前回はsennheiser HD660Sをドライブできる強力なアンプでHD660S鳴らし切って見ようという事でカーオーディオアンプのharman kardon CA215に接続して見ました。その前にヘッドホンが余りに大出力で壊れるといけないので保険として別のヘッドホンのHD555で聴いていたら字面が足りなくなりました。今回でHD660Sのレビューpart4になります。

HD660S徹底レビューを記事にまとめました!⇒ https://audiocolumn.com/ua2/1688/

結論から言うとHD660SもCA215のようなアンプで鳴らすことで重量感のある低音が出るようになりますね。ぐっと低い所からずん!て出てくるような感じです。このCA215ですが出力にリレーもなくて4chのBTL出力ですからアンプの出力段からヘッドホンまでの経路にDCをカットするようなコンデンサもないので殆ど直流のような低い周波数からダイレクトにヘッドホンを鳴らすことが出来そうです。もしDCが出たら壊れるかもしれませんが・・・(汗)

しかし、サーというノイズが乗ります。結構大きい音なので気になります。うーん。

HD660Sをドライブ出来ているかは音を大きくしていって音の音像が一定でくずれないか?とかクリップ感(少し歪んだ感じ)がないか?とか音のスピード感が変わらないか?とか聴いていきます。CA215はスピーカーを鳴らしているときにも思ったのですがリニアリティーが良い感じで音量を大きくしても音がそのまま大きくなる感じです。ヘッドホンでもHD660Sをうまく鳴らしている感じがしました。ベースやギターの鳴り方やボーカルも太くてなんか本格的に鳴ってる!と思いました。CA215は音に立体感があり音も前に出てきて鳴りっぷりがいいですね。これはいいアンプだと思います。

しかし、やっぱりサーというノイズが気になりますね。ACDCコンバーターの良くあるスイッチング電源で鳴らしていますので電源周りからスイッチングノイズが紛れ込んでノイズっぽくなっているかもしれません。そこで!アンプの電源を単一電池×8本で12Vにしてバッテリー駆動で鳴らして見ることにしました。これで、サーというノイズが無くならないかなー。バッテリーは自身からはノイズを発生することが無いのでノイズ面では有利だと思いますが・・・・。

はい!サーというノイズですが無くなりませんでしたー。残念!!


フォローワーさんからの指摘もあったのですが回路定数的なもののようです。後でアンプの設計本を読んでみたのですがバイアス抵抗の値を変更して低ノイズな回路定数に変更するとか部品を低ノイズにするとか低ノイズな設計にする必要がありそうでした。そりゃ、カーオーディオアンプなのでスピーカーに耳をくっつけて聴くようなことはないでしょうからね。定数を変更すると後戻りできないからなー。(汗)ただ、恐らくヘッドホンアンプのように低ノイズにするという制約が無いので音的にはこちらもこれで良さがあるんだろうなーと思いました。この辺は聴き比べていないので良く分かりません。

単一電池のバッテリー駆動の音ですが、音はきれいな感じで音の密度感もありますしこれはこれでよいのですが肝心のドライブ面ではちょっとおとなしくなったかなという感じがしました。低音も出るには出るのですが聴感上は引っ込んでいる感じです。電池は内部抵抗が高くなるのが欠点かもしれません。ACDC電源はamazonさんで購入した1700円くらいの比較的安価なものですが12V6Aで72W相当ですからパワー的には余裕があるのかもしれません。実験だからまあいいかという事で購入したのですがこれは良い買い物でした。

ACDC電源はこちらです。この電源ですが出力のコネクターとは別にサイズ違いのコネクターやねじ止めでリード線が接続できるオプションが付いています。これは実験に便利です。

電源で音が変わるのは経験則であるのですがもしかしてこれって電源沼なんでしょうか。(笑)
今回はHD660Sのレビューなので別に機会があったら記事にしたいと思います。

脱線もここまで来たら後残るはいくつかあるのですがとりあえずコレ!!ここまでやる??いえ、ここまで来たらやっちゃいましょう。

300B真空管メインアンプの出力に直接HD660Sを接続します!!出力的にはCA215の12W+12Wよりは小さいでしょうね。多分10W+10Wもないと思います。その為、直結しても壊れないと思いますが・・・。どんな音がするんでしょう。ごくり。真空管メインアンプの出力にヘッドホンジャックを接続できるようにコネクターを接続します。これで準備OKです。

これもトラブったらヘッドホンを壊す可能性があるのでちょっと怖い実験ですがCA215のようにDCが出る可能性が殆どないのでちょっと気は楽という感じです。音質ですが、ブーンというハム音が聞こえてきて気になって音楽に集中できません。これはダメですねー。スピーカー出力でも少しハム音が出ていたのですがヘッドホンでは更に気になります。

300B真空管メインアンプはK.A.LABOさんのキットなのですが重低音の所は出ていないんですよね。ただ、量感のある軽々とした音の出方は気に入っています。ギターなどの弦も艶やかな感じでいいです。しかし、ハム音は何ともならないですね。ヘッドホンは耳元に来るので少しでもノイズが乗るとダメなようです。でも、なんか、これで分かったのですがヘッドホンを鳴らせるようなヘッドホンアンプを買っておけばよかった!

それから一週間。

という事でお迎えしたのがこれです!

FiiOさんのDESK TOP DAC and Headphone Amplifier K7です。

こちらは別の記事でレビューはアップしようと思います。今回はHD660Sのレビューなので一部です。ヘッドホンアンプといってもDAC付きもあるしどのような機種を選択するか悩みどころですがK7のスペックは推奨インピーダンス16~300Ωというのと出力が2000mW≧ バランスat32Ωという事で十分な余裕がありそうなところが気に入って購入することにしました!順調に沼っています!

ヘッドホン推奨インピーダンス16~300Ω
出力≥2000mW (バランス, 32Ω負荷時 / THD+N<1%)
≥1220mW (シングルエンド, 32Ω負荷時 / THD+N<1%)

FiiOというと以前の記事でKA3をご紹介しましたが、私は割と同じメーカーでランクの違う機種を購入するパターンが多いので同じメーカーで携帯型のUSB DACから据え置き型のDESK TOP DACにするとどのように変わるかというのも興味があって購入しています。

FiiO K7とHD660Sの組み合わせで聴いたインプレッションですが流石に据え置き型という事で鳴りっぷりが良くなっていると思いました。音の描写もピントが合ったシャープな写真というような感じで一つ一つの音が明快でニュアンスが良く伝わって聞こえるようになりました。ドライブ力という点でもKA3に比べるとぐっと力強い音になっていると思います。低音も重心が下がって低い所から出るようになりました。ベースなどの音程も良く聞こえますね。HD660Sのほうも音に力強さが出てきましたので良かったと思います。音量を上げてもくずれずリニアリティーも良い感じです。

機材もそろってきましたのでHD660Sも色々な聴き方が楽しめそうです。次回は色々な楽しみ方について考えてみたいと思います。

今日はここまでにします。最後までお読みいただき有難うございました。

HD660S徹底レビューを記事にまとめました!⇒ https://audiocolumn.com/ua2/1688/

By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。 開発経験DC~110GHz。