ACアダプターからスイッチングノイズが出る件ですが、スイッチング電源ではなくてリニア電源にするという手もあります。スイッチング電源は数十キロヘルツといった高い周波数で半導体素子がON/OFFするのでノイズが発生しやすいです。

■リニア電源を購入してみる

リニア電源は高い周波数でスイッチングしない回路なので高い周波数のノイズが原理的に出ないです。(低い周波数で整流ダイオードがON/OFFするので厳密にはスイッチングしていないわけではないです。)

という訳で高周波のスイッチングノイズが出ないリニア電源方式のACアダプターを探して見ました。

はい、こちら!

アイコー電子 トランス方式ACアダプター 12V/1.2A 2.1mmプラグ 極性+ VSM-1212Bです。

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左上に小さい銀色の物体(半田ボール)がありますが気にしない!

リニア電源は高い周波数のスイッチングノイズが出ないというメリットがありますが反面、低い周波数で直流を生成します。そうするとトランスや電解コンデンサといった部品が低い周波数用になり部品が原理的に大きくなるので、電源が大きくなったり重くなるというデメリットがあります。

今ではスイッチング式の電源が多くなりましたが、オーディオなど音質重視の機器では今でもリニア電源が採用されています。どちらも設計した経験がありますが、それぞれいい所と悪い所があるという感じです。その為、スイッチング電源でも音に配慮することでリニア電源に出せない音があると考えています。

アイコー電子さんのリニア電源の元々の用途ですが、AM/FMラジオの電源にスイッチング電源を使用すると高周波ノイズが電源から入ってラジオから雑音が出るようで、そういう場合にリニア電源を使うと高周波ノイズが入らなくなってラジオから雑音が出なくなるようです。

■リニア電源のノイズを測定する

写真のようにスイッチング電源の時と同じ20Ωの負荷を接続して7W消費させた状態でノイズの波形をオシロで観測します。むっ?直流で15.2V程出ていますね。12V表示なので26%ほど電圧が高いです。いいんでしょうかこれは。(汗)

どうやらこのACアダプターはレギュレーション(電圧の安定度)があまりよくないようで負荷の消費電力が大きくなると電圧が落ちてくるようです。オーディオ機器ですと電源電圧の動作範囲は±20%くらいで設計していますので場合によっては定格オーバーしてしまいます。その為、この電源は私はお勧めできないです。完全に人柱用ですね。

恐らく、消費電力が定格の12V,1.2A=14.4Wくらいまで増加すると12Vくらいまで落っこちるのでしょう。12Vという表示で使用条件が書いてないのであながち間違いではないと思いますがユーザーが誤解してオーディオ機器に取り付けたら過熱するとか最悪破損する可能性があると思います。

ノイズの方はどうでしょう。オシロをACレンジにしてリップルを観測します。高周波のスイッチングノイズは出ていないです。綺麗な波形です。しかし、レンジを低い周波数にすると120Hzで結構大きなリップルが出ています。12Vの電源ですが1.256Vppですね。直流分の10%くらい出ているのでこれもちょっとおおきい感じです。オーディオ用途で開発されたものではないので仕方がないかもしれませんが。

■リニア電源ACアダプターの音のインプレッション

これはちょっと困りました。真空管ヘッドホンアンプTUBE-02Jに取り付けて音を確認する予定でしたが電圧が結構高いので使用を躊躇します。しかし、26%高いのはぎりぎり使える範囲だろうという事で短い時間繋いで音を聴いて見ました。壊れたら泣きます。(泣)

音はというと確かに広がりのある音場やSN感の良さという良い所があるのですが、低音が出ないし高音も出ないという感じで何というか悪くないですが良くもないという感じのインプレッションです。何かかまぼこ型の音だなー。これはどういう事なんでしょうね。

という事で、余りずっと聞いていると壊れそうなので早々に電源を切りました。音が気に入ったら何か考えようと思いましたがこれは電圧も高いし、ちょっとやりようがないですね。やはり、オーディオ用途の据え置き型のリニア電源などが良いのかもしれません。

■スイッチング電源のノイズをAMラジオで再生してみる

ここで実験ですがACアダプターのスイッチング電源から発生しているノイズがAMラジオで再生できるか聴いて見ます。

接続は下記の写真になります。

最初がスイッチング電源ONの状態で始まり、一旦電源をOFFします。その後、もう一度電源をONにしています。電源をONにするとビィーという音が大きくなるのが分かるでしょうか。

この実験はAMラジオを使っているのですが定量的にノイズの大きさが分からないので対策前後での効果の差を見るには不向きです。ただ、AMラジオがあると出来るので割と誰でも実験しやすいと思います。

コツはAMラジオの同調を外して色々な周波数でスイッチング電源をON/OFFすることです。ちょうどノイズの出ている周波数になると、ノイズの音が大きくなるので分かりやすいと思います。

後はスペアナ(スペクトルアナライザ)という測定器でノイズの成分を周波数ごとに表示する手がありますが手持ちにないので今はこれくらいしか分からないです。

■LAN、ノートPCといった電源をどこからとるのが良いのか?

余談ですが今、オーディオを聴いているこの部屋には3か所電源コンセントがあります。LANやらPLC(電源ラインにインターネットの信号を重畳する方式)が接続されていますがこれらの電源はどうとるのが良いのでしょう。さあ、沼って来ましたよ!

それでは課題が出てきたので資料を更新してみます。

LANやPLCも電源コンセントがオーディオ機器の電源コンセントと同じになっていたので試しにAC1とAC2に分けて見ることにしました。余り変わらないような気もしますが・・・。あーー何か変わりますね。何だろうな。分けたほうがボーカルがはっきりしたような。しかしこれは難しいですね。接続方法から考えると何通りもあるのでやりだすとキリがなさそうです。

LANとLANようのACアダプターです。しかし、どこまで電源対策をすればいいのやら。

ただ、原則的にはデジタル回路はデジタル回路、アナログ回路はアナログ回路系に分けてそれぞれ電源コンセントからとるのがいいんでしょうね。私の部屋は2か所のコンセントが近くにあり1か所遠くにコンセントがあるのですが遠くのコンセントにアナログ系の電源を接続したのですがどうもぱっとしない感じの音になったので近くの2か所のコンセントから電源をとっています。

しかし、ここまで電源をあれこれ試していると確かに音が変化しますし気に入った方を選択した結果、以前より音場が広くなって音も聴きとりやすい方に変化していると思います。良かった良かった。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

電源ノイズ対策は奥が深すぎるー。

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【後日談】それぞれやったことの詳細は、オーディオの電源を強化しようのpart1~part9のいずれかに書きましたのでそれぞれのページを参考にして見て下さい。一応下記にリンクを貼っておきますね。

ACアダプターから発生するスイッチングノイズに気が付いたことから物語がスタートします。

FiiO K7やその他、ACアダプターから発生するスイッチングノイズをオシロで見てみました。また、対策としてシンプルなノイズフィルターを作成して効果を確認しました。まさかのあの人物もヒアリングをしてくれました。

シンプルな電源に入れるノイズフィルターの定数を変更して音の変化を確認しました。また、市販の電源に入れるノイズフィルターも試しています。

市販の電源に入れるノイズフィルターの使いこなしや音のインプレッションなどを書きました。電源沼楽しー。

ノイズが小さいリニア方式のACアダプターを試して見ました。また、スイッチングノイズをAMラジオで受信して音を聴いてみる実験を行いました。(動画あり)

超ローノイズのACアダプターというiFiさんの電源を試して見ました。音のインプレッションや電源ノイズの波形観測など行っています。

電源ラインの強化という事で電源タップをオーディオグレードに変えてみました。音のインプレッションや一般的な電源タップとの比較で内部を分解して構造を比較をしてみました。

究極の低ノイズ電源といえばバッテリーですね。乾電池によるバッテリー電源の音のインプレッションやLANハブからくるスイッチング電源のノイズを取るとどうなったかなど記事にしました。

今までのオーディオの電源を強化してみようpart1~part8までの総括になります。

By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。現在もエンジニアとして仕事をしています。