたってきたのかな?でも555ってパッドが外れないので確認しようがありませんでした。そこで他に問題がないか調べることにしました。
■iPhoneに接続したDACの音が悪い?
iphoneの音が思ったより悪かったのでどうしたもんか?というお話をしましたが、ここでその時のオーディオ構成を書きますね。iphone11pro–apple lightning dac–3.5mmヘッドホンジャック–Sennheiser HD555という構成です。
当時の音源はAmazon primeに入っていたのでAmazon musicでした。後からHD音源に変えましたがそれでAmazon musicも聴いてみようかという事で色々な音楽を聞いてみることにしました。
【後日談】後で振り返ってみるとAmazon misicのHD音源に変更したことも大きかったですね。当時は何が悪いのか良く分かりませんでしたがHD音源にする前は大分音が悪かったです。Amazonさんの戦略かな。アレコレ試したのでそればかりではないと思いますが。その後の顛末はブログに書いてある通りです。
■iPhoneをイヤホンで聴くためのLightning DACケーブルが音が悪い問題がある?
聴いているうちに白いケーブルが気になってきました。最初はただのケーブルだと思っていたのですがどうやらDAC内蔵(デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する機能や機器。Digital-to-Analog Converterの略)のケーブルという事がわかりました。あの細いケーブルの中にDACが入っているとはある意味凄いです。
まあ、lightningcableが8pin端子でオーディオ出力がLeft,Right,GNDの3端子ですからそのままのアナログ接続ではないですよね・・・。
分解や修理でベトナムのサイトTinhteというサイトがあるのですが分解写真が公開されていました。
やはり、DACのチップが実装されているようですがチップ部品が数多く詰め込まれてますね。
基板ごと何か透明な接着剤でモールディングされているようです。モールドすると音がデットになりやすいので音にはよくなさそうです。そこからはリード線がはんだ付けされてアナログ出力に接続されるようです。これはよくぞ詰め込んだという感じです。
ケーブルのDACがしょぼいかもしれないなと思いました。しょぼいというのは安価という意味ではなく電源がiphoneからとっているためヘッドホンを駆動するだけのドライブ力が足りないという意味です。ドライブ力というのはDACの出力についているであろうアナログアンプの出力段がヘッドホンの振動板を理想的に動かすだけのパワーがないというイメージです。
iphoneからlightningに接続される個所についてはデジタル信号の駆動なのでドライブ力は足りていそうに思います。
DACのチップセットは38S00140 / A0MU1621 / TWという刻印があるそうですがこれだけでは分かりませんね。ここは調べきれませんでした。
HD555の公称インピーダンスは50オームですのでどれくらいの駆動電力がいるんだろ、ざっくりですが電源電圧3Vで0.06A流れるとすると0.18Wくらいは要りそうです。多分ですが全く足りてなさそうです。モバイル機器で電源もlightning直でとるとなると電流も流せなさそうなので仕方ないかも。
■Lightning DACの再生系がヘッドホンをドライブする能力が足りていない?
よくヘッドホンを鳴らすドライブ能力がないとか言いますが一体どういうことか?パワーが足りないという感じですがちょっと絵にしてみました。
わかりやすい表現でいうとガンガン鳴らしたいが鳴らない感じです。これは電流が足りないのでヘッドホンのコイル部に電流が流れることで振動板が動くのですが駆動電流が足りなくて振動板が思ったように動かないイメージです。
電流の供給源は左の図のAPPLE iphone11proからなのですがDACのチップセットの出力段が電流を流せない(省エネ的な意味でとかアンプにお金がかけられなかったとかという意味で)ので右側のヘッドホンに必要な電流が流れていないことになります。
または音がひずんでうるさくなるとかです。これは音声が大きくなってもDACの電圧が大きくならないので音の波形が頭打ちになる感じです。
APPLE lightning DACはどれくらいの出力電力が出せるのか?余裕があるのかないのか?それは図中の???mAや???mVを測定してみる必要があります。
オシロスコープで抵抗を仮にヘッドホンの負荷として大体どれくらい出力がとれるか
見てみることが出来るかもしれません。波形のイメージは下記のような感じになるかと思います。
これを電圧波形がクリップするといいますが波形がひずんで頭が平らになっています。
こうなるとDACやヘッドホンが壊れる可能性があります。
まあでも測定出来たら面白そうです。これをやる人はあまりいないでしょうが。
■Lightning DACの再生系のドライブ能力を測定する
・・・・(30秒)・・・・・よし!それじゃぁ、自力で測定してみようということでちょっとAmazonさん調べて抵抗セットとオシロスコープとテスターを手配しておこうと思いました。オシロスコープとか最近いくらするんだろ、・・・・3500円とかマジっすか!恐ろしく価格が下がっている・・・。中華製かな?さすがです。
価格は日本はもうかないませんね。テスターは3300円くらいでした。おもちゃみたいかもしれませんが大体使えれば問題ないです。物が届いたら遊んでみたいと思います。
【後日談】Lightning DACの出力電圧ですが0.58Vpp(1KHz無負荷)でした。だとすると250Ωとかハイインピーダンスのヘッドホンを鳴らすには物足りなかったのかなと思います。Senheiser HD555 50Ωをで0.0067mW相当です。これはボリュームをフルにしてようやく音が大きいなー、まだ音を大きくしたいけど、どうしたものか。という程度。ちょっと厳しいですね。後は電圧が足りても駆動電流が足りないとかです。
Lightning DACの出力をオシロで測定している様子です。信号源はiPhoneのアプリを使用しました。最初に購入したオシロは使い物にならず、結局2万円くらいのオシロを買う羽目になりました。
それでここから本題ですが、appple lightning DACの出力のドライブ力が足りてない予感がしましたので何か面白いものはないかという事で当時流行しだしたドングルDAC FiiO KA3を購入しました。
写真はFiiO KA3を携帯に接続して出力電圧をオシロで確認しています。
FiiO KA3はドングルDACでもハイパワーが取れる方でシングル接続のほかにもバランス接続でも鳴らす事が出来ます。ドライブする電圧がバランスだと2倍、電力で4倍になるので電源事情が厳しい携帯でも出力アップが出来て音に余裕が出てきます。専用治具使用による測定値で2.36Vpp(1KHzm無負荷)を確認しました。
これはシングル接続でLightning DACの4倍の電圧振幅がとれています。電力で16倍相当です。このおかげで、かなりなりっぷりが良くなってきます。いわゆるリッチな音です。こうなるとドングルDACの音質への有利さが出てきますね。バランス接続だと8倍の電圧振幅、64倍の電力相当です。そうすると音的にも十分な音量でガンガン鳴らせるようになってきます。そのため携帯のような電源事情が厳しい機器ではバランス接続のできるドングルDACがヘッドホンのドライブ能力が高くなり音質に有利ですので強くお勧めしたいと思います。
そうそう、その場合バランス接続できるヘッドホン(イヤホン)も必要ですよー。
【後日談】その後、FiiO KA3の後継モデルとしてKA13がリリースされています。こちらの方が価格が安いですね。出力もバランス接続で最大550mW@32Ω取れるという事でパワーアップしています。
もう一点、メーカー違いの音の差も見て見たかったのでドングルDAC Shanling UA2も購入してしましました。こちらはSN感が良く明瞭な音に思います。※FiiO KA3はややふわっとしたウォームよりの音に思いました。
こちらのドングルDACもUA2の後継機がリリースされています。UA2はプラスチック筐体でしたがマグネシウムケースになっていますね。金属ケースの方が高級感がありますね。こちらは最大出力:227mW @32Ωとなっています。パワーだけ見るとKA13の方がありますがこちらはディスプレーが付きましたね。
■ヘッドホンを鳴らすドライブ力なら据え置き型が有利になる
この辺からオーディオ沼にはまっていきます。さあ、面白くなってまいりました!(苦笑)
さて、ヘッドホンをしっかり鳴らすにはドライブ力が高いヘッドホンアンプ買えばよかった!という事が分かりましたのでヘッドホンアンプかDACでアンプ付きモデルを探したところFiiOさんのK7が目に留まりました。サイズも割と小型でデスクトップにおいても余り邪魔にならなさそうです。フォロワーさんの評価も上々でしたので大丈夫だろう!という事で購入しました。
仕様を見ていきます。やっぱり今回はパワーが取れそうという事で据え置き型を選んでみましたがどこが違うかというと携帯型のKA3に比べてバランスで15.4倍のパワーが出ていることですね。アンバランスでも5.1倍のパワーが出ています。この違いは大きそう!据え置き型のいい所は電源事情でドングルDACが携帯電話から電源(リチウム電池だと3.7V定格)を取るのと違い12Vといった高い電圧が取れる事ですね。その分パワーが出ます。K7だとバランス出力で2000mW出ています。
K7 ≥2000mW (バランス, 32Ω負荷時 / THD+N<1%) KA3 130mW@32Ω
K7 ≥1220mW (シングルエンド, 32Ω負荷時 / THD+N<1%) KA3 240mW@32Ω
音を聴いたインプレッションですが思った通り、ボリュームを上げても力強さがありますね。そのときの詳細は下記からご覧ください。
【後日談】
FiiO K7ですが後々考えると価格やスペックなどから見てFiiOの戦略的なDACモデルだと思いました。競合で言うと同価格帯にはiFiのDACなどがあるのですが出力パワーなどはK7が上回る数値です。この価格帯では抜きんでています。FiiO K7リリース後にもiFiからDACの新モデルが発売されましたが出力パワーを上げてきていますね。
注)iPhoneとK7を接続するには別途Lightning~USB-Bケーブルを購入する必要があります。
【更に後日談】
FiiO K7ですが、上位モデルにFiiO K9AKMがあります。とうとう物欲に負けてその後購入してしまいました!iPhoneの音を更に良くしたいならこちらを狙ってみましょう。K7より高価なので音的にそんなに差が無かったらどうしようと思っていましたが、杞憂でした。流石の実力機だと思います。K7とK9AKMを分解した動画まで収録しましたので興味がある方はご覧くださいね。音質の良さの秘密に迫ります。K7との違いですが中身を見て分かったのは電源周りとDACのチップセットがセパレートDACになっていることだと思います。徹底レビューしていきます!
■ヘッドホンアンプを使用することで更に力強い音が手に入る
さて、どうやらLightning DACのドライブ能力が足りなさそうという事がうすうす分かってきたので、もう一つ探したのがヘッドホンアンプです。ドングルDACにもアンプ内蔵されているので音もリッチになってくるのですが携帯の電池から電流を供給するため電源事情は厳しく消費電流もあまり流せない(流すとパワーが出るが連続動作時間が短くなる)のでどうしても限界があります。
そうなるとヘッドホンアンプの出番です。大きな違いは電源で、ヘッドホンアンプは一般的に携帯から電源をとらず、電池駆動など独立した供給源として電流を流せるのでドングルDACより更にパワフルにヘッドホンなどドライブできるメリットがあります。その代わりドングルDACより大型になりやすく携帯性は落ちます。その為、一長一短です。ドングルDACは携帯するときで、ヘッドホンアンプは据え置きでというような使い分けが良いかなと思います。もっとも、オーディオ好きな方は携帯可能な小型のヘッドホンアンプとDAPを接続して持ち歩いて楽しんでいるようですけどね。
高い電圧が得られるのでヘッドホンのドライブ能力も一気に上がってきます。
ヘッドホンアンプって余分なものをつけるから音が悪くなるんじゃないの?というところもありますがそこは一長一短あって私は良い方向に行っていると思いました。特に効果が高いのはインピーダンスの高いヘッドホン。いわゆる『鳴らしにくい』と呼ばれるタイプです。聴いていてなんかもたもたするんですよね。これは宜しくない。
■lightning DACの出力がしょぼくてもヘッドホンアンプを接続すると音に余裕が生まれる
apple lightning DACの出力がしょぼいのではないか?という話をしましたが仮にしょぼくてもヘッドホンアンプの入力抵抗は一般的に10KΩから100KΩというように高いのでDACから出力される電流はほんのわずかでも良くなります。これはヘッドホンアンプを使う事で得られるメリットです。
ドライブ能力が高まると音質的には余裕が生まれます。車でいうとエンジンの排気量が3000ccみたいな感じになります。同じ時速100kmでも1000ccのエンジンと3000ccのエンジンの違いのように楽に鳴る(走る)感じです。余裕からくる気持ちよさがありますね。
こちらのブロックダイアグラムがその時のものですが入れている電流は回路図から拾った抵抗値から大体こんなところだろうという値です。
【後日談】その後、他社を含めてあれこれヘッドホンアンプを物色しました。真空管ヘッドホンアンプなんですがいいですねー。さらに音が良くなり楽しめるようになりました。現在5台も購入してしまいましたが・・・。これは沼りました。(苦笑)興味がある方はご覧くださいね。
真空管ヘッドホンアンプ編です。何と言ってもカッコ良いです。
うーん、iPhoneのLightning DACは音は悪くないですが、ヘッドホンなどドライブしにくい機器はもう一歩良くしたくなりますね。しかし、これがオーディオ沼への第一歩だった。
■総括
ブログを書くきっかけになったiPhoneのDACの音質のお話、如何でしたでしょうか。振り返ってみるとiPhoneの音が悪いのではなく、使い方に問題があったようです。例えばドングルDACに接続して聴くとか、ヘッドホンアンプを経由して聴く事でワンランク上の音が楽しめるようになりました。参考になれば幸いです。
今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。
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