こんにちは、ルーターにドはまり中のmanotchです(苦笑)皆さん、ネットワークオーディオ楽しんでますか?本記事はネットワークオーディオ沼PART6~10の総集編です。
以前、『エントリー編』ということでハブやLANケーブルを新調したりと沼に片足突っ込んでみました。その時の顛末はこちら!
おかげさまで結構反響頂きました。ありがとうございます。

目次
- 1 ■『二重ルーター+VLAN』?
- 2 ■発端。回線スピード遅っ!(22Mbps)
- 3 ■LANケーブル来ていないと思ったら
- 4 ■建屋の光インターネット接続を思い出す
- 5 ■ネットワークを勉強する
- 6 ■ルーターの役割とは?
- 7 ■二重ルーターとは?
- 8 ■VLANの役割とは?
- 9 ■LANの信号をオシロで観測する
- 10 ■LANの信号はごちゃ混ぜだった
- 11 ■二重ルーターのメリット
- 12 ■二重ルーターのデメリット
- 13 ■IE200さんとLET’Sオーディオ沼!
- 14 ■VLANは普通に使われている!
- 15 ■VLAN対応の『スイッチ』が必要
- 16 ■LANスイッチのVLAN設定方法
- 17 ■YAMAHAスイッチのVLAN設定
- 18 ■VLAN動作確認ツール紹介
- 19 ■トラブルシューティング
- 20 ■総括
■『二重ルーター+VLAN』?
話は戻って『二重ルーター+VLAN』です。最近取り組み例をよく聞きますね。下図は自室のオーディオでやってみた一例です。コンセプトは出来るだけ安価で簡単に・・です。下記だと追加で2万円もあれば完成です。ネットワークオーディオ沼にようこそ!
誰でもチャレンジできるように後々説明していきますよー。

オーディオ界隈でも先人たちのこの音質改善の取り組みがちょこちょこ始まっているようです。どなたが考えたのか分かりませんが、なんでも音場が広がったり、SN感が良くなったりするとか。いいなー、面白そう。ルーターもハブも良く分かっていないのに誰でも出来るんでしょうか?
出来ます(多分)
理由⇒良く分からない人でも出来たので(私)

『エントリー編』ではLANハブを変更したりLANケーブルといった基本的なところを見直してみました。ほとんどお掃除とか整理整頓といったレベル。
しかし、PART6からは、なんで二重ルーター+VLANだと音質が良くなるのか?それじゃーどうやって実現するのか?うまくいったか確認する方法は?などなど含めてちょっと突っ込んだ記事にしたいと思います。お恥ずかしい話も盛りだくさん!(爆)さぁ、いってみよー。

■発端。回線スピード遅っ!(22Mbps)
さて、そもそも『二重ルーター+VLAN』をやろうと思った発端ですが自分の家の回線スピードが遅いことが分かった事あたりからなんですね。エントリー編で測定したら、22Mbpsくらいとか。その時の様子がこちら!自室の計測値です。

今までWiimでネットワークオーディオやアマプラで動画視聴など楽しんできたわけですがそれほど問題になった事はありませんでした。動画がカクカクになる事もなかったし。しかし、インターネットの契約は確か光で1Gbpsだったはず。これって1000Mbpsですよね。
フォロワーさんたちの話で分かったのですが700Mbpsとか凄い高速なんです。どうもおかしい(苦笑)
これは回線スピード上げつつ、音質改善にも取り組んでいくしかないなっ!よし、上流見直そうー。
それで、自室とリビングを含めたネットワークオーディオの接続図を載せてみました。もう一度よく見てみましょう。接続図の中にPLCと書いてありますがここはリビングと自室をLANケーブルでつなぐことが出来ていなかったのでPLCにしていました。

【PLC】AIによる解説
PLCアダプタ(Power Line Communicationアダプター)は、既存の電力線を使ってインターネットに接続できる機器です。コンセントに挿すだけでLAN(ネットワーク)を構築できるため、「コンセントLAN」とも呼ばれます。
LANケーブルのコンセント口はあったのでつないでみましたが、信号は来ていませんでした。中のLANケーブルが繋がっていないのか。今さらこんな壁の中を配線できないよなぁ。ネットを調べると配線するのに10万とか15万とかかかるとか。高っ!仕方ない、以前リフォームしてもらった業者に聞いて見よっと。
■LANケーブル来ていないと思ったら
『ワイ』もしもし、以前リフォームしてもらった○○ですけど
『リフォーム屋』ああ、お久しぶりです
『ワイ』うち、LANの信号が来ていないんです。LANケーブルをリビングと自室間で接続する事できます?
『リフォーム屋』おかしいなぁ。既に接続していると思いますよ。配電盤の中見てください。ハブかなんかでつないだと思ったんですが私も良く分からないんです
『ワイ』配電盤ですか??見てみます
『ワイ』ガチャッ。(配電盤を開ける)ん?こんなところにLANケーブル?
『ワイ』あっ!

赤い矢印に注目下さい。なんと、LANケーブルはリビングと自室間までは配線されていたのです。繋がっていないのは配電盤の中だけ。15センチくらいかな。くそー、やられた。何か恥ずかしい(笑)
音質改善の前にやる事があったようです(苦笑)
と、いう訳でOPENの所をLANケーブルを延長コネクタ(メス-メス)で接続。すると、ちゃんとLANケーブル経由でインターネットに接続できるではありませんか。やったね!
そこで回線スピードをもう一度測定してみます。そうそう、回線スピードはUSENさんのサイトに行って測定してもらっています。リンクを貼っておきますね。

22Mbpsから81Mbpsというように約4倍にスピードアップ。わーい、ぱちぱちぱち。どうやらPLCがボトルネックで遅くなっていたようです。でもまだそれでも遅いよなぁ。ソフト〇ンク光が遅いのかなぁ。これだともうどうしようもないですね。
■建屋の光インターネット接続を思い出す
その時思い出しました。以前、建屋で一括加入するタイプのインターネットプロバイダーがある事を。管理人さんに聞いて見ることにしました。そしたら何でもこれから紹介するプロバイダーに聞いてくれという事でした。良く分からないけどそこに聞いて見よっと。回線スピード速くなるかもしれないし。
『ワイ』もしもし、今ソフト〇ンクのインターネット使ってるんですけど御社のプロバイダーに変更してみたいのですが(何か遅いので)
『プロバイダー』えっと、対応しているか調べてみますので住所を教えてください。
『ワイ』○○××〇△です。
『プロバイダー』既に契約されていますので無料で使えますよ。
『ワイ』えっ?!
『プロバイダー』建屋で一括加入されていますね。
『ワイ』ええっ?!
・・・その後、配線しなおす。
『ワイ』444Mbpsでているやん!!←今ここ(爆)
22Mbps⇒444Mbpsに20倍スピードアップ!やったね。パチパチパチ。(お恥ずかしい話2回目)
・・・音質改善の前にやる事があったようです(苦笑)

くそー、やられた!そういえば以前案内が来ていたような気も。しかし一括加入のインターネットだと遅いだろうなーと思ってよく読んでいなかった。しかも既に加入していたとは気が付かなかった(苦笑)皆さんも念のため回線スピードを確認しておくことをお勧めします(汗)
そうなると〇フトバンク光も解約できそうです。そうすると月々の課金が安くなって回線スピードが速くなって一石二鳥じゃん。何かオーディオ機器も買えるかなー。
あ、『二重ルーター+VLAN』編でした。本題はこれから!

■ネットワークを勉強する
さて、ネットワークオーディオの音質改善に取り組んでいるわけですが専門用語が多すぎて良く分からないとおっしゃる方も多いと思います。
これからご紹介する内容は書籍やネット情報を参考にしていますが間違っている部分があるかもしれませんのでおかしな点などあればご指摘くださいね。書籍に関してはこちらを参考にしました。

非常に初歩から教えてくれます。良著だと思います。ちなみに3分間では分かりません。一つのセンテンスが3分という感じ。読み物としても面白いです。

同じ著者で基礎講座の続編といった内容です。ネットワーク基礎講座の次に読むと良いと思います。ルーターやハブ、スイッチなどの知識を深めたい方にお勧めです。
■ルーターの役割とは?
AIさんの説明を参考にすると次のようです。
『ルーターの主な役割は、ネットワーク間でデータを適切に転送することです。簡単に言えば、インターネットと家庭やオフィスのネットワークをつなぎ、各デバイスに正しく通信できるように調整する役割を持っています』
インターネットのデータなどをどこに送信するかなどの司令塔と言って良いと思います。ここでオーディオと関係のあるのは2.のネットワークの分割で『特定のデバイス同士だけが通信できる』になると思います。後で説明します。
ルーターの主な機能:
- データのルーティング(経路制御)
- ルーターは、送信元から送信先へデータを最適な経路で届けます。
- 例えば、スマートフォンでウェブサイトを開くと、ルーターはその通信をインターネットに送り、ウェブサイトのデータを受け取ってスマートフォンに届けます。
- ネットワークの分割(VLANとの関係)
- VLANを設定することで、ネットワークを論理的に分け、セキュリティを向上させたり、特定のデバイス同士だけが通信できるようにできます。
- 例えば、企業ネットワークでは、管理者用・従業員用・ゲスト用などに分けることができます。
- IPアドレスの管理(DHCP機能)
- ルーターは各デバイスにIPアドレスを割り当て、ネットワーク内で識別できるようにします。
- DHCP機能を使うことで、手動で設定しなくてもデバイスが自動で適切なアドレスを取得できます。
- ファイアウォールとセキュリティ管理
- ルーターは外部からの不要なアクセスをブロックし、ネットワークを安全に保ちます。
- Wi-Fiの管理
- 無線ルーターの場合、Wi-FiのSSID(ネットワーク名)を設定し、接続可能なデバイスを管理できます。
■二重ルーターとは?
『二重ルーター』ですがAIさんの説明を参考にすると次のようです。
『二重ルーターとは、1つのネットワークに2台以上のルーターが設置されている状態を指します』
下図をご覧ください。自分の家の場合ではルーターが最初から2台ある状態でした。ソフトバンク光に加入したときに導入してもらったと記憶しています。リビングのRT-500MIがルーターでもう一台がソフトバンク光BBユニットになります。その為、既に二重ルーターになっているご家庭も多いかもしれません。

ルーターは必ず1台経由していると思いますので二重ルーターになっていない場合は1台追加で購入する必要があると思います。
それと、ルーターもネットワークオーディオの一部ですからDACの音質とかPCの音質と同列で考える必要があるのではないかと思うようになりました。0と1の信号を処理する点では変わらないですもんね。以前の記事ではデジタルオーディオでも音質が変わる事例を実測や録音による音の変化で記事にしました。
ルーターに関してはどはまり中なので今回の記事では3台新たに購入(結局4台)して音質を確認することにしました。
実際に聴いて見ましたがルーターによっても音質は変わるようです。別記事でエントリークラスからミドルクラスのルーターの中身を比較して音質との関係を考察することにしようと思っています。
こちらは某オーディオ雑誌の記事で紹介されていたバッファロー製ルーターです。

中身はこんな感じです。DACやPCも分解して記事にしたことがありますが基本的にチップセット、レイアウト、パターンなどを見ていきます。これらの出来で総合特性が決まり音質が左右されると思います。

オーディオ用のルーターは開発機種も少なく、まだこれからの製品だと思います。今後の製品化に期待したい所ですね。製品の出来に加え、二重ルーターやVLANといった技術を組み合わせることで効果的に音質を向上させることが期待できそうです。
■VLANの役割とは?
AIさんの説明を参考にすると次のようです。
VLAN(Virtual LAN、仮想LAN)は、物理的なネットワークに縛られることなく、論理的にデバイスをグループ化する技術です。
ここで音質に関係しそうな点で言うと2.のトラフィックの最適化で『不要な通信を排除する』という箇所になりそうです。不要な通信=ノイズが多い通信と考えられます。
例えばオーディオ関係のネットワークとテレビ、ゲームといったネットワークを仮想LANという技術で分離する事でオーディオの通信からテレビ、ゲームといった不要な通信を排除するというようなイメージです。
VLANの役割
- ネットワークセグメンテーション:
- 複数の物理ネットワークをまとめたり、1つのネットワークを分割したりすることで、効率的なデータ管理が可能になります。
- トラフィックの最適化:
- 必要なトラフィックだけが特定のVLAN内を流れるようになり、不要な通信を排除します。
- セキュリティの向上:
- データが各VLAN内で隔離され、外部への漏洩リスクを最小限にします。

Youtuberが推していたNETGEAR社のLANスイッチです。業務用の定番だそうですが病院でも見かけたことがあります。推奨していたのはゲーミング用でしたが廃版になっていたので別のモデルを購入してみました。
TP-LINKのハブを壊してしまったのでその置き替えです。単に交換しただけですが低音がしっかり出るようになり音場に広がりが出るようになったと思います。
予想以上に良かったので2台購入。こんなんでも変わるんですねぇ。勉強になりました。

このLANスイッチはVLANも専用のソフトウエアで設定できるという事で後で紹介したいと思います。

中身はこんな感じ。左がTP-LINK、右がNETGEARです。

TP-LINKのハブは実験している内に壊してしまったので黒いプラスチックケースの部品の蓋を分解してみました。

中身はこんな感じ。驚いたのはトランス(4個ドーナツのような形状の部品)が手巻きっぽいことです。固定も手で載せて接着している感じです。
うーん、電気特性が干渉してばらつきそうですがどうなんでしょうね。やってみると分かるんですがトランスやコイルのような磁性体部品が干渉すると妙ちくりんな特性になります。音もなんか変になった記憶があります。速度が落ちるとか見た目のスペックに現れるようなものでは無いでしょうけどこの辺音に影響がありそうです。

■LANの信号をオシロで観測する
色々謎だらけのネットワークオーディオ。気になっていたので『LANケーブルを流れる信号ってどんな感じ?』っていうのを測定やら実験で確認しておきたいと思います。後々、二重ルーターやVLANの効果を確認する上でも必要な知識になってきます。
では、LANケーブルの信号をコネクタから取り出してオシロで測定してみます。回線スピードが22Mbpsだった頃の波形です。はい、こちら!
アレ?0と1の矩形波のような綺麗な波形では無いですね。ゆがんだり不規則だったりと様々です。この波形、基本の波形になります。この波形にさまざまなノイズが飛び込んだり重畳されたりして汚い波形になっていきます。また、この汚い波形は逆に空間に伝播したり(不要輻射ノイズ)他のオーディオ機器にケーブルを伝って(伝送ノイズ)影響を及ぼしたりします。
さて、手持のオシロですが周波数帯域は50MHzなので正確な波形ではないかもしれません。良くMbpsという回線スピードの単位を聞きますがビット(0と1の情報)パーセコンド(1秒に付き)という事になりますのでbpsを2倍にすると信号の周波数です。つまり回線スピード22Mbpsは周波数で44MHzですね。オシロの周波数帯域が50MHzなので足りていない感じですがまぁ雰囲気は分かると思います。
デジタルの波形をある程度正確に見ようと思ったら周波数の5倍程度の周波数帯域が必要だと聞いた記憶があります。つまりこの場合、220MHzくらいの周波数帯域を持ったオシロが必要そうです。高くて買えない(苦笑)
現在は440Mbpsまで回線スピードが上がりましたのでそうなると880MHzの周波数。到底手持ちのオシロでは観測不可能です。そこでオシロによる波形観測はここまで。
■LANの信号はごちゃ混ぜだった
次にLAN信号を流れるデータを表示してくれる『WireShark』というフリーソフトを使って観測してみましょう。下記は現在の444Mbpsの回線スピードになったときのパケットの様子になります。二重ルーターやVLANなどの対策は行っていません。

このリストの見方ですが左からTime『時間軸』、SORCE『発信元』,Destination『行先』という感じになっています。最初に観た時は驚いたのですが殆どCiscoという機器(おそらく建屋の基幹ルーター)が発信元でBroadcastという信号がダダダダーっと流れていきました。これはLANを流れる信号の全データです。Broadcastは全部の機器に全配信されてそれぞれのIPアドレスに『もしもしー○○さんいますかー?』といった連絡を送るようなイメージのデータですが殆どオーディオと関係ないデータばかりのようでした。
さて、同じ信号を違った角度から見てみます。今度は横軸が『時間軸』、縦軸が『パケットの種類とデータの大きさ』になります。

こうして見てみるとパケット全体のデータ(黒)は常に一定ではなく不規則な大きさで流れているようです。その中でデスクトップPCに向けられているデータ(黄)をフィルタリングしてみると全体に比べて大分少ないようです。差分は先ほどのBroadcastといったオーディオの信号とは関係ないパケットになると思います。
更にデスクトップPCのデータの中にアマゾンミュージックを聴けばアマゾンミュージックのデータが割り込んでくるのですが、こうしてみる限りLAN信号はオーディオ以外の様々なデータがごちゃまぜになった多様なデータと言えそうです。
■二重ルーターのメリット
前回の記事でルーターの役割はどこの機器にどのようなデータを送るか?を決める司令塔のような役割というお話をしました。ネットワークの書籍を読んだ自分なりの解釈でルーターを擬人化してみましょう。間違いがあったらご指摘お願いしますね(汗)
【二重ルーターではない場合(ルーターが一つ)】
『ルーターさん一つ目』もしもしー、このデータは誰に送ればいいですか?ええーい、分からない場合は全配信で全ての機器にデータを送りますよ。(BroadCast)
『オーディオ機器、ネットワーク機器達』うわっ、いっぱい全配信でデータが来た。どれが自分あてのデータになるのかな?あっ、IPアドレスが自分宛てのデータがあった。これだな。見つけ出して自分あてのデータを組みなおしてと。でも、目的のデータに処理する(オーディオの信号を取り出す)のが大変だなぁ。
『ルーターさん一つ目』そうは言っても、オーディオ機器の他にもテレビやゲーム機もあるしリビングのWiFi機器にもデータを送らないといけないし。何も設定しなけりゃそうなるよ。

【二重ルーターの場合(ルーターが二つ)】
そこで二重ルーターの出番です。
二つ目のルーターは一つ目のルーターのLAN出力を二つ目のルーターのWAN入力に接続します。二つ目のルーターのLAN出力はオーディオ機器のみにするとLANのごちゃまぜのデータからオーディオ機器のみのデータに分離するように接続することが出来ます。一例ですが下図のように配線します。

一つ目のルーターは二つ目のルーターのIPアドレスが分かると二つ目のルーターにはオーディオ機器に向けたデータを送るように通信先を割り振ってくれます。(ルーターのルーティング機能)
一つ目のルーターからのブロードキャストやリビングノートPC、リビングTVといったネットワーク機器に送られるLAN信号は二つ目のルーターを通過できなくなるのでピュアオーディオ用の信号は不要な信号が排除されノイズの少ない通信が出来るようになるのが音質が良くなる原理のようです。
一つ目のルーターと二つ目のルーターは別々のネットワークのグループになり互いのネットワーク間で通信できなくなるようです。※この方法をネットワークのセグメントを分けると言うそうです。
『ルーターさん一つ目』ルーター二つ目さんはピュアオーディオ用だね。WiimとPC向けの信号を送りますよ。
『ルーターさん二つ目』それじゃあWiimとPC向けの信号を貰います。WiimさんとPCさんは受けっとって下さいね。
『WiiMさん、PCさん』LAN信号が混ざっていなくなったので分かりやすくなったな。オーディオ用の信号処理も前より大分楽ちんだね。
音質が良くなるもう一つの理由として考えられるのが、推測ですがオーディオ機器のデータ処理の負荷が低くなることもありそうです。経験則ですが一般的に不要な処理が増えるほど回路に流れる不要な電流が多くなって音質は悪化する傾向があったと記憶しています。
例えばリモコン回路だったり、LED点灯回路だったりとかです。まぁ付けなきゃいいんですけどね。付けても音質を良くしようと思ったらそれなりに対策をとる必要があります。その分検討代やらパーツ代などコストアップする事になります。
ただ、この辺のネットワークオーディオの信号処理はやった事がないので因果関係は良く分かりません。この辺、詳しいエンジニアの方に聞いて見たいところです。
さて、二重ルーター後のLAN信号を同じようにデータどりしてみます。ブロードキャストの信号は殆どなくなったように見えます。

残りの信号はPCに入るデータのようですが詳細は良く分かりません。しかし、二重ルーター前のブロードキャストがダダダダーと流れてくる訳の分からない状態が無くなって大分すっきりしたように見えます。
■二重ルーターのデメリット
二重ルーターのメリットはオーディオ観点から見ると効果がありそうでした。逆にデメリットは無いのでしょうか。この辺はネットで検索すると出てきますので参考までに紹介させて頂きます。回線スピードが遅くなったり不安定になることがあるようです。
そのため、何らかの設定を変えるごとに回線スピードを確認するようにしています。私の場合は二重ルーターにしても回線スピードに特に変わりは無いようでした。測定すると大体400~600Mbpsくらいは出ているようです。良かった良かった。
■IE200さんとLET’Sオーディオ沼!
次はVLANの話です。バーチャルLAN(仮想LAN)の事なんですが、難しそう・・・帰ろうかなって思っているあなた!ちょっと待ったー!
IE200さん呼ぶから。起きて!IE200さん。

『IE200さん』ゼンハイザーのインナーイヤホンIE200の擬人化です。聴き疲れしない良いイヤホンです。寝ホンになっています。
『IE200さん』お、おはようございます。な、何でしょうか?
『manotch』ネットワークオーディオでVLANについて記事にしようと思ったんだけど
『IE200さん』ぶ・い・ら・ん?ですか?スヤー(ZZZ)
『manotch』もう寝てるよ!
VLANの技術って会社でもご家庭でも使われてますってば。書籍によるとネットワークを支える中核技術だそうな。それをオーディオ向けに使ってみようという事なんです。さぁ、レッツ、オーディオ沼!

■VLANは普通に使われている!
『IE200さん』あ、あのー先ほどの話ですがVLANってどこで使われているんでしょうか?(52分後にふとんから起きた)
『manotch』会社やマンションなんかで普通に使われているみたいだね。例えば会社でパソコンはネットワークを介してみんな繋がっているじゃん。でも全員が全ての情報(ハードディスクやクラウドなんか)にアクセス出来たらまずくない?それはマンションも同じだね。
『IE200さん』た、確かにそうですね。

『manotch』今回はマルチプルVLANという方法で試したんだけどネットで検索すると出てくる。分かりやすそうなサイトのリンクを貼っておくね。
VLANといってもいくつかの方法があるようです。その中からマルチプルVLANを選んだ理由は、一番簡単そうだったからです。VLANというとルーターもVLANに対応している必要があったりするのですがマルチプルVLANはマルチプルVLANに対応したLANスイッチを購入すればできるという所でした。自宅は既に二重ルーター状態でしたのでLANスイッチだけ購入すれば良かったです。
『IE200さん』LANハブというのはLANケーブルがタコ足のように出てくるアレですね。
『manotch』そうそう、写真で言うと下記のアレ。1か所LANケーブルをつなぐとそれと同じ信号が他のポートにも全部出力される。ネットワークに対応したオーディオ機器が5台接続されていれば、5台分のデータが全てのオーディオ機器に流されることになる。データがごちゃ混ぜ状態になるね。
家庭でインターネットにつなぎたいPCを増やすときなんかに良く使われているんじゃないかな。値段も2,000円くらいからあって比較的安価なものもある。

でも、良く使われている安価なLANハブにはVLAN機能は残念ながらない。以前使っていたんだけど下記のTP-LINKのハブにはVLAN機能は搭載されていなかったな。

■VLAN対応の『スイッチ』が必要
『IE200さん』LANハブとLANスイッチの違いは何でしょうか。
『manotch』そうだなー、書籍を読んだ自分なりの解釈だけどLANハブは複数のLANポートに同じデータを分配できるもの。LANスイッチはハブの上位互換。上位機能としてデータをグループとして分けることが出来る。そして別のグループとはデータのやり取りができないように制限(スイッチ)できる。マルチプルVLANの場合はスイッチのポートごとにグループ分けが出来る。
ただ、一般のご家庭ではそこまでデータを管理する必要がないならLANハブでも問題ないだろうね。LANスイッチは本来の用途は業務用になるかな。LANハブより価格は高くなる。
『IE200さん』LANスイッチかどうかはどうやって見分けるんでしょうか?
『manotch』製品のカタログを見てVLAN対応と謳っているかどうかかな。マルチプルVLANがやりたい場合はマルチプルVLAN対応って書いてあるかどうか。後はL2スイッチとかスマートスイッチとか呼んでいるのでそのあたりが参考になると思うよ。
各種メーカーからVLAN対応のLANスイッチが販売されています。今回、マルチプルVLAN対応で実際に動作確認したのは下記のネットギアとヤマハのモデルになります。

ネットギアはアメリカのネットワーク機器の代表的なメーカーでWiFiルーターやスイッチなど業務用機器を手掛けているようです。

ヤマハさんは楽器やオーディオ機器のイメージがあるのですが、フォロワーさんによると業務用ルーターやLANスイッチでも有名なようです。ちょっと高いですが中身を見た感じ相応の価値がある製品だと思いました。
■LANスイッチのVLAN設定方法
NETGEAR社のLANスイッチGE105E-200JPSのマルチプルLAN設定について公式を確認してみます。
うーん、難しいですね。ここを見てもちょっと一見さんでは難しいかも。
そこで、色々試行錯誤して出来るようになりました。方法を記事にしておきます。
まず、NEAGEAR社のLANスイッチはユーザーサポートが受けられるのでちょっと手間がかかりますがユーザー登録を行います。登録したらログインしてダウンロードメニューからNETGEAR Download Centerというページを探してください。
ここからNETGEAR_Discovery_Tool_Windows-V2.0.4というソフトをダウンロードし、インストールします。起動画面はこんな感じ。

それから日本語マニュアルがありますのでダウンロードしておきます。マニュアルを参考にマルチプルVLANの設定をします。※どうも古いマニュアルなのでソフトの画面は違いますがやっていることは分かると思います。Documentation (日本語)をダウンロードして参照ください。

ソフトを起動後、パスワードを設定しログインします。VLANタブを選択しポートベース、拡張メニューを開くと上記の画面になります。拡張ポートベースVLANステータスを有効に設定します。するとVLAN設定のポートとメンバーシップ(グループの事)の状態が分かるようになります。
ここではVLANでグループを2つにしてWiim系とデスクトップPCとでグループを分けることにします。

ここではまず、ソフト画面からVLANID1を選択しポート1,2,3をチェックしメンバーシップにします。WiimとWiimコントロール用のWiFi2をポート2と3のメンバーシップにします。WiFi2はWiimと同じメンバーシップでないとコントローラーとして動作しないようです。
次にデスクトップPC用としてVLANID2を選択し、ポート1,4,5をメンバーシップにします。ミソはポート1にインターネットを接続してVLAN ID1とVLAN ID2の両方にポート1の設定を入れておくことです。こうするとVLAN ID1もVLAN ID2もインターネットにアクセスできるようになります。また、VLAN ID1とVLAN ID2の間はデータはそれぞれのメンバーシップに分割されデータが干渉しないようになります。ソフトの更新ボタンを押すとVLANの設定が完了します。
うまくいったかどうかはWiimとデスクトップPCのIPアドレスを調べておいてデスクトップPCからWiimにpingコマンドを打って通信するかどうかを確認します。VLAN化する前はpingに対して応答があると思います。pingコマンドのやり方はコマンドプロンプトを開いてping 192.168.xx.xxというように入れてリターンです。
VLAN化後はpingを打っても応答が返らなくなります。確認出来たら完了です。

『IE200さん』ぶ・い・ら・ん・じゃなくてVLANでしたね。
■YAMAHAスイッチのVLAN設定
続いてYAMAHAのLANスイッチについても設定方法を記事にしたいと思います。

YAMAHAのLANスイッチを使ったマルチプルVLANの方法はネット動画で詳しく紹介しているサイトがありましたのでリンクを貼っておきます。動画を参考にやれば出来ると思いますよ。
ただ、一点注意があります。動画ではYAMAHAのルーターのブラウザーベースのGUI(LAN MAP)からYAMAHAスイッチのGUIに飛ぶ方法を紹介しているのですが、私の環境ではルーターのLAN MAPの表示が崩れてうまくいかないときがありました。そこで、YAMAHAのスイッチのGUI設定画面に直接飛ぶ方法を記載しておきます。こちらの方が分かりやすいと思います。
YAMAHAのLAN MAPの画面です。おぉーカッコいい画面。と思ったのですが・・。YAMAHAルーターがNVR510という古いモデルなのでブラウザーが対応できていないかもしれません。

今回はYAMAHAのLANスイッチSWX2110-8Gを購入して設定を行っています。5ポートのタイプもあるんですが、どういう訳かマルチプルLANに対応していません。という訳で8ポートを選択。

取説を参考に読みながら設定を行います。
ブラウザーベースのUIを呼び出して下記の画面を出します。IPアドレスは初期設定で192.168.100.240となっていますのでブラウザーに入力してリターンです。

画面のようなメニューが出ますのでマルチプルVLAN設定を選択してポートの設定を行えばOKです。ここからは先ほど紹介した動画の通り設定してみましょう。

グループ1、グループ2、グループ3という3つのグループを作成します。グループ間の通信不可となります。また、グループ1はインターネットに接続するためルーターの出力をLANスイッチのポート1に接続します。動画では2ポートづつグループ分けしています。1ポートにはオーディオ機器、残りの1ポートは別の機器をつないでも良いですが、PINGは通るので注意が必要です。

インターネットに接続が出来、且つPINGがグループ間で通らないようになれば設定完了です。お疲れさまー。
■VLAN動作確認ツール紹介
フォロワーさんに教えて頂いたツール(フリーソフト)が有用だと思いますので紹介です。
PINGが通るかいちいちオーディオ機器やルーター、スイッチなどIPアドレスを調べるのって手間ですよね。このソフト、PCから繋がっているオーディオ機器等のIPアドレスを調べて一覧にしてくれます。PINGを打つ手間が省けます。これは便利。
下記は起動画面です。ここから検索メニューを開いて検索ボタンを押します。

すると、ぶら下がっているオーディオ機器やルーター、スイッチなどのIPアドレスが一覧で表示されます。ベンダー名を見ると大体何がぶら下がっているか分かりますね。

マルチプルVLAN設定後の画面表示です。

PC側から見てWiimなどの機器が見えなくなっています。VLANソフトの設定画面と合わせて使用すると今どうなっているか分かりやすいでしょう。
■トラブルシューティング
あれこれ設定していると多いのが『インターネットに接続できなくなった』というものです。これ困りますよね。原因はインターネットに接続しているポートのグループと違うグループに誤って設定してしまう事だと思います。インターネットのグループと通信できなくなるのでインターネットに接続できなくなります。

対策は『LANスイッチをリセットする』です。インターネットに接続できなくなったらルーターなどもリセットしてみましょう。LANスイッチのリセット方法は取説に書いてあります。大抵は機器の奥まったところにあるリセットボタンを押すことでリセットできると思います。
間違えた設定もリセットされるので元のハブと同じ動作に戻ります。どのポートも通信できるようになると思います。
また、ルーターもリセットする事でLANスイッチやオーディオ機器類のIPアドレスを調べて接続するように再設定しなおしてくれます。IPアドレスの接続は先ほどのNetEnumでもう一度確認してみましょう。
何度か試している内に設定できるようになると思います。また、VLANの設定方法はタグVLANといった別の方法もあるのでネットの動画を参考にしてみると良いと思います。それでは健闘を祈ります!
■総括
あれこれ矢継ぎ早に説明してきたのですが如何でしたでしょうか。二重ルーター+VLANにチャレンジしている方も多くなっていると思います。今回の記事が何かの役に立てば幸いです。
やってみた感じですが、音場の見通しの良さが変わるように思います。パーッと広がってクリアな感じです。それから低音の音程も解像度が上がって良く聞き取れるようになったと思います。まだどういう接続がベストか良く分からないのですが、他の方が良くなると言っているのはこの事だったのかー。と腑に落ちる感じがしました。ネットワークオーディオって良く分かりませんがまだまだ伸びしろがありそうです。相当楽しいですね。コレ。
後、思ったのは『二重ルーター+VLAN』さえ出来ればOKという訳ではなさそうという事です。例えばルーターのメーカーによっても音が変わるようですし、電源がACアダプターかリニア電源かでも音の印象が変わってくるようです。上流の音質対策も重要そうですね。
今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

記事にしたNETGEARのLANスイッチです。ACアダプター電源の代わりにリニア電源やバッテリーをつないで聴いています。

YAMAHAのLANスイッチは音色の良さがあっていいんですが、電源が内蔵でスイッチング電源のようです。スイッチング電源を外してリニア電源化出来ればNETGEARのLANスイッチより良くなりそうですがここは残課題ですね。
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