前回のUSBドングルDACのFiiO KA3レビューpart1ですがスペック表記の所で眠くなってしまい力尽きましたのでその続きのpart2です。今回はアンバランス接続とバランス接続の出力についてから考察していきます。バランス接続すると出力が2倍になるとか記事を見かけたのですが理論上は4倍になるのでこれは誤解なんですが、ただ理論通りに4倍にするのは中々難しいです。
KA3徹底レビュー総集編をこちらに記事にしました。まとめて読めます!https://audiocolumn.com/earphone_ie100/1616/
式でいうとPOWER=V^2/RでPOWERが出力、Vが電圧、Rがイヤホンなどのインピーダンスになるのですがバランス接続ではVが見かけ上2倍になるのでRのインピーダンスが一定だとするとPOWERは4倍という事になります。
電源が強力で回路のインピーダンスが低くてもドライブできるだけの出力回路やパターン設計が必要なので費用が掛かることになります。ここまでこだわるかなんですがハイエンド機なら出来るかもしれませんがローエンドは難しいかもしれません。どこにどれだけ費用をかけるかはエンジニアの腕の見せ所ですね。
FiiO KA3のアンバランス出力とバランス出力を見ていくと16Ωではアンバランス120mWでバランス120mWで同じですね。4倍になっていません。低いインピーダンスでは出力を上げるのが上記事情により難しいかもしれません。32Ωではアンバランス130mWでバランス240mWで約2倍です。この辺からバランス接続で出力アップの恩恵がありそうです。
300Ωになるとアンバランス14mWに対してバランス56mWと理論通り4倍になっています。インピーダンスが高いと電流が少なくなるので理論通りになりやすいと思います。600Ωも7mWに対して28mWなので理論通りですね。理論通りだから音質がいいという訳ではありませんがイヤホンやヘッドホンを聴いているとあぁ、これはイヤホンを十分ドライブ出来ているなとかヘッドホンはいまいちだなとか思うときがありますので目安にはなると思います。ただ、KA3のスペックを見ているとバランス接続の32Ωあたりが出力が240mWと最大になるので最も良さそうな条件に思います。600Ωとなるとバランスでも28mWなのでそもそも出力が不足して十分ドライブできるのかなと思いました。
スペック表記はメーカーの思想や設計に関する情報も含まれていると思いますので面白いです。FiiOさんのスペック表記は知りたいことが書かれていて好感が持てますね。スペックは下記です。まず、推奨インピーダンスが16~300Ωとありますがこれで大体皆さんの自分の持っているイヤホンやヘッドホンのインピーダンスを調べて鳴らせるか確認できます。私のイヤホンですとsennheiser ie100proが20Ω、ie300が16Ωなので推奨範囲内です。sennheiserのヘッドホンHD555は50Ωなのでこれも良さそうです。iphoneの純正イヤホンが23Ωだったかと思いますのでイヤホン系は大体鳴らせそうです。また、600Ωといった所まで出力表記があるのはカタログ表記なので保証するわけではないかもしれませんが参考になると思います。
周波数応答は20~50KHzとありハイレゾ再生でも良さそうですが周波数応答の上限が50KHzでもよいのかとかどれくらいあればよいかは私は良くわかっていません。この辺は何か実験してみたいと思っています。ただ、appleのlightnig DACとSHANLING UA2でオシロスコープをモニタしながら正弦波を再生した感じでは19KHzくらいまでしか再生出来ていなかったです。これでいいのかなー。この辺の理由は分かっていません。appleのiphoneの仕様かもしれません。
50KHz(-1dB)表記も親切だと思います。-1dBだとスペックが厳しい感じで-3dBだと少しゆるくて周波数応答も50KHz以上に書けると思います。まぁこの辺のスペックは音質との因果関係が試したことが無いので今の所そこまで気にしていません。機会があったら試したいと思います。
今日はここまでにします。
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