ATX電源、ATX電源コントローラー、ノイズフィルターなどが準備できたら結線して音を聴いて見ましょう。わくわく。

結線方法ですが、ATX電源に電源コントローラーを接続します。コネクタでガチャっと接続したら念のため電源オンオフのスライドスイッチを動かして12Vが来ているか確認します。電源コントローラーには電源オンを表すLEDのインジケーターが点灯しますので分かりやすいと思います。

写真は電源ノイズフィルターの出力に抵抗負荷を接続しテスターで電圧を確認しています。7W負荷で11.9Vですね。

■ATX電源、その他電源のレギュレーション特性を確認しておく

ここでATX電源やACアダプターの電源、iFiのローノイズACアダプター、AND社リニア電源などのレギュレーション特性を比較しておきます。レギュレーション特性とは電源に負荷電流を流した時にどの程度電源電圧が低下するかをグラフにしたものです。一般的には負荷電流を多く流しても電圧の低下が小さい電源の方が良い性能と考えられます。

こうしてみると、単一バッテリーは電源の低下が大きくレギュレーションが悪いことが分かります。しかし、聴感ではバッテリーは聴き疲れもしないし好きな音色です。その為、一概にレギュレーション特性だけでは音の好みは分からないことが言えます。

次に産業用電源のAND AD-8724Dは非常にレギュレーション特性が良いことが分かります。リニア電源方式ですが出力電圧の低下をモニターしてフィードバックすることで正確な12Vを生成しているようです。電圧が落ちませんね。リニア電源の方はまた後で記事にしたいと思います。

今回のATX電源はレギュレーションは低ノイズACアダプターやFiiO K7純正アダプターとどっこいどっこいの特性です。あれ?それ程特性は良くなかった?

ただ、この辺のレギュレーション特性は実はある程度コントロールする事が出来ます。

ATX電源のいい所は電源のコンデンサやパーツ類に大電流の仕様の部品が使われていることで基礎的な電流供給能力が高いことだと思います。経験則ですが電源や部品の電流供給能力が高いと音の出方が良くなって多少の粗があっても聴けてしまう傾向があることです。いわゆる物量作戦というやつです。
車で例えると分かりやすいと思いますがシャーシがしっかりしているとかエンジンの排気量が大きいとかと例えられます。車としての特性は変わらないかもしれませんが乗り心地が変わるというイメージですね。

■ATX電源から発生するスイッチングノイズを測定してみる

以前、電源の強化とノイズ対策を行ったとき(part1~9参照)ACアダプターから出るスイッチングノイズが影響して音が曇ったりすることを経験しました。その時は電源ノイズフィルターを入れることやローノイズのACアダプターを入れるなど対策して音質を改善しました。この時の記事は下記になります。

今回も同様にATX電源にノイズフィルターを入れて音への効果を確認していきます。まずはATX電源に7W出力になるようメタルクラッド抵抗を接続してノイズを確認します。552mVppくらいでした。これはACアダプターより大きい値です。むう、結構出ていますね。ただし、ピークの出ている時間が短いのでノイズ成分としてはメガヘルツオーダーのようです。これならノイズカットできそうです。

もともとこれらの電源ノイズフィルターはスイッチング電源のラインノイズをカットする目的で作られたものですのでそれなりに効果はあると思います。オーディオ用のスイッチング電源でも基本的に行っていることは同じだと思います。

準備した電源ノイズフィルターを接続してノイズ低減効果を確認してみましょう。

全部スクリーンショットを取るのを忘れましたが下記はCOSEL SNR-10-223Tの出力をオシロで確認しています。これを見る限り、奇麗にノイズ成分はカットされているように見えます。552mV⇒20mV以下になりました。これはオシロの測定限界レベルです。

ノイズの減衰特性はCOSELのサイトに記載されていましたので参考までにリンクを貼っておきます。メガヘルツオーダーで減衰量は-40dB(1/100)程度のようです。まずは必要帯域で十分な減衰量がありそうです。

■ATX電源+電源ノイズフィルター3モデルの音のインプレッション

【FX-AUDIOのPETIT SUSEIとTANK LIMITED】

最初に、ATX電源の出力にFX-AUDIOのPETIT SUSEIとTANK LIMITEDバージョンの組み合わせで聴いて見ます。SUSEIは以前、改造した電解コンデンサの並列を減らしてフィルタを軽くしたバージョンです。この辺は音変アイテムとしてあれこれ改造したり楽しめると思いますよ。

音の方はというとちょっと荒っぽくて聴き疲れする感じが改善し、音楽が聞き取りやすくなる効果があると思いました。これは中々いいですねー。面白いのはSUSIEって一般的なACアダプターの時は音が少しやせる傾向があってTANKでそれを補うイメージでしたがATX電源だと余り感じないことです。元の電源の鳴りがいいのでそう感じるかもしれないです。これは勉強になりました。

TANKの効果も低音に瞬発力が出てきますね。一般的なACアダプターに比べると低音に厚みがあって力強いです。ただ、やっぱり低音は少しもこもこ感がありますね。余りに多くの電源のコンデンサを並列にするとそういう傾向があったと記憶しています。なのでこの辺は一長一短と言えそうです。

【COSEL SNR-10-223T】

次に電源メーカーでメジャーなCOSEL社の電源ノイズフィルターです。中身のインプレッションでも言いましたが中々使い勝手が良いです。この電源ノイズフィルターのいい所は出力に270uFの電解コンデンサが付いていることでFX-AUDIOで言う所のTANKの役割も果たしていそうなところです。音はというと3つの電源フィルターの中では一番好きな傾向でした。

ATX電源の鳴りっぷりの良さとノイズフィルターの組み合わせ、そしてTANKのような後段に電解コンデンサなどの追加がなくても音がやせたりせず屈託のない鳴り方です。FX-AUDIOの電源フィルターより構成がシンプルでスケール感が出る所が良いですね。特に後段にTANKのような電解コンデンサの段を入れる必要はないかなと思いました。

これはかなりお勧めできると思います。

ただ、一点問題があったのです。それは筐体のカバーが取り外せるのですがIN/OUTがさかさまに取りつけても問題なくハマることで電源のプラスとマイナスの表示が逆になっても気が付かないことです。

これで一度極性を間違えてケースをはめて結線したので電解コンデンサがパンクしてしまいました。煙が結構出てびっくり。皆さん、気をつけましょう。(苦笑)

ここは電解コンデンサがパンクしたついでに固体コンデンサやフィルムコンデンサなど取り替えて遊んでみると面白いと思います。写真だと茶色いスリーブの電解コンデンサです。

さて、COSELの電源ノイズフィルターですがAmazonでは購入できないようです。私はモノタロウで購入しました。FX-AUDIOのフィルターを試してみて音変アイテムとして面白いと思った方はぜひ試してほしいアイテムだと思います。

【TDK RSEN-2010D】

TDKも電源ノイズフィルターをリリースしていますが今回はAmazonでどういう訳か安価で販売しているのを発見しましたので購入してみました。

重さがあり、高級感があります。これは期待できるかも?と思いましたが・・・。

中身を見る事が出来ました。黒いモールドで含浸しているようです。これで重量感が出るようです。コイルの直径は3モデルの中で最も大型です。

音はというと予想に反して穏やかで静寂感の出る感じです。ノイズフィルターとして優秀な感があります。しかし、穏やかすぎてもう少し鳴りっぷりが良くても良いのではと思いました。こういう音が好みの方も恐らくいるだろうと思います。荒っぽさが取れて落ち着きがあるし音場は奥に広くなったと思います。なんだろう、モールドしている効果かなぁ。モールドすると確かにこういう風に鳴るイメージがあります。こういうのも音変アイテムして面白いですね。

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今日はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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By manotch

■自己紹介 manotch まのっち ■職業 以前、オーディオメーカーで回路設計と音質チューニングにたずさわってきました。専門はオーディオ用パワーアンプ、AVアンプ、デジタルアンプ、スイッチング電源など。現在もエンジニアとして仕事をしています。