以前、オーディオの電源強化とノイズ対策でpart1からpart9までを1周目最終回としましたが今回はpart18で一旦2週目最終回という事にしようと思います。理由としては頼んでいる部品で足が長いのが入手できていないこととか、FiiO K9 AKMをMyNewGearしたこととかありますね。

FiiO K7を所有していますがそのステップアップとして検討していたDACアンプですがまた機会があったら(分解など出来たら)レビューしたいと思います。これは楽しみ!

■いきなり、しかのこのこのここしたんたん1話だけ総括

FiiO K9 AKMでリファレンス曲などを何曲か聴いた後、K9で視聴したのが今話題のアニメのコレ。しかのこのこのここしたんたん。はじめの一歩の作者である森川ジョージ先生がおっしゃっていたように、これは混乱する!脳内に右フックが入ったような感じです。総括すると『良く分からんけど面白い』です。

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■電源強化策の再掲

さて、最終回という事で以前の記事でオーディオの電源強化について書いたので思い出してみます。まぁPCオーディオでも当てはまると思います。

大きく分けてAの電源供給能力アップとBのノイズを減らすがあるのですが今回はBのノイズを減らすにフォーカスしています。電源のケーブル類をツイストしてループを減らす対策についてはEMC対策の基本と言えば基本ですが概ね良い方向に向かったかなと思います。また、おかげさまで結構な反響も頂きました。ありがとうございます。

しかし、ノイズを減らすのはキリがないとも言えます。その辺ですが先行してPCオーディオの高音質化に取り組んでいる方もいらっしゃいましたので参考になりますね。

■ATX電源=必ずしも音が悪いわけではないかも

PCオーディオではATX電源を使うわけですが余りオーディオでは評判が良くありません。

しかし、今回の実験結果を見ていくと必ずしも音が悪いという事はないように思いました。どうも音が良いのと悪いのがあるように思います。悪いのは恐らく出力電力は取れているがノイズやリップルといった特性に配慮していない電源ではないかと推測します。元々オーディオ用途ではないので音質に配慮しているわけはないですよね。

じゃあそういう場合どうするのかというとノイズ対策が必要になると思います。低ノイズな回路にしたり、パターンを工夫したり、ノイズフィルタを入れるといった対策です。

対策を入れることで随分オーディオ的な鳴り方になっていきます。THD+Nといったノイズや歪特性的にもリニア電源と同等にまでもっていくことは出来ると思います。ただ、測定器なしには特性を追い込むことは難しいかもしれません。後は音を良くするためにパーツを選定することも必要かもしれないです。

ATX電源もアレコレ試したわけではありませんが音を良くしていこうと思ったら2つのアプローチが考えられると思います。

【アプローチ1】低ノイズ、低リップルなATX電源の使用

オウルテック社のSEASONICシリーズを分解して中を見ましたがケーブルレスというだけあって配線が殆どありません。不要な配線は全て外す事が出来るので輻射ノイズをまき散らす心配がないです。これはオーディオ的には有利な仕様だと思います。写真は一般的な玄人志向のATX電源とSEASONICシリーズ電源の内部比較ですがケーブルが殆ど無いのが良く分かると思います。

また、写真は同じ650Wの電源ですが同じ出力でもリップルと言って細かい電源変動の大きさの違いが出てきます。分かりやすい例だと平均が同じ650Wでも激しく電圧が変化する電源と変化しない電源があるわけです。

音にも影響があって安定してしっかり音が出るか出ないかといった違いが出てくるようです。そういったわけでATX電源もどれでもいいわけではなく、ある程度低輻射ノイズ、低リップルの電源を選択して使うといったオーディオ向きの電源を選択する必要がありそうです。

最近のATX電源はこれらの低輻射ノイズ、低リップルを謳ったものがリリースされているのでPCオーディオで音質を良くしたいと思ったら検討する価値はあると思います。

■磁性体フィルターは材質の音色が乗るのかも

【アプローチ2】電源ノイズフィルターを使いこなす

電源ノイズフィルターの方は誰でもチャレンジしやすいようにポン置きで使えるような市販のものを使ってみましたが必ずしもこれじゃないといけないわけではないと思います。今後の為にメモ書きですが書いておきたいと思います。

フェライト系のコアを使ったノイズフィルター=必ずしも音が悪いわけではないかも

フェライト系の磁性体はノイズカットの効果は高いものの、確かに音が少し、んっ?というような違和感のある音が乗るときがあるのですがそういう時は使い方にも問題があるように思います。音楽信号が大きく乗ったりする出力の回路や電源などでも大電流が流れる回路に入れると顕著になるように思います。なのでアンプなどの信号系にはフェライト系の磁性体パーツはほぼ使った記憶がありません。あってもフェライトビーズくらいでしょうか。

イメージとしてはVin-Vout/Ton(電流の流れる期間)が大きいような場合です。計算式はうろ覚えですが電流の傾き(⊿I)に相当します。※間違っていたらごめんなさい。こうなると磁性体の非直線性歪の特性が目立ってくるようです。そういった理由で信号の振幅が大きいACラインやスピーカーネットワークが特に影響が出ると予想します。

オーディオ界隈ではファインメットのような磁束飽和密度が高いコアを使ったノイズ対策が音が良いという事で対策している方を見かけるのですがこれはフェライトに比べると磁束が飽和しにくく一般的に非直線性歪が小さいことからきているように思います。

実際フォロワーさんのお勧めで日立のファインメットでフィルターを組んでみたのですが定数的にもカットオフが高いのにもかかわらず、ノイズカットの効果が感じられオーディオ的な音になる感じです。色気とか艶といった音色が感じられました。ノイズカットの方はまだわかるのですがファインメットがオーディオ的な効果があるというのはもう一つ良く分からないですね。磁性体にも磁性カーブの特性があるのでそれが音の個性になるかもしれません。

ファインメットを使った音対策はやったことがなかったのですがこれは勉強になりました。

写真はフィルムコンデンサとファインメットで作成したフィルターのサンプルですが感覚的にこれくらいなら良いかなという適当な定数です。しかし時間の都合でやれなかったです。機会があったら定数も検討してみたいです。写真のようなビーズタイプとリング状のタイプもあります。

試しにLTSPICEだとこんな感じの特性(100KHzくらいのローパスフィルター)になります。コンデンサの容量は実際はマザーボード側にもあるので実際はもっと低い周波数からノイズカット効果が出ると考えられます。

個人的な見解ですが、磁性体を使ったようなLCフィルターより抵抗とコンデンサだけで構成したシンプルなフィルターの方が恐らく音が自然に思います。しかし、今回のような大電流が流れる回路では抵抗の発熱が大きすぎて使えそうにありません。

また、磁性体を使わない空芯コイルのフィルターもよさそうに思います。しかし、こちらもサイズが大きくなりすぎてこれも使えそうにありません。まだまだ改善の余地はありそうです。

■オーディオの電源強化part10~18総括

2週目最終回という事でここまでを纏めてみました。

PCオーディオは魔窟ということもお聞きしましたが、それを面白いかと思うかですね。パーツが多いしケーブルも引き回しが多いし、ソフトウエアは内部でなにやっているか分からないしで音を変えるファクターが多いと思いました。特にCPU周りは大電流が流れるため音への影響が大きいように思いました。グラフィックカードの方はもっと電流が流れるので影響はさらに大きそうです。

PCオーディオの電源強化やノイズ対策は比較的コストがかからず音質改善が期待できると思いました。

これは3周目あるかなぁ。それではまた、どこかでお会いしましょう。

今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

『ノンマル=コモンさん』高周波ノイズの擬人化です。ちょっと小さくなったかな。

『ノンマル=コモンさん』今日はこれくらいで許してやるわね。うぅぅー。

以前記事にしたpart1~part9までの総括はこちらからご覧いただけます。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。