こんにちは、manotchです。さて、夏も本番。毎日暑いですね。

こういう時は家でオーディオ三昧に限る!という事で先日My New Gear.したFiiO K9AKMを分解して最新DACアンプの技術動向をレビューしてみたいと思います。分解なので主に中身を見て気が付いたところを記事にしていきます。えっ?音のレビューがない?(別途記事にします)

※それだとアレなんでちょびっとファーストインプレッションだけ書くことにしました。

※FiiO K9AKM 2024年1月29日発売

梱包箱です。いつものようにキラキラです!

■発端。K9AKMとK7との音の差はなぜ?

K9AKM音良いですよねー。昨年購入したK7も電源強化したりしてかなりいい線行っているかもと思っていたのでK9AKMと差が無かったらどうしようと思っていたのですが杞憂でした。

K7とK9AKMを縦にして並べてみました。K9AKMの底板にPSEマークの紙が貼ってあるんですよね。剥がすとまずいかなぁ。後々対策を考えてみます。

ファーストインプレッションは、音楽をより楽しめる方向に振ったなぁという感じです。

低音が分厚い。ボーカルが艶やかで生々しい。今まで聞こえなかった音が聞こえる。音場が広がった。SN感がいい。とまあ聞かせどころが多くなっています。流石の実力機だと思います。K7は以前のレビューで『解像度の高い写真のような描写』という表現をしたのですが、K9AKMは上回ってきましたね。

K7もコスパは十分高いと思いましたが、K9AKMもこの内容ならコスパが高いのではないでしょうか。同価格帯で見ると内容的に競合を上回っている感じです。K7もK9AKMもFiiOの戦略モデルだと思っています。つまり、価格競争力のあるモデルで据え置きDACアンプのマーケットシェアを取りに行っていると思います。伝統の中国方式。日本のメーカーも頑張ってほしいですね。

楽しくなってきたのでK7の時に聴いていた過去の曲を総ざらい。良くあるパターンです。一通り聴いていたのですが、生まれてきた疑問は何で音の差が出るんだろーです。そりゃお金のかけ方とか違いますけど、どこがどう違うのか?です。

これは分解するしかない!(苦笑)

■FiiO K9AKM分解方法。(自己責任ですよー)

という訳で分解です。オフィシャルサイトとかリリース記事を見て、あぁこれは背面のねじをとれば分解できそうだなぁと思っていました。しかし、購入したら中身が見れない残念仕様だったらどうしようと思っていたのですが分解できました。良かった良かった。この辺は自己責任ですのでお願いしますよ。

まずはフロントのボリュームを取ってみました。K7はとれなかったんですよね。K9AKMはボリュームが圧入なのでそのままぐっと引っ張ればとることが出来ます。アルミ無垢にプラスチック成型の複合構造ですね。アルミ無垢は分厚く回した時にヒヤッとしていて重厚感があり好感触です。以前アンプで試した時はアルミ無垢は音も良かったです。

ここはご覧の通りナットを外しても分解には関係なさそうでした。リアパネルの方を見てみましょう。

リアパネルのネジ類を外してみます。FiiO K7の時もそうでしたがK9AKMも非常にビルドクオリティーが高いと思いました。パネルの勘合が隙間なくぴったりなんですよね。精度が高くないとこれは出来ないです。

こんな感じで外すことが出来ました。気を付けないといけないのはBluetoothのアンテナで細いケーブルが一本で基板へと繋がっています。適当にパネルを外すとケーブルが切れてしまいそうです。慎重に行きましょう。買って間もないので動かなくなったら涙です。

後ちょっと難しいのはリアパネルと基板間をAC100V系のケーブルが繋がっているところがありますが、ここはファストン端子で圧入されているだけなのでぐっと抜けば外せます。気を付けるのはケーブルの色で緑はシャーシのグランド、赤はACラインです。

この2本を外したあとは写真のようにシャーシのグランドに接続されている緑のケーブルのネジを2か所外します。

後はリアパネルを押してフロントパネルをスライドさせながら前に引き出していけばOKです。

フロントパネルのXLR4端子の蓋です。これは指で取れます。単なるカバーですね。

これで分解した基板を見ることが出来るようになりました。パチパチパチ。(拍手)

■FiiO K9AKM分解動画をアップしてみた!

分解はロマン。まぁ好きな人もいるかもしれないのでXにアップしておこうかなと思ったら意外と反響があって良かったです。K9AKMを分解してみようと思ったのは他に分解している人がほぼいなかったからという所もあります。(海外サイトではK9 PROで分解している方がいました)

■FiiO K9AKM分解レポート1.~5.

この辺は先行してXにアップしている所もありますが、文字制限もありますし書きたいことも沢山あるのでブログの方に纏めておきたいと思います。

FiiO K9AKM 分解レポート1.

総括すると入念に設計され完成度の高さを感じました。これはいいですねー。

気の付いた点をレポートしたいと思います。 開けてまず目に付くところは透明なプラスチック成型で囲われた構造ですね。ハンドリングの都合でしょうか。

K7を以前分解したときもこの構造だったと思います。筐体が筒状で基板をスライドして入れる形なので構造的に適しているのかもしれません。

FiiO K9AKM 分解レポート2.

透明なプラスチック成型で気になる点ですが基板上部を囲う事で放熱性は落ちるのではないか?という所です。ところが成型品の熱が抜ける開口は写真のようにそれほど大きくとっていません。 その為、温度上昇の点はクリアできると考えたと思われます。

プラスチック成型品が透明なのは中身を魅せる工夫でしょうね。FiiOの製品には天板がシースルーなタイプもあるので蓋を開けてもカッコいいように設計されているようです。もちろん、見た目が良くて音がいい製品が最高ですね。

FiiO K9AKM分解レポート3.

THX-AAA 788+ヘッドホンアンプ回路のチップセットには比較的大きなヒートシンクがおごられています。 透明なプラスチック筐体が近接しているので放熱は結構問題になったかもしれないと思います。

ヒートシンクや固体コンデンサと透明プラスチック筐体とのすきまは2mm程度でしょうか。結構攻めていると思いました。(機構屋さんのほうが)

FiiO K9AKM 分解レポート4.

電源周りを見ていきます。AC側にはノイズ対策のフィルタが入っています。 トランスには黒くてカッコいいカバーが付いています。見た目は重要ですもんね。 フィンが付いているのですが樹脂の様で放熱用というよりは飾りのように見えます。

いいなと思ったのは、CUSTOMIZEDの印字です。売れる製品をリリースするセンスを感じます。なんか特別感があるじゃないですか。

FiiO K9AKM 分解レポート5.

ブロック図がオフィシャルサイトより公開されているので分解した写真に推測で書きこんでみました。こうして見ると電源回路のスペースが大きくとってあり相当力を入れているのが分かります。 デジタルもアナログも電源は重要そうですね。

上から見てチップセットが分からなかった箇所はブロック図に書き込んでいませんが、恐らくアナログフィルターや電子ボリュームの回路あたりだと思います。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

FiiO K9AKMですが価格ドットコムを見ると現在販売ランキング3位。

初代のK9はチップセットが異なりますが、K9AKMと並行販売しているようです。こちらは試聴できていません。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。