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前回はsennheiser ie100proとie300とで質感やギミックについてお話ししました。それからギミックで忘れてはいけないのがリケーブルです。これをやってみたかったのがie300購入の動機の一つです。ケーブルを純正からバランス接続できるようにして音質の変化を確認してみることにしました。結論から言うとリケーブルしてよかったと思いました。ケーブルメーカーをamazonさんで探してレビューで良さそうだったのがonso 04 2.5(4極)-MMCX(L/R) バランス接続用イヤホンケーブル 2021モデルです。リケーブルだとなかなかお店では音質チェックできそうにないですね。コネクタ部が壊れてしまいそうです。
所でバランス接続するとどうなるんでしょう。まず、注意しないといけないのがコネクタの接続です。純正のケーブルを外さなければなりません。慎重になるべく垂直に引き抜きます。ぐにぐにやってると耐久性があまりなさそうなので壊れます。多分。
バランス接続ですがうわ、音が大きくなった!!という感じです。UA2の仕様を確認してみます。関係しそうなのは赤字の所ですね。125mWから195mWに1.56倍に出力電力がアップしています。この辺の出力アップはバランス接続の理論値では4倍になるはずですが実際は電源事情などもあり中々難しいと思います。バランス接続の疑問点や考察については別途記載してみたいと思っています。
シングルエンド出力特性値
出力レベル:2V @ 32Ω (125mW@32Ω)
周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
THD+N:0.0008% @ 32Ω (A特性 @ 0.5V)
ダイナミックレンジ:122dB @ 32Ω (A特性)
S/N 比:121dB @ 32Ω (A特性)
クロストーク:76dB @ 32Ω
出力インピーダンス:<0.8Ω
バランス出力特性値
出力レベル:2.5V @ 32Ω (195mW@32Ω)
周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
THD+N:0.0008% @ 32Ω (A特性 @ 0.5V)
ダイナミックレンジ:120dB @ 32Ω (A特性)
S/N 比:116dB @ 32Ω (A特性)
クロストーク:109dB @ 32Ω
出力インピーダンス:<1.6Ω
バランス接続はオーディオアンプの場合はカーオーディオなどの電源電圧が12Vと制限されて出力が取れない場合に使う方式で昔からある技術ですが携帯の電源電圧も3.6V程度なのでパワーが欲しいときはいいのではないかと思います。音質的にもドライブ力が増した感じでリッチな音質になりました。ONSOのケーブルは着色が少ない感じでどこかが強調される感じもなく自然な音色です。
それから青字の所のクロストークを見て下さい。シングルエンド出力の76dBに対して109dBと33dBも小さくなっています。クロストークは左右の音の分離度で小さいほど良いです。クロストークが小さいと左の音に右の音が混ざらないので左もしくは右の音だけそれぞれがはっきり聞こえるようになります。例えばボーカルでLとRにも同時に同じ歌手が声を重ねて発生してもきれいに左右に分かれて聞こえるようになります。
いわゆる分離がいい音になります。聴いていて気持ちがいいですね。
所でデメリットは無いのでしょうか。これは難しいところですが左右にそれぞれ独立した回路が必要になるので2倍のコストがかかる可能性があります。
イヤホン向けの携帯アンプやDACでは元のコストが低ければそれほどのコスト転嫁がないのでしょう。据え置きのオーディオ装置ですと例えばモノラルアンプが2台は必要でバランス接続用の回路もいるのでかなりコストがかかりますね。
それから左右の増幅回路が非常によく特性が揃っていないと音が左右で違ってくるので違和感を感じるかもしれません。ケーブルも同じで特性が良くそろっていることが良い音で聴ける条件かなと思います。ONSOのケーブルは派手さはないですがバランス接続のメリットをうまく引き出しているように思いました。ただし、お値段が16,000円程度しますのでコストメリットを考えるとほかのイヤホンを買った方が良い場合もあると思います。私の場合はバランス接続の音質を確認したかったので購入しました。外出するときはこのケーブルで聴いています。
おまけ
ONSOのケーブルですがie300の本体と同じくきらきらした加工が入っています。これは合うのではないかと思います。着脱もしっかりしている感じでまずは一安心です。耐久性はまだ分かりません。引き続き使用感はレポートしていきたいと思います。
今日はここまでにします。